金丸耕平の休日--伊勢老舗旅館編--

佐々木寄道

2話

翌朝私達は早速伊勢神宮にお参りに来た。金丸「今日は気持ちいい天気だね(笑)」仁科「そうですね。」本日は晴天なり、と言わんばかりの快晴であった。

大きな鳥居をくぐると小さな橋があり、参拝者が広々と観光続きに歩いている。金丸達も景色を眺めながら歩いている。
金丸「伊勢もなんとも言えない自然の雰囲気があるね仁科君」仁科「本当ですね先生。」2人は段々林の中に入り、神宮の近くまで到着しそうであった。
すると後ろの方から声がしてきた。「仁科、仁科じゃないか!?」振り返る仁科「あっ!倉科!!」倉科「ひっさしぶりだな!!(笑)」仁科「高校ぶり!(笑)」倉科「隣にいらっしゃるのは??」仁科「金丸先生だよ、私の直々の上司みたいな感じかな。」倉科「どうもはじめまして!仁科の高校の同級生の倉科太鳳(くらしなたいほう)と申します。」
金丸「はじめまして金丸耕平です。」金丸は倉科のしっかりとした身体つきと硬派な感じの凛々しさに見とれていた。仁科「1人かい?」倉科「嫁さんと息子と一緒だよ。」2人は思い出話にはなを咲かせていた。

「コンコンコン、コンコンコン」金丸(あれ!?また聞こえる)金丸は振り返る。
すると狐の仮面をかぶった巫女さんのような白と赤の格好をした可愛らしい女の子がこちらを見ていた。女の子の隣には白い親狐がお座りの姿勢でじっとこちらを見ている。女の子と白い親狐の前に白い子狐が戯れている。
女の子は金丸に向かって、指で狐を作って、その指でジャンケンのグーパー、グーパーをしてあいさつのような事をしている。金丸は思わず近づいていった。
狐仮面の女の子「おじさん私達が見えるの?」金丸「みっ見えるよ、君と白い狐が二匹!?」狐仮面の女の子「へー珍しいわね」金丸「えっ!?みんな見えてないのか!?」金丸は昨晩の露天の声が目の前にいる白い狐だと理解した。狐仮面の女の子「そうよ、こっちへ来て」

金丸は女の子に手を引っ張られながら林の中に案内されている。
小走りな女の子と金丸の後ろを追いかけるように、白い親狐は子狐の後ろ首をくわえながら追いかけている。
何故か子狐は嬉しそうにしている。
金丸「どっどこに連れて行くくんだぃ?」狐仮面の女の子「いいからついてきて」金丸「勝手だなぁ、、」

しばらく走ると古い井戸があった、井戸の周りには赤と白の小さな鳥居が交互に井戸を囲むように建てられていた。人が通れるくらいの鳥居を通ると、神格な感じの屋根付きの井戸があった。狐仮面の女の子「覗いてみて」金丸「なんかあるの?」女の子「いいから早く」金丸「わっ!わかったよ」
金丸は女の子に言われた通り神格な井戸の中を前屈みになりながら覗いてみた。しかし中を覗いても真っ暗で深い井戸が続いているだけだった。と思っていたら井戸の中からピカピカと光が湧き出した。
金丸「えっ!まっまぶしぃ」するとまた光が段々消えていき、何故か会議室が現れた。

すると金丸「私は賛同できません。」あれっなんで私がいるんだ、、金丸はまるで幽体離脱したように井戸から会議室の自分達を見ている、そこには先日の医師会の様子であった。
伊藤「なっ何をいっているんだ君はっ!!」、、伊藤「えー金丸に関しては後日こちらのほうで処分を決めていきたいと思います、、」金丸「おいおい、先日の医師会だなこれ」

金丸は少し苦しくなってきたので井戸から顔を出した。
すると景色は変わり人混みがあり、後ろの方から声がする。仁科「先生、先生!一体どこ行ってたんですか?探しましたよ?」
金丸「んっ!?あぁ、とっトイレだよ!お腹壊したみたい(笑)悪い悪いっ」仁科「もー!倉科と色々話してたら居なくなっていたからびっくりしましたよ」金丸「あっ倉科君は?」仁科「もう帰りましたよ」
金丸「しかし、びっくりしたな」仁科「何がですか?」金丸「んっ?なっ何でもないよ(笑)」仁科「も〜先生最近大丈夫ですか?さっ神宮に行きましょう」金丸「あっあぁ、、」

神宮に向かう道中、仁科は倉科の事を考えていた。
仁科にとって倉科は同じ進学校のライバルと考えていた。といっても仁科はクラスでいつも僅差で2番だった、学問と運動で倉科はいつも僅差で1番だった。たまに仁科が勝つこともあったが、東京で有名な難関校に通う2人は言わば高校生の中の超エリートでもある。仁科「倉科かぁ、、、」道中少し前方を見上げながら仁科は呟いた、その呟きの中には当時のライバルを少し敬うような感覚もあった。
一方金丸の方は(神隠しって大人になっても起こるのか、?それとも、疲れ過ぎているのか?、嫌々、あれは間違いなく現実だったしな、とんだ休日だなぁ、三重県伊勢市伊勢神宮かぁ、、神様でもいるのか、)金丸は頭の中で色々な思いにかられていたのであった。

 

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