公爵家の呪われた醜男に嫁がされる事になりました。だけど本の知識で呪いを解いたら美男子で、溺愛されて幸せに暮らして居ます
第2話 婚約者
「貴女……ストーナー家の人よね? 何なの、その服?」
出迎えてくれたメイドさんが、変な物でも見るかのような表情で私を見てくる。
この服、変なの?
貴族の生まれでありながら、父親が再婚してからはお茶会などに出る事は殆どなくなった。
社交界に興味の無い私としては、無駄な集まりで本を読む時間を減らされる事がなくなって喜んでいたものの、大きなパーティが開催されるなど、ごく稀に出席させられる事はある。
そういう時に着ていた、私の一張羅なんだけどな。
「こっちへ来て。流石にその格好は無い」
「えっ……」
メイドさんに手を引かれ、無理矢理何処かに連れて行かれると、あっという間に服を脱がされてしまう。
そのまま凄く綺麗なドレスを着せられたんだけど、
「これは捨てておくわね」
メイドさんが私の着ていた服をゴミでも捨てるかのように、摘まんで……って、酷くない!?
確かに、こんなドレスではないけれど、思い出もある服なのに。
「だ、ダメっ!」
「そう。わかった」
ひとまず、捨てらる事はなさそうだけど、もう少し丁寧に扱って欲しい。
……いや、これがこの屋敷での私の扱いを現しているのではないだろうか。
実家でもエミリーや義母からは、いつも理不尽な事ばかりされてきた。
そう……よね。暮らす場所が変わっても、私の境遇が変わる訳ではないのよね。
うぅ。せめて、この立派な屋敷に、大きな書斎があって、本が沢山ある事を願いたい。
本……本さえあれば、私は平気なんだから。
そんな事を考えているうちに、メイドさんに連れられて大きな部屋へ。
「旦那様を呼んでくる。ここで待ってて」
豪華な調度品のある部屋に通されたんだけど、大きなソファがあったのでとりあえず座って待つ事に。
……物凄くフカフカで、実家にあったソファとは大違いね。
家の大きさもそうだけど、家具一つとっても高級な品なのだろう。
よく分からない壺とか絵画が飾られているけど、絶対に近付かないでおこう。
キョロキョロと周囲を見渡していると、少しして先程のメイドさんが戻って来た。
「旦那様が参られます」
ここからが本当の勝負!
メイドさんの対応からして、既に嫌な予感しかしないけど、少しでもまともに暮らせるようにしてもらわないと!
私の婚約者だという男性の覚えを良くするため、背筋を伸ばして待っていると、男性が部屋に入って来た。
「はじめまして。ストーナー家の長女、ソフィアと申します。この度は、モンタギュー家に迎えていただき、誠にありがとうございます」
亡くなった母から教わっていた、貴族の挨拶で深々と頭を下げると、
「……テオだ」
短く、低い声が返ってきた。
それだけ!? うぅ……やっぱり歓迎されていないの!?
というか、どういう経緯なのかは知らないけど、やっぱり政略結婚とかそういう類なのよね。
内心溜息を吐きながら顔を上げ、男性に目を向けると……待って! どういう事!?
貴方の婚約者が来たというのに……この人、仮面を被っているんだけどっ!
出迎えてくれたメイドさんが、変な物でも見るかのような表情で私を見てくる。
この服、変なの?
貴族の生まれでありながら、父親が再婚してからはお茶会などに出る事は殆どなくなった。
社交界に興味の無い私としては、無駄な集まりで本を読む時間を減らされる事がなくなって喜んでいたものの、大きなパーティが開催されるなど、ごく稀に出席させられる事はある。
そういう時に着ていた、私の一張羅なんだけどな。
「こっちへ来て。流石にその格好は無い」
「えっ……」
メイドさんに手を引かれ、無理矢理何処かに連れて行かれると、あっという間に服を脱がされてしまう。
そのまま凄く綺麗なドレスを着せられたんだけど、
「これは捨てておくわね」
メイドさんが私の着ていた服をゴミでも捨てるかのように、摘まんで……って、酷くない!?
確かに、こんなドレスではないけれど、思い出もある服なのに。
「だ、ダメっ!」
「そう。わかった」
ひとまず、捨てらる事はなさそうだけど、もう少し丁寧に扱って欲しい。
……いや、これがこの屋敷での私の扱いを現しているのではないだろうか。
実家でもエミリーや義母からは、いつも理不尽な事ばかりされてきた。
そう……よね。暮らす場所が変わっても、私の境遇が変わる訳ではないのよね。
うぅ。せめて、この立派な屋敷に、大きな書斎があって、本が沢山ある事を願いたい。
本……本さえあれば、私は平気なんだから。
そんな事を考えているうちに、メイドさんに連れられて大きな部屋へ。
「旦那様を呼んでくる。ここで待ってて」
豪華な調度品のある部屋に通されたんだけど、大きなソファがあったのでとりあえず座って待つ事に。
……物凄くフカフカで、実家にあったソファとは大違いね。
家の大きさもそうだけど、家具一つとっても高級な品なのだろう。
よく分からない壺とか絵画が飾られているけど、絶対に近付かないでおこう。
キョロキョロと周囲を見渡していると、少しして先程のメイドさんが戻って来た。
「旦那様が参られます」
ここからが本当の勝負!
メイドさんの対応からして、既に嫌な予感しかしないけど、少しでもまともに暮らせるようにしてもらわないと!
私の婚約者だという男性の覚えを良くするため、背筋を伸ばして待っていると、男性が部屋に入って来た。
「はじめまして。ストーナー家の長女、ソフィアと申します。この度は、モンタギュー家に迎えていただき、誠にありがとうございます」
亡くなった母から教わっていた、貴族の挨拶で深々と頭を下げると、
「……テオだ」
短く、低い声が返ってきた。
それだけ!? うぅ……やっぱり歓迎されていないの!?
というか、どういう経緯なのかは知らないけど、やっぱり政略結婚とかそういう類なのよね。
内心溜息を吐きながら顔を上げ、男性に目を向けると……待って! どういう事!?
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