ビルトクロイツ
第一話:プロローグ
ああ、燃えている。
目の前に写る限りあらゆるものが燃えている。村の端っこにあった炭焼き小屋が燃えている。あそこにはいつもニコニコと笑みを浮かべているラッチェルおじさんがいた。毎日みんなと一緒に遊んでいると笑顔を浮かべながら見ていたな。
少し村の中に目を向けれると涙は一層流れ出した。
村の外に出る時に何時も気を付けるように言ってくれた自警団のお兄ちゃんが住んでいた家は真っ赤な業火に焼かれ原形を留めていなかった。
いつも美味しいパンを作っていたブロットさんの店は燃えてはいないが破壊されつくしていた。
その隣で織物をやっていたクレディさんの家は荒らされ店だったとは思えない程何も残っていなかった。
他にも生まれてからこの十六年過ごしてきた村は豪華の炎に包まれ目の前から消え去ろうとしていた。
何で?どうして?こうなったの?
村の中央には皆がいる。だけど、皆もう二度と動かない。笑う事も泣くことも怒る事もない。皆同じように胸に穴を開け死んでいる。その遺体は乱雑に積み重ねられ火が付きゆっくりと、だが確実に村人すら消し去ろうとしていた。
「…なんでこんな事になったのかな?」
目の前の真っ赤な業火を眺めながら僕は過去を振り返った。
☆★☆★☆
僕が住むアンファ村は人口三百人もいない小さな村だ。お母さんの話では僕たちは魔族と呼ばれる種族でその中でもとっても少ない鬼魔族と呼ばれている種族らしい。その為人間と呼ばれている悪逆非道な人種から逃れるために二百年以上前に森の奥に村を作ったらしい。この辺は小さいころに少し聞いただけだからあまり詳しくは覚えていない。ただ一つだけ覚えているのは人間は危険な存在と言う事だけだ。
僕たち鬼魔族は人間にとても似た姿をしているらしい。鬼魔族の特徴である額の角さえなければ人間と変わらないらしいけど僕は人間を見た事がないから本当なのかは全然知らない。
村の外との交流は取っても少ない。半年に一度訪れる馴染の行商人が一人訪れる程度だ。だから僕や村の子供はその行商人が話してくれる外の話が好きだった。
娯楽の少ない村に訪れる行商人はとても人のいい人で群がる僕たちに嫌な顔一つ見せずにいろいろな事を話してくれる。
行商人はこの村の南にあるナーツアル王国の王都からきているらしい。この辺は大した開拓もされていないがいずれこの村の近くまで開拓が進むかもしれない事。来るたびに話は変わるが村の外の話はとっても面白く僕はそれを楽しみにしていた。
そしていつの日か外へのあこがれは大きくなっていった。
「ラッハ!早く来いよ!置いていくぞ!」
村を囲う様に生い茂る森をすいすいと進んでいくランジは一番後ろにいる僕に声をかけた。僕の前にはランジを含めて三人いる。皆僕と同い年のはずなのに僕よりも体力を持っていた。
「まあまあ、少し休憩にしようよ。頼まれた物は採ったんだから」
ランジの隣まで行ったニージェがランジに提案する。村の中でも屈指の美貌を誇るニージェの言葉にランジはふむと顎に手を当てて考えると「なら休憩にしようか」といい近くの丸太に座る。それに合わせてニージェもランジの隣に座る。
ランジとニージェは昔から仲が良くいつも二人一緒にいた。その為二人は恋人を飛び越え夫婦とさえ言われるほどだった。僕は二人に近づきすぎず遠すぎずの位置に丁度いい木の根を見つけそこに座った。額にくっつく汗を取りながら森の中を見回した。何時も見ている村の近くの森とは違っていろいろな木々がひしめき合っている。
僕は初めて見る森の奥地の光景に目を奪われていた。さっきまでは歩くのに精一杯でしたばかり見ていたから分からなかったけど疲れもある程度取れて余裕が出来たからこそ分かる素晴らしい光景だった。
他の三人も同じように感動しているみたいで上を見上げていた。
「…よし、そろそろ進もうか。それでもう少し進んだら今日は村に帰ろうぜ」
暫く森の光景を眺めた後ランジは立ち上がりそう言ってくる。僕も三人について行くために立ち上がった時だった。
鈍い音と共に僕の胸に変な違和感と共に激痛が走った。
「…え?な、なに…?」
僕は思わず胸の方を見ると胸からは真っ赤に染まった剣が深々と生えていた。
僕はその光景と共に目を見開き顔を青ざめる三人の姿を見て意識を失い闇の中に落ちていった。
目の前に写る限りあらゆるものが燃えている。村の端っこにあった炭焼き小屋が燃えている。あそこにはいつもニコニコと笑みを浮かべているラッチェルおじさんがいた。毎日みんなと一緒に遊んでいると笑顔を浮かべながら見ていたな。
少し村の中に目を向けれると涙は一層流れ出した。
村の外に出る時に何時も気を付けるように言ってくれた自警団のお兄ちゃんが住んでいた家は真っ赤な業火に焼かれ原形を留めていなかった。
いつも美味しいパンを作っていたブロットさんの店は燃えてはいないが破壊されつくしていた。
その隣で織物をやっていたクレディさんの家は荒らされ店だったとは思えない程何も残っていなかった。
他にも生まれてからこの十六年過ごしてきた村は豪華の炎に包まれ目の前から消え去ろうとしていた。
何で?どうして?こうなったの?
