オールFでも実は本気出したら無敵なんです!!〜美人女神にお願いされたら記憶が無くても異世界だろうが行くしか無い〜
12話 眠れる最強の美女
コンコン。軽く二回、中指第二関節を木の板にぶつける。
「あら、よく来てくれたわね。素敵な格好ね」
出迎えてくれた、シャルルさんはいつもの二十五倍増しでセクシーだった。
ざっくりをとうの昔に通り越した次元で胸元の開いたシャツ、普段はしていない黒縁に型取られたメガネ。ズボンは、シャツの裾に隠れることにより、中でどんなパーティーが開催されているか想像してしまう。
ありがとう神様。今日僕は色んな意味で“せい”を全うするかも知れません。
しかし何処をを見ても今日の主役となる姫様が居ない。
「ララはまだ寝てるんですか?」
「ええ、そうみたいなの。坊や起こしに行ってくれる?♡」
えええええええ。
これは保護者の同意をもらったという解釈で構わないのだろうか。
いやしかし、立場的にシャルルさんが下にも見えたし。
なんて下心を満載にしながら階段をリズムよく登る。
蝋燭の光が扉の下から溢れてる部屋を見つけた。
コンコン。
――ガチャ。
「――っすー、、っすーー」
一定のリズムを刻みながら肺呼吸を無意識下で行っている音だった。
聖母のように優しい月明かりが、八十センチ四辺の窓から差し込み、ララの透き通るほど白い肌を更に白く際立たせていた。
艶やかでピンク色した長い髪の毛も休んでいるように、ベッドに張り付いている。
眠れる最強の美女を眺めながら、部屋の角にある机の椅子に腰掛ける。
「――なんでだろ、君とはどこかで会った気がする」
そんな感傷に浸りながら、彼女越しの満月を眺めていた。
「――クス……ルークス。ごめんなさい」
あの天真爛漫なララの悲哀に満ちた声に、思わず覗き込む俺を馬鹿にしているかのように、それはそれはぐっすり眠っていた。
でも何故だろう。この子だけは何故か守ってあげたい。本能的にそう思える自分が不思議だった。
程なくして、シャルルさんが居る客間に戻った。
四人掛けのダイニングテーブル。
シャルルさんの対角線に座る。
「あら、早かったのね。あんまり早い男は嫌われるわよー?♡」
「それもしも、男の人とそうなった時に絶対言ったらダメですよ?」
その忠告に、ニンマリと笑顔で
「そんな男つまんないもの」と言い放った彼女は今まで何人の男を虜にし、泣かせてきたのか好奇心で知りたくなった。
「じゃ俺はつまらない男か判断してほしいものですね」
「きゃ♡坊やのオオカミさん」
昨日殺し合いをしたことなど頭のどこにも記憶していないだろう会話をしていたら、ふとさっきの言葉が浮かんだ。
――「――クス……ルークス。ごめんなさい」――
「シャルルさんは昨日ララに俺の事を何か話しましたか?」
シャルルさんはいきなりなんだと言う顔をしている。
「いえ? 空腹で動けなくなったララ様をおぶって帰ったわ。家に着いて、ご飯を猛烈な勢いで掻きこんだと思ったら。そのままテーブルで寝ちゃったわ」
「俺の名前は? シャルルさんは基本俺のこと坊や呼びですよね」
「ええ」
じゃあなんで俺の名前を。
これまた、なんだ急にと言う顔をしているシャルルさんに更に質問する。
「帰る時、彼女は何か言ってましたか?」
「さあ、おんぶした時は寝てたから……」
本人に聞くのが一番早いか。
すると2階から扉が開く音がした。
その直後、長い眠りから覚めた姫君が降りてこられた。
「もう睡魔との戦いには勝ったのか?」
ちょっぴり意地悪気味に尋ねると、小さくベーっと舌を出して答えながら、歯磨きをしに洗面台の方に消えていった。
「それじゃ私は夕ご飯買ってくるわね、二人で仲良くお留守番するのよ」
