公爵家の呪われた醜男に嫁がされる事になりました。だけど本の知識で呪いを解いたら美男子で、溺愛されて幸せに暮らして居ます
第3話 回想
仮面って。
確かに、政略結婚とかなのかもしれないけどさ、婚約者に素顔を見せないってどうなの!?
それとも、この世界ではこれが普通なの!? これが貴族の普通だったりする訳!? 成人した貴族は、異性に素顔を見せてはいけないとかっていう。
現れた男性を目の前に、仮面の事ばかり考えていたら、頭痛がしてきた。
一体、どうしてこうなってしまったのだろう。
余りにも、私が元居た世界――日本と文化が違い過ぎるし、何よりこんなの『恋するご令嬢』の世界観と違い過ぎるっ!
そんな事を頭の中で叫びまくって居たら、突然前世の記憶が蘇った。
◇◆◇
「すみません。この本を探しているんですけど……」
「あぁ、この文庫でしたら、こちらの棚ですよ。三段目くらいに……ありましたっ!」
「あ、これですっ! ありがとうございます!」
私は、日本のとある図書館で司書として働いていた。
四六時中、大好きな本に囲まれ、休憩時間には本が読み放題!
時には来館者と本について熱く語る事が出来る、まさに天職! という素敵な職場だ。
それなのに、本の整理中に巨大な本棚が倒れてきて、気付いたら見た事のない場所に居た……二歳くらいの金髪幼女の姿で。
「金髪っ! それに大きなフカフカベッド……って、ここはどこなのっ!?」
後でメイドさんがやってきて教えてくれたけど、その時の私は辺境の弱小貴族の一人娘ソフィア・ストーナーになっていた。
だけど、すぐに母親が亡くなって、父親の再婚相手が物凄く金遣いが荒い上に、凄く厳しい……というか、理不尽に酷い人で。
おまけに、生まれた義理の妹エミリーは、生まれた時は天使の様に可愛いかったのに、大きくなるにつれて無茶苦茶な性格になっていくしさ。
それから、この国や国王様に、王女様の名前で、私が大好きだった小説『恋するご令嬢』の世界に居るという事が分かったんだけど、残念なのが作中にソフィアっていうキャラは出てこない。
そう、つまりモブ! 主人公でも悪役令嬢でも、サブキャラの一人ですらない、ただのモブなのよね。
まぁ私としては、本さえ読めれば良いから、別に王子と結婚する主人公とかじゃなくて構わないんだけどさ。
でもね……本さえ読めれば良いと思っていたんだけど、私が十八歳になった頃には、書斎にある本を全て読みつくしてしまった。
本に飢えた私は、何処かに読んでいない本がないかと思い……本棚の奥に隠してあった本を見つけてしまう。
だけど、この本を読んで、一気に危機感を覚えるようになったのよね。
「これは……帳簿? えっ!? ……うちの領地、経営が物凄くヤバいんですけど!」
父の書斎の中には、この国の法律や経営に、商売に関する本もあって、それらと比較していくと、一般的な経営状態からは程遠い……というか、ハッキリ言うと収入に対して支出が多過ぎる。
そして、その支出の殆どがエミリーとその母親の浪費……って、一体どれだけの物を買っているのよっ!
辺境の小さな領地しかないのに、どうして巨大な宝石なんて購入しているの!? しかも領地を運営する為のお金でっ!
こんなの普通に考えて、有り得ないでしょ!?
だから、この事を父親に伝えたんだけど、
「ソフィア。家の事はお父さんに任せておきなさい。お前は何も気にしなくて良いんだ」
逆に煙たがられる事になってしまった。
一体、どうしてなのよっ!
確かに、政略結婚とかなのかもしれないけどさ、婚約者に素顔を見せないってどうなの!?
それとも、この世界ではこれが普通なの!? これが貴族の普通だったりする訳!? 成人した貴族は、異性に素顔を見せてはいけないとかっていう。
現れた男性を目の前に、仮面の事ばかり考えていたら、頭痛がしてきた。
一体、どうしてこうなってしまったのだろう。
余りにも、私が元居た世界――日本と文化が違い過ぎるし、何よりこんなの『恋するご令嬢』の世界観と違い過ぎるっ!
そんな事を頭の中で叫びまくって居たら、突然前世の記憶が蘇った。
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「すみません。この本を探しているんですけど……」
「あぁ、この文庫でしたら、こちらの棚ですよ。三段目くらいに……ありましたっ!」
「あ、これですっ! ありがとうございます!」
私は、日本のとある図書館で司書として働いていた。
四六時中、大好きな本に囲まれ、休憩時間には本が読み放題!
時には来館者と本について熱く語る事が出来る、まさに天職! という素敵な職場だ。
それなのに、本の整理中に巨大な本棚が倒れてきて、気付いたら見た事のない場所に居た……二歳くらいの金髪幼女の姿で。
「金髪っ! それに大きなフカフカベッド……って、ここはどこなのっ!?」
後でメイドさんがやってきて教えてくれたけど、その時の私は辺境の弱小貴族の一人娘ソフィア・ストーナーになっていた。
だけど、すぐに母親が亡くなって、父親の再婚相手が物凄く金遣いが荒い上に、凄く厳しい……というか、理不尽に酷い人で。
おまけに、生まれた義理の妹エミリーは、生まれた時は天使の様に可愛いかったのに、大きくなるにつれて無茶苦茶な性格になっていくしさ。
それから、この国や国王様に、王女様の名前で、私が大好きだった小説『恋するご令嬢』の世界に居るという事が分かったんだけど、残念なのが作中にソフィアっていうキャラは出てこない。
そう、つまりモブ! 主人公でも悪役令嬢でも、サブキャラの一人ですらない、ただのモブなのよね。
まぁ私としては、本さえ読めれば良いから、別に王子と結婚する主人公とかじゃなくて構わないんだけどさ。
でもね……本さえ読めれば良いと思っていたんだけど、私が十八歳になった頃には、書斎にある本を全て読みつくしてしまった。
本に飢えた私は、何処かに読んでいない本がないかと思い……本棚の奥に隠してあった本を見つけてしまう。
だけど、この本を読んで、一気に危機感を覚えるようになったのよね。
「これは……帳簿? えっ!? ……うちの領地、経営が物凄くヤバいんですけど!」
父の書斎の中には、この国の法律や経営に、商売に関する本もあって、それらと比較していくと、一般的な経営状態からは程遠い……というか、ハッキリ言うと収入に対して支出が多過ぎる。
そして、その支出の殆どがエミリーとその母親の浪費……って、一体どれだけの物を買っているのよっ!
辺境の小さな領地しかないのに、どうして巨大な宝石なんて購入しているの!? しかも領地を運営する為のお金でっ!
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