村の中央には皆がいる。だけど、皆もう二度と動かない。笑う事も泣くことも怒る事もない。皆同じように胸に穴を開け死んでいる。その遺体は乱雑に積み重ねられ火が付きゆっくりと、だが確実に村人すら消し去ろうとしていた。
「…なんでこんな事になったのかな?」
目の前の真っ赤な業火を眺めながら僕は過去を振り返った。
☆★☆★☆
僕が住むアンファ村は人口三百人もいない小さな村だ。お母さんの話では僕たちは魔族と呼ばれる種族でその中でもとっても少ない鬼魔族と呼ばれている種族らしい。その為人間と呼ばれている悪逆非道な人種から逃れるために二百年以上前に森の奥に村を作ったらしい。この辺は小さいころに少し聞いただけだからあまり詳しくは覚えていない。ただ一つだけ覚えているのは人間は危険な存在と言う事だけだ。
僕たち鬼魔族は人間にとても似た姿をしているらしい。鬼魔族の特徴である額の角さえなければ人間と変わらないらしいけど僕は人間を見た事がないから本当なのかは全然知らない。
村の外との交流は取っても少ない。半年に一度訪れる馴染の行商人が一人訪れる程度だ。だから僕や村の子供はその行商人が話してくれる外の話が好きだった。
娯楽の少ない村に訪れる行商人はとても人のいい人で群がる僕たちに嫌な顔一つ見せずにいろいろな事を話してくれる。
行商人はこの村の南にあるナーツアル王国の王都からきているらしい。この辺は大した開拓もされていないがいずれこの村の近くまで開拓が進むかもしれない事。来るたびに話は変わるが村の外の話はとっても面白く僕はそれを楽しみにしていた。
そしていつの日か外へのあこがれは大きくなっていった。
「ラッハ!早く来いよ!置いていくぞ!」
村を囲う様に生い茂る森をすいすいと進んでいくランジは一番後ろにいる僕に声をかけた。僕の前にはランジを含めて三人いる。皆僕と同い年のはずなのに僕よりも体力を持っていた。
「まあまあ、少し休憩にしようよ。頼まれた物は採ったんだから」
ランジの隣まで行ったニージェがランジに提案する。村の中でも屈指の美貌を誇るニージェの言葉にランジはふむと顎に手を当てて考えると「なら休憩にしようか」といい近くの丸太に座る。それに合わせてニージェもランジの隣に座る。
ランジとニージェは昔から仲が良くいつも二人一緒にいた。その為二人は恋人を飛び越え夫婦とさえ言われるほどだった。僕は二人に近づきすぎず遠すぎずの位置に丁度いい木の根を見つけそこに座った。額にくっつく汗を取りながら森の中を見回した。何時も見ている村の近くの森とは違っていろいろな木々がひしめき合っている。
僕は初めて見る森の奥地の光景に目を奪われていた。さっきまでは歩くのに精一杯でしたばかり見ていたから分からなかったけど疲れもある程度取れて余裕が出来たからこそ分かる素晴らしい光景だった。
他の三人も同じように感動しているみたいで上を見上げていた。
「…よし、そろそろ進もうか。それでもう少し進んだら今日は村に帰ろうぜ」
暫く森の光景を眺めた後ランジは立ち上がりそう言ってくる。僕も三人について行くために立ち上がった時だった。
鈍い音と共に僕の胸に変な違和感と共に激痛が走った。
「…え?な、なに…?」
僕は思わず胸の方を見ると胸からは真っ赤に染まった剣が深々と生えていた。
僕はその光景と共に目を見開き顔を青ざめる三人の姿を見て意識を失い闇の中に落ちていった。
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