蒼い恋

紫陽花

マジックタイム

ありふれた一日が
その時だけ震える
すれ違う その一瞬
マジックタイム
眩しくて 嬉しいけど

囀るように
歌うように
通り過ぎていく君

見送る後ろ姿
視界から消えてく後ろ姿

ありふれた一日が
その時だけ震える
マジックタイム
いつも通りすれ違うはずだった

囀るような
歌うような
その声が
鼓膜にとどまる

立ち止まる君の
ふり返る君の
瞳に僕が映る
唇に僕の名前

「君は寂しいの
   悲しいの 
   嬉しいの
   楽しいの
何故ここにいるの」

俯く僕にお構いなしに
「ねぇ 今が絶好なタイミング」
「ねぇ 今が絶対告白日和」
「ねぇ 今が絶賛両想い日和」
意表を突かれた マジックタイム
ざわめきも鳥肌もかなぐり捨て
「好きだ!」
「知ってたよ!」
君は茜色

君は僕のありふれた日々を
あっと言う間に
煌めく
色めく
華やぐ
世界に変えて

繋ぐ手をくれた




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