悪役令嬢にはブラック企業で働いてもらいます
花見をしてもらいます
午前9時30分。
9時まで熟睡していた私はのそのそと起き上がりお腹を空かせていたけど、食べるものを用意していなくて絶望しながら体育座りで桜を眺めていた。
相澤は、まだ寝ているみたい。
10時の花見に向けて買い物をした理沙達新入社員が買い物袋を持ってやってきた。
「ごめんね!ごめんね灰子ちゃん!」
理沙は来るなり私を抱きしめて泣きそうな声で謝ってきた。
「ごめんね、溝沼さん一人で場所取りさせてしまって」
八木杉も申し訳なさそうに謝ってきた。
「思ったより元気そうですね」
総司は、あれ、生きてたんだ。みたいな顔で私を見下ろしていた。
「あんたはもうちょっと申し訳なさそうにしなさいよ!」
「はい、灰子ちゃんご飯買ってきたよ」
「ご飯!」
「お腹すかせてると思って」
理沙がコンビニの袋から取り出したのは、大きなメロンパンだった。
「ありがとう!理沙!」
「オレンジジュースもあるからね」
「餌にありついたホームレスみたいですね」
ボソッと呟いた総司に私は空腹で機嫌が悪くてシャーッ!と威嚇するように目を尖らせた。
機嫌が悪いといえば、今日の総司いつも以上に私に当たってくるわね。機嫌でも悪いのかしら。
「美味しい美味しい」
メロンパンを食べているところを、理沙が捨て犬に餌を与えた時にみるような目で見ていた気がするけどきっと気のせいよね。
メロンパンを食べていると、隣のブルーシートで寝ていた相澤がむくりと起き上がった。
「おはよう相澤」
「えっ...!?ここどこ!?」
相澤は起き上がるや否や突然取り乱して辺りを見回し、数秒すると、頭を抱えて、
「そっか...ぼく、花見の場所取りに行かされてるんだった」
現実を理解したようで相澤は寝袋から起き上がった。
私をみて目をパチパチさせた後、
「あ~昨晩の」
「えぇ、そうよ。なかなか悪くない夜だったわ」
思い出したようで相澤は私をみてぺこりと軽く頭を下げた。
「ささささ昨晩!?何してたの?灰子ちゃん!?」
理沙があわあわと私と相澤を見る。
「昨日は相澤と人には言えない熱い時間を過ごしていたのよ!」
「熱い時間!?」
余計にあわあわする理沙に首を傾げながらメロンパンを完食すると、八木杉達は先輩達が来るためにせっせと買ってきたものを袋から出したり準備をしていた。
「灰子ちゃん、何かしてほしいことはない?後何か食べたいものとかない?」
理沙は優しく声をかけてくれたけど、私が今したいことは帰って寝たい。ただそれだけよ。
いつのまにか花見に来ている人は増えていて、桜は人に囲まれていた。
こんなにわざわざ花を見るために人は集まるのね。暇なのかしら。
相澤の上司達が来て、相澤はさっきいつの間にか買い物を済ませたのか、ビニール袋から色々出して一人でせかせかしていた。
「おー!ごくろうさん」
上司達がやってきてげんなりした。
帰りたい。
上司達は、こっちに来る途中ピタリと止まった。相澤のブルーシートの前で。
「あら、山田さんじゃないですか」
「いやはや中谷さん!お久しぶりですな」
何?友達なの?
相澤もは?って顔をしてる。
「おー!よかったら一緒に!隣ですし」
「いいですなぁ」
えぇ...?
相澤も私もきっと同じ顔をしてるでしょうね。
私たちは花見でも上司に振り回されるわけね。
9時まで熟睡していた私はのそのそと起き上がりお腹を空かせていたけど、食べるものを用意していなくて絶望しながら体育座りで桜を眺めていた。
相澤は、まだ寝ているみたい。
10時の花見に向けて買い物をした理沙達新入社員が買い物袋を持ってやってきた。
「ごめんね!ごめんね灰子ちゃん!」
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「ごめんね、溝沼さん一人で場所取りさせてしまって」
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「はい、灰子ちゃんご飯買ってきたよ」
「ご飯!」
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「えっ...!?ここどこ!?」
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現実を理解したようで相澤は寝袋から起き上がった。
私をみて目をパチパチさせた後、
「あ~昨晩の」
「えぇ、そうよ。なかなか悪くない夜だったわ」
思い出したようで相澤は私をみてぺこりと軽く頭を下げた。
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「熱い時間!?」
余計にあわあわする理沙に首を傾げながらメロンパンを完食すると、八木杉達は先輩達が来るためにせっせと買ってきたものを袋から出したり準備をしていた。
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