悪役令嬢にはブラック企業で働いてもらいます
彼女を見つけてもらいます
早歩きで、松下と貝川を探す。
全く私ったらなんであの二人を追っているのかしら。
みすぼらしい灰色のショートカットをぐしゃぐしゃとかいてムシャクシャした気持ちを沸騰させている。
カッカッカッとハイヒールの音が響き、拳は握りしめている。廊下ですれ違う人々は、明らかにイライラしている私を避けて道を開ける。
気になって探しに来ちゃったけど。
なによ、どこにもいないじゃない。
てか仕事って何よ。いつものって。
「.....!」
通りかかった扉の向こうで、何か、聞こえた気がした。
扉には、倉庫と書いてあった。
もしかして、松下は倉庫の手伝いを毎回手伝わされているんじゃないの?
ドアノブに手をかけ回すと、鍵がかかっていた。
「あれ、開かないわ」
でも確かに何か聞こえた気がした。
私の耳に間違いはないわ。
突然肩にポンと手を置かれた。
「ヒィッ!!」
驚いて振り返ると、総司がにっこり微笑んで立っていた。
「驚かさないでよ!いるならいるって言いなさいよ!」
「遅いから見に来たんですよ。何分サボるつもりです?」
「サボってるわけじゃないわよ...ただ」
「ただ?」
「なんか、わかんないけど、わかんないからムカつくのよ!」
「そうですか。では、倉庫の鍵を開けてみましょうか」
総司は、笑顔でポケットから鍵を取り出すと倉庫の鍵をかちゃりと開けた。
「なんで鍵持ってんのよ」
扉を開けると、真っ暗だった。
「何よ、真っ暗じゃない」
パチと音がして、総司が灯りのスイッチを押して明るくなった。
倉庫には、金網の棚が並びその上にダンボールが積まれていた。
「資料がいっぱいですね」
誰もいない...あれは気のせいだったのかしら。
ドン。
「おや?」
資料室奥、大きな掃除用具入れから、ドンという音。
まるで中から掃除用具入れを叩いたかのような音。
「何の音でしょう」
総司の声は頭に入らず、私は、走り出していた。
心臓がドクンドクンドクンドクンと早鐘を打ち、呼吸が急に苦しくなって頭から血の気が引いた。
バンっと勢いよく掃除用具入れを開けると、口を無理矢理押さえつけられた下着姿の松下と、貝川が大きく目を見開いて私を見つめていた。
「なに.....よ...これ」
衝撃的な光景に、私は一瞬頭が真っ白になった。
そして、真っ白になった頭はすぐに沸騰して全身からマグマが湧き出てくるような怒りが体を包み込んだ。
「なにしてんのよぉ!!!」
私は松下の口を押さえこんでいる貝川の手をひっつかんで松下から引き剥がした。
貝川は情けなく床に転がり、怯えた目で私をみていた。
私はその貝川の顎を思いっきり怒りのままに蹴り上げた。
「ぐあっ!!」
呻き声を上げて倒れる貝川。
「あの...溝沼さ」
私は勢いよく振り返ってそのままの勢いで松下の顔を思いっきりビンタした。
松下はその衝撃で一歩二歩私から後ずさる。
「あんたも、何してんのよ!!!」
「ご...ごめんなさい...」
泣き出した松下に構わず、私は倒れている貝川の胸ぐらを掴んだ。
「あんた、毎回松下を連れ出していたのはそういう事だったのね」
「ち、ちがう...合意の上だったんだ」
「はぁ!?」
貝川は、切れた口に歪んだ顔でふるふると首を振った。
全く私ったらなんであの二人を追っているのかしら。
みすぼらしい灰色のショートカットをぐしゃぐしゃとかいてムシャクシャした気持ちを沸騰させている。
カッカッカッとハイヒールの音が響き、拳は握りしめている。廊下ですれ違う人々は、明らかにイライラしている私を避けて道を開ける。
気になって探しに来ちゃったけど。
なによ、どこにもいないじゃない。
てか仕事って何よ。いつものって。
「.....!」
通りかかった扉の向こうで、何か、聞こえた気がした。
扉には、倉庫と書いてあった。
もしかして、松下は倉庫の手伝いを毎回手伝わされているんじゃないの?
ドアノブに手をかけ回すと、鍵がかかっていた。
「あれ、開かないわ」
でも確かに何か聞こえた気がした。
私の耳に間違いはないわ。
突然肩にポンと手を置かれた。
「ヒィッ!!」
驚いて振り返ると、総司がにっこり微笑んで立っていた。
「驚かさないでよ!いるならいるって言いなさいよ!」
「遅いから見に来たんですよ。何分サボるつもりです?」
「サボってるわけじゃないわよ...ただ」
「ただ?」
「なんか、わかんないけど、わかんないからムカつくのよ!」
「そうですか。では、倉庫の鍵を開けてみましょうか」
総司は、笑顔でポケットから鍵を取り出すと倉庫の鍵をかちゃりと開けた。
「なんで鍵持ってんのよ」
扉を開けると、真っ暗だった。
「何よ、真っ暗じゃない」
パチと音がして、総司が灯りのスイッチを押して明るくなった。
倉庫には、金網の棚が並びその上にダンボールが積まれていた。
「資料がいっぱいですね」
誰もいない...あれは気のせいだったのかしら。
ドン。
「おや?」
資料室奥、大きな掃除用具入れから、ドンという音。
まるで中から掃除用具入れを叩いたかのような音。
「何の音でしょう」
総司の声は頭に入らず、私は、走り出していた。
心臓がドクンドクンドクンドクンと早鐘を打ち、呼吸が急に苦しくなって頭から血の気が引いた。
バンっと勢いよく掃除用具入れを開けると、口を無理矢理押さえつけられた下着姿の松下と、貝川が大きく目を見開いて私を見つめていた。
「なに.....よ...これ」
衝撃的な光景に、私は一瞬頭が真っ白になった。
そして、真っ白になった頭はすぐに沸騰して全身からマグマが湧き出てくるような怒りが体を包み込んだ。
「なにしてんのよぉ!!!」
私は松下の口を押さえこんでいる貝川の手をひっつかんで松下から引き剥がした。
貝川は情けなく床に転がり、怯えた目で私をみていた。
私はその貝川の顎を思いっきり怒りのままに蹴り上げた。
「ぐあっ!!」
呻き声を上げて倒れる貝川。
「あの...溝沼さ」
私は勢いよく振り返ってそのままの勢いで松下の顔を思いっきりビンタした。
松下はその衝撃で一歩二歩私から後ずさる。
「あんたも、何してんのよ!!!」
「ご...ごめんなさい...」
泣き出した松下に構わず、私は倒れている貝川の胸ぐらを掴んだ。
「あんた、毎回松下を連れ出していたのはそういう事だったのね」
「ち、ちがう...合意の上だったんだ」
「はぁ!?」
貝川は、切れた口に歪んだ顔でふるふると首を振った。
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