公爵家の呪われた醜男に嫁がされる事になりました。だけど本の知識で呪いを解いたら美男子で、溺愛されて幸せに暮らして居ます
第1話 実家追放
「ソフィアお姉様。良かったですわねぇ。あのモンタギュー公爵家へ嫁ぐなんて。世間では呪われた醜男だなんて呼ばれていますけど、お金だけは持っていますものね。ですから、嫁入り道具なんて要りませんわよね? ……ほら、さっさと出て行ってくれませんこと」
一体、私の身に何が起こったのだろう。
いつものように父の書斎で大好きな本を読み、きりの良いところまで読み進めて自室に戻ったら、義理の妹エミリーが仁王立ちで待っていた。
しかも、私の荷物が小さなカバン一つに纏められていて、今すぐ出て行けと。
待って! せめて今読んでいる小説の最終巻まで……ううん。せめて、次の巻まで読ませてっ! 十分! 十分あれば一冊読めるからっ!
「ソフィアお姉様。では、ごきげんよう。もう二度と顔を見る事が無いと思うと、せいせいしますわ! 噂の醜男公爵と末永くお幸せに」
エミリーの指示により、メイドさんたちに追い出されるような形で敷地の外へ押し出されると、私のカバンが投げ捨てられ、すぐさま門が閉められた。
十八年間過ごした家だけど、誰も見送ってくれたりはしないのね。
唐突に追い出されたけど、それなりに思い出だってあるのに。
目を閉じれば、浮かんでくるのはエミリーと、その母であり私の義母となる女性の事ばかり。
私の本当のお母さんが亡くなった後、お父さんが再婚し、エミリーが生まれた。
エミリーは僅か四歳にして、義理の姉である私に嫌がらせを始めたのよね。
私の服や下着を隠したり、ベッドの中に虫を入れられたり。
大きくなってからは、私のドレスが刃物で斬られたりしていて……残念ながら、ロクな思い出がなかったわね。
「失礼。ソフィア・ストーナー様とお見受け致しましたが……」
悲しい思い出しか出て来ず、こんなものかとトボトボと歩いていると、突然男性に話しかけられた。
凛とした佇まいの、如何にも執事です! といった感じのご老人が、停められた馬車の前に立っているのだけれど、この馬車の側面に描かれているのは……モンタギュー公爵家の紋章よね?
……って、これから私が嫁ぎに行く所じゃないっ!
ハッキリ言って、私がエミリーから嫌がらせを受けていた理由は分からないけれど、少しでも印象を良くして、実家のような悲惨な生活を送らないようにしなければ。
「……こほん。ソフィア様でいらっしゃいますよね?」
「は、はい、そうです。ストーナー家の長女ソフィアです。この度は、モンタギュー家に迎えていただき、誠にありがとうございます」
「……どうぞ、馬車へお乗りください。お屋敷までご案内致します」
精一杯の笑顔で馬車へ乗り込むと、カタカタと揺られながら遠ざかる家を見つめる。
私がこれから嫁ぐモンタギュー公爵家の呪われた醜男については、エミリーから色々と聞かされたけど、かなり酷い人らしい。
機嫌が悪ければ暴力を振るうのは当たり前で、言う事を聞かないメイドを剣で斬り捨てた事もあるのだとか。
しかもそれを公爵家の力で揉み消し……うぅ、流石に殺されるのは嫌だな。
更に、その支離滅裂な言動に加え、人とは思えぬ容姿をしているとか。
どうしよう。嫁いだ初日に斬られたりしたら。
そんな事を考えている内に、いつの間にか景色が大きく変わって、森の中に居た。
暫く馬車が走り、森の中の道を抜けると、物凄く大きなお城みたいな屋敷が視界に映る。
「ソフィア様。あちらが、我が主テオ様の屋敷です」
「ありがとうございます」
執事さんにエスコートされて馬車を降りると、大きな扉の前へ。
私の婚約者だというテオ様とは、どのような方だろうか。
せめて、暴力を振るわない人であれば良いのだけれど。
おそるおそる扉へ近付くと、呼び鈴に触れる前に扉が開く。
「……貴女が、ご主人様の婚約者? こっちに来て」
物凄く面倒くさそうにしているメイドさんに出迎えられてしまったけど、一体どうなってしまうのだろうか。
一体、私の身に何が起こったのだろう。
いつものように父の書斎で大好きな本を読み、きりの良いところまで読み進めて自室に戻ったら、義理の妹エミリーが仁王立ちで待っていた。
しかも、私の荷物が小さなカバン一つに纏められていて、今すぐ出て行けと。
待って! せめて今読んでいる小説の最終巻まで……ううん。せめて、次の巻まで読ませてっ! 十分! 十分あれば一冊読めるからっ!