そう言うと、芳醇な甘い香りを残してシャルルさんは買い物に出かけてしまった。
歯磨きを終えたララがトコトコと小さい足取りでダイニングテーブルの目の前席に座った。
「まずは初めまして、俺はルークス・アルフレッド。出身は言っても分かんないと思うけどクリアナ王国って所で、歳は十九歳 好きな女の人のタイプは可愛い人です」
自己紹介も無事終わり握手を求めると、彼女は少し物憂げな顔をした。
「はじめ……まして、昨日も言ったけどあたしの名前はララ・ダスティフォリア!」
ララは握り返す握手の力をだんだん倍増させて答えた。
「歳はあなたとあなたと同じ十九歳! 好きな男の子は人を見た目で判断しない人だよ!」
同い年という事実には驚いたが、髪の色のように暖色になって膨れていくほっぺたはを見るのはなんとも愛らしく、懐かしい気分になった。
「とりあえず、昨日の俺の暴走した力について説明してくれないか?」
「そうだねそうだね! ……あ、」
何かを言いかけていきなり目を線にしてこちらを覗き込み、怪訝そうな顔のララがテーブルに寄りかかる。
「ルークスったら昨日女の子にあんなことするなんて、そんな悪い子に育てた覚えは無いんだよ! あたしはあたしはまだ怒ってるんだよ! シャルちゃんが帰ってきたら、ちゃんとごめんなさいしないといけないんだよ? 分かったー?」
普通の高い声よりも甲高い声で訴えてくる“自称お母さん”を見て少し笑いそうになる。
しかしお母さんこそ、昨日俺があの魔性のお姉さんに何されたか知ってくれたら、先にごめんなさいする順番が分かるはずです!
と言いかけたが、さらにトマト化するララのほっぺが爆発してしまわないか心配になり、心の底でグッと堪えた。
「分かった、帰ってきたら謝るよ」
素直に謝ると、「うんうん! やっぱりルークスはいい子だね!」
満面の笑みでこちらを見る太陽のように明るい女の子に、本題に早く入れと念を送ってみた。
「あら、よく来てくれたわね。素敵な格好ね」
出迎えてくれた、シャルルさんはいつもの二十五倍増しでセクシーだった。
ざっくりをとうの昔に通り越した次元で胸元の開いたシャツ、普段はしていない黒縁に型取られたメガネ。ズボンは、シャツの裾に隠れることにより、中でどんなパーティーが開催されているか想像してしまう。
ありがとう神様。今日僕は色んな意味で“せい”を全うするかも知れません。
しかし何処をを見ても今日の主役となる姫様が居ない。
「ララはまだ寝てるんですか?」
「ええ、そうみたいなの。坊や起こしに行ってくれる?♡」
えええええええ。
これは保護者の同意をもらったという解釈で構わないのだろうか。
いやしかし、立場的にシャルルさんが下にも見えたし。
なんて下心を満載にしながら階段をリズムよく登る。
蝋燭の光が扉の下から溢れてる部屋を見つけた。
コンコン。
――ガチャ。
「――っすー、、っすーー」
一定のリズムを刻みながら肺呼吸を無意識下で行っている音だった。
聖母のように優しい月明かりが、八十センチ四辺の窓から差し込み、ララの透き通るほど白い肌を更に白く際立たせていた。
艶やかでピンク色した長い髪の毛も休んでいるように、ベッドに張り付いている。
眠れる最強の美女を眺めながら、部屋の角にある机の椅子に腰掛ける。
「――なんでだろ、君とはどこかで会った気がする」
そんな感傷に浸りながら、彼女越しの満月を眺めていた。
「――クス……ルークス。ごめんなさい」
あの天真爛漫なララの悲哀に満ちた声に、思わず覗き込む俺を馬鹿にしているかのように、それはそれはぐっすり眠っていた。
でも何故だろう。この子だけは何故か守ってあげたい。本能的にそう思える自分が不思議だった。
程なくして、シャルルさんが居る客間に戻った。
四人掛けのダイニングテーブル。
シャルルさんの対角線に座る。
「あら、早かったのね。あんまり早い男は嫌われるわよー?♡」
「それもしも、男の人とそうなった時に絶対言ったらダメですよ?」
その忠告に、ニンマリと笑顔で
「そんな男つまんないもの」と言い放った彼女は今まで何人の男を虜にし、泣かせてきたのか好奇心で知りたくなった。
「じゃ俺はつまらない男か判断してほしいものですね」
「きゃ♡坊やのオオカミさん」
昨日殺し合いをしたことなど頭のどこにも記憶していないだろう会話をしていたら、ふとさっきの言葉が浮かんだ。
――「――クス……ルークス。ごめんなさい」――
「シャルルさんは昨日ララに俺の事を何か話しましたか?」
シャルルさんはいきなりなんだと言う顔をしている。
「いえ? 空腹で動けなくなったララ様をおぶって帰ったわ。家に着いて、ご飯を猛烈な勢いで掻きこんだと思ったら。そのままテーブルで寝ちゃったわ」
「俺の名前は? シャルルさんは基本俺のこと坊や呼びですよね」
「ええ」
じゃあなんで俺の名前を。
これまた、なんだ急にと言う顔をしているシャルルさんに更に質問する。
「帰る時、彼女は何か言ってましたか?」
「さあ、おんぶした時は寝てたから……」
本人に聞くのが一番早いか。
すると2階から扉が開く音がした。
その直後、長い眠りから覚めた姫君が降りてこられた。
「もう睡魔との戦いには勝ったのか?」
ちょっぴり意地悪気味に尋ねると、小さくベーっと舌を出して答えながら、歯磨きをしに洗面台の方に消えていった。
「それじゃ私は夕ご飯買ってくるわね、二人で仲良くお留守番するのよ」
そう言うと、芳醇な甘い香りを残してシャルルさんは買い物に出かけてしまった。
歯磨きを終えたララがトコトコと小さい足取りでダイニングテーブルの目の前席に座った。
「まずは初めまして、俺はルークス・アルフレッド。出身は言っても分かんないと思うけどクリアナ王国って所で、歳は十九歳 好きな女の人のタイプは可愛い人です」
自己紹介も無事終わり握手を求めると、彼女は少し物憂げな顔をした。
「はじめ……まして、昨日も言ったけどあたしの名前はララ・ダスティフォリア!」
ララは握り返す握手の力をだんだん倍増させて答えた。
「歳はあなたとあなたと同じ十九歳! 好きな男の子は人を見た目で判断しない人だよ!」
同い年という事実には驚いたが、髪の色のように暖色になって膨れていくほっぺたはを見るのはなんとも愛らしく、懐かしい気分になった。
「とりあえず、昨日の俺の暴走した力について説明してくれないか?」
「そうだねそうだね! ……あ、」
何かを言いかけていきなり目を線にしてこちらを覗き込み、怪訝そうな顔のララがテーブルに寄りかかる。
「ルークスったら昨日女の子にあんなことするなんて、そんな悪い子に育てた覚えは無いんだよ! あたしはあたしはまだ怒ってるんだよ! シャルちゃんが帰ってきたら、ちゃんとごめんなさいしないといけないんだよ? 分かったー?」
普通の高い声よりも甲高い声で訴えてくる“自称お母さん”を見て少し笑いそうになる。
しかしお母さんこそ、昨日俺があの魔性のお姉さんに何されたか知ってくれたら、先にごめんなさいする順番が分かるはずです!
と言いかけたが、さらにトマト化するララのほっぺが爆発してしまわないか心配になり、心の底でグッと堪えた。
「分かった、帰ってきたら謝るよ」
素直に謝ると、「うんうん! やっぱりルークスはいい子だね!」
満面の笑みでこちらを見る太陽のように明るい女の子に、本題に早く入れと念を送ってみた。
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