悪役令嬢にはブラック企業で働いてもらいます
明日は出勤してもらいます
車で誘拐...もとい山登りに送迎してもらい、山についたらしい。
「ここは、毎年新入社員が親睦を深めるべく山登りに訪れるけわし山だよ」
何自主的に訪れるみたいな感じで言ってんのよふざけんじゃないわよ。
運転手兼上司のハゲは、けわし山なる私達の目の前に高くそびえる険しい山を指差した。
「けわし山とはいうけどそんなに険しくないから。大丈夫大丈夫」
あんたこの山登ったの何年前なのよ。
適当なこと抜かしてんじゃないわよ。
山登りに適した軽量化されたリュックサックに、歩きやすいシューズなど、理沙が色々調べてくれたおかげで山登りに行く準備は万全。
でも、不安すぎるわ。
「私山に登ったことないから不安だわ」
「じゃあ溝沼君はここでいい経験ができるわけだね」
何言ってんのよハゲ。
これは新入社員いじめ以外のなにものでもないでしょうが!!
「あ、明日から普通に仕事だから体調管理には気をつけてね」
「..................は?」
私はあり得ないことを笑顔で言い放ったハゲの一言に口をぽかんと開けて目を丸くした。
「え、だから、明日仕事だから」
「.....な、何を言っているのか理解ができないんですけど!?」
私はハゲに今にも掴みかかりそうなのを、総司と理沙に全力で止められた。
「離しなさい!離して!こいつ...一回痛い目見ないとわからっもがっ」
総司に口を塞がれてもがもが言ってる間に、ハゲ、もといハゲ鬼は続けた。
「一日で山に登って降りてきて明日の出勤時間にはちゃんと会社に出勤してね。大丈夫大丈夫。会社の先輩は皆やり遂げてるから」
「もがもがもがもが!もがもが!もがもが!もがもがもがもがもがもごもがもがもが!(あり得ないでしょ!山よ山!このハゲ!いい加減にしなさいよ!)」
理沙と総司に取り押さえられながら私はハゲに背を向けて山へと向かうことになった。
「じゃあ行ってらっしゃーい!」
笑顔で手を振り見送られた。なんであいつ今日あんなに機嫌いいのよ!
やっぱり鬼だわ。私達が苦しむのが目に見えていて喜んでいるのね。
帰ってきたら覚えていなさいよ...って言っても何もできないけど!!
「ま、まぁ、衝撃の事実に驚きを隠せないわけだが、まぁ明日は確かに出勤日になってた。でも、オレ達仲間なら!同期なら!どんな困難も立ち塞る壁ならぬ山も!乗り越えられるさ!さぁ!レッツゴー!おー!!」
八木杉が笑顔で拳を振り上げた。
笑顔で八木杉を見ている総司と、「無理....無理ですよ...無理」とブツブツ呟いている理沙と、怒りで世紀の大噴火をしそうな私は、八木杉が「おー!」に答えて欲しいということを理解できず、八木杉を取り残して3人でスタスタ山登りスタート。
「おいおい!仲間達!円陣とか組まない?」
「何よエンジンって」
「皆で輪になって肩を組んで」
「そんな事してたら明日の出勤に間に合わないです!ほら!行きますよ!」
理沙は目に涙を浮かべながら、八木杉をぴしゃりと叱りつけ先を急いだ。
理沙もうその事実を受け入れてるのね。凄いわ。私はまだ悪い夢なんじゃないかって思ってるもの。
「ここは、毎年新入社員が親睦を深めるべく山登りに訪れるけわし山だよ」
何自主的に訪れるみたいな感じで言ってんのよふざけんじゃないわよ。
運転手兼上司のハゲは、けわし山なる私達の目の前に高くそびえる険しい山を指差した。
「けわし山とはいうけどそんなに険しくないから。大丈夫大丈夫」
あんたこの山登ったの何年前なのよ。
適当なこと抜かしてんじゃないわよ。
山登りに適した軽量化されたリュックサックに、歩きやすいシューズなど、理沙が色々調べてくれたおかげで山登りに行く準備は万全。
でも、不安すぎるわ。
「私山に登ったことないから不安だわ」
「じゃあ溝沼君はここでいい経験ができるわけだね」
何言ってんのよハゲ。
これは新入社員いじめ以外のなにものでもないでしょうが!!
「あ、明日から普通に仕事だから体調管理には気をつけてね」
「..................は?」
私はあり得ないことを笑顔で言い放ったハゲの一言に口をぽかんと開けて目を丸くした。
「え、だから、明日仕事だから」
「.....な、何を言っているのか理解ができないんですけど!?」
私はハゲに今にも掴みかかりそうなのを、総司と理沙に全力で止められた。
「離しなさい!離して!こいつ...一回痛い目見ないとわからっもがっ」
総司に口を塞がれてもがもが言ってる間に、ハゲ、もといハゲ鬼は続けた。
「一日で山に登って降りてきて明日の出勤時間にはちゃんと会社に出勤してね。大丈夫大丈夫。会社の先輩は皆やり遂げてるから」
「もがもがもがもが!もがもが!もがもが!もがもがもがもがもがもごもがもがもが!(あり得ないでしょ!山よ山!このハゲ!いい加減にしなさいよ!)」
理沙と総司に取り押さえられながら私はハゲに背を向けて山へと向かうことになった。
「じゃあ行ってらっしゃーい!」
笑顔で手を振り見送られた。なんであいつ今日あんなに機嫌いいのよ!
やっぱり鬼だわ。私達が苦しむのが目に見えていて喜んでいるのね。
帰ってきたら覚えていなさいよ...って言っても何もできないけど!!
「ま、まぁ、衝撃の事実に驚きを隠せないわけだが、まぁ明日は確かに出勤日になってた。でも、オレ達仲間なら!同期なら!どんな困難も立ち塞る壁ならぬ山も!乗り越えられるさ!さぁ!レッツゴー!おー!!」
八木杉が笑顔で拳を振り上げた。
笑顔で八木杉を見ている総司と、「無理....無理ですよ...無理」とブツブツ呟いている理沙と、怒りで世紀の大噴火をしそうな私は、八木杉が「おー!」に答えて欲しいということを理解できず、八木杉を取り残して3人でスタスタ山登りスタート。
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