「ソフィアお姉様。では、ごきげんよう。もう二度と顔を見る事が無いと思うと、せいせいしますわ! 噂の醜男公爵と末永くお幸せに」
エミリーの指示により、メイドさんたちに追い出されるような形で敷地の外へ押し出されると、私のカバンが投げ捨てられ、すぐさま門が閉められた。
十八年間過ごした家だけど、誰も見送ってくれたりはしないのね。
唐突に追い出されたけど、それなりに思い出だってあるのに。
目を閉じれば、浮かんでくるのはエミリーと、その母であり私の義母となる女性の事ばかり。
私の本当のお母さんが亡くなった後、お父さんが再婚し、エミリーが生まれた。
エミリーは僅か四歳にして、義理の姉である私に嫌がらせを始めたのよね。
私の服や下着を隠したり、ベッドの中に虫を入れられたり。
大きくなってからは、私のドレスが刃物で斬られたりしていて……残念ながら、ロクな思い出がなかったわね。
「失礼。ソフィア・ストーナー様とお見受け致しましたが……」
悲しい思い出しか出て来ず、こんなものかとトボトボと歩いていると、突然男性に話しかけられた。
凛とした佇まいの、如何にも執事です! といった感じのご老人が、停められた馬車の前に立っているのだけれど、この馬車の側面に描かれているのは……モンタギュー公爵家の紋章よね?
……って、これから私が嫁ぎに行く所じゃないっ!
ハッキリ言って、私がエミリーから嫌がらせを受けていた理由は分からないけれど、少しでも印象を良くして、実家のような悲惨な生活を送らないようにしなければ。
「……こほん。ソフィア様でいらっしゃいますよね?」
「は、はい、そうです。ストーナー家の長女ソフィアです。この度は、モンタギュー家に迎えていただき、誠にありがとうございます」
「……どうぞ、馬車へお乗りください。お屋敷までご案内致します」
精一杯の笑顔で馬車へ乗り込むと、カタカタと揺られながら遠ざかる家を見つめる。
私がこれから嫁ぐモンタギュー公爵家の呪われた醜男については、エミリーから色々と聞かされたけど、かなり酷い人らしい。
機嫌が悪ければ暴力を振るうのは当たり前で、言う事を聞かないメイドを剣で斬り捨てた事もあるのだとか。
しかもそれを公爵家の力で揉み消し……うぅ、流石に殺されるのは嫌だな。
更に、その支離滅裂な言動に加え、人とは思えぬ容姿をしているとか。
どうしよう。嫁いだ初日に斬られたりしたら。
そんな事を考えている内に、いつの間にか景色が大きく変わって、森の中に居た。
暫く馬車が走り、森の中の道を抜けると、物凄く大きなお城みたいな屋敷が視界に映る。
「ソフィア様。あちらが、我が主テオ様の屋敷です」
「ありがとうございます」
執事さんにエスコートされて馬車を降りると、大きな扉の前へ。
私の婚約者だというテオ様とは、どのような方だろうか。
せめて、暴力を振るわない人であれば良いのだけれど。
おそるおそる扉へ近付くと、呼び鈴に触れる前に扉が開く。
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