巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第三章 世界の果てと見えない未来図。

世界の夜明けと共に(1)

「永依が気づいたのは深夜。すでにベッドはもぬけの殻だった」
 落ちついた口調で説明すると同時だった。正面の声が応じる。

「やっぱりそうなんだ。周辺のカメラ映像をすぐ解析したのよ。
ジャンプしたココちゃんとサクラ。あみだ筋で合流したみたい」

 表情をしかめて応じるのはカナメ先輩だ。言葉を失くしたよ。

 深夜に姿を消したココ。関係者が集合した時刻は正午すぎだ。
フィッシュオンの店内それぞれに腰を下ろした。総勢も十人だ。

 永依をふくめた家族全員。フィッシュの店員と二人の美女だ。


「あなたたちが填めるピアスね。超小型発信機なんだ。それぞれ
時差はあるけれど特定の時刻。数秒間だけ稼働するギミックよ」

 やっぱり説明するのはカナメ先輩だ。絶対確実でもないけれど
数百キロ程度ならビーコンとしても扱われるほど高性能らしい。

「じゃぁさ。ココちゃんの居場所なんかすぐにわかっちゃう?」
 キラキラと瞳の輝く永依が瞬時にカナメ先輩まで詰めよった。

「そうねぇ。あのピアス深夜2時に起動するのよ。ジョーカー?
AIに探索させればすぐじゃない」斜め上の方向を見つめながら
思考するカナメ先輩だ。正面に迫る永依に笑顔で説明している。


「サクラが関わる状況ならわたしたちの落ち度でもある。段取り
次第になるけれど。公安と自衛隊も全面的な協力を惜しまない」

 かなり深刻なんだろう。無表情のカナメ先輩が決意表明する。

「んーとですね。おそらく救出時はジョーカー移動になります。
永依と二人じゃ絶対無理なんで人的な応援と……直接の武器を」

 どれだけ考えても近接特化の永依だ。自分は闘えない身体だ。

 敵が大陸の覇権国家なら間違いない。海上ルートで逃走する。

 それなら船舶移動が確率的に最も高いはず。きっと日本海まで
陸上ルートの可能性も低くなるね。大阪湾なら神戸港か和歌山?


 カナメ先輩の話ではサクラちゃんの母も神戸在住だ。連絡の後
そのまま音信不通。おそらく確率的にも神戸舞台になるだろう。

 とり急ぎフィッシュオンで打ちあわせる政府関係者の三人だ。
だがしかしカナメ先輩と美里さんは同組織の上下関係でもある。

 公安警察の捜査官。フィッシュオン店長を兼任のカナメ先輩。
退院後は実家から通学が難しい。中退した男子校の出身になる。

 大阪で二番目に高い偏差値の私立校だ。南部では名門だろう。

 二年も上で在学中は陸上部以外接することもない先輩だった。

 関わりができたのは数年前だ。通信制の大学で卒業も近づいて
物は試しの挑戦だ。公務員の一種試験を記念にと受験したんだ。


 なぜかしらあれやこれや最終面接までたどりついた。いきなり
会場で気安く声をかけられた。その相手が大喜多要先輩さんだ。

 もちろん後に判明する裏事情もある。それでも交流は再会だ。

 試験は無難に合格しても各種の状況が重なって任官辞退した。
こちらも運試しの公務員だ。就職よりも喜ばしい再会だったよ。

 現状は公私ともに交流も再開した。相互支援している関係だ。

 美里さんは英田副総裁の旧い知人が縁故らしい。詳しいことは
分からない。優れた身体能力と薙刀術に長ける女性の警察官僚。

 実態はカナメ先輩の部下らしい。かなり事情通で内閣府直属。


 それと靭公園の外壁設置工事が完了した。直後の自衛隊さん。
現状は周辺の警戒まで担当している。東園に駐屯地を建設中だ。

 西園は地下ダンジョン。地上部は模擬弾の演習場に改装予定。

 レンジャー部隊を中心に地下迷宮の攻略を進めている最中だ。
直接関わる状況もしばらく先になるだろうと閣下に説明された。


 もちろんココの救出作戦も最優先。それが喫緊の目標なんだ。
精鋭か別にしても参加が少数に限定だ。当事者がベストだろう。

 間違いなくジョーカー乗車の定員。その五人になるんだろう。

 車いすが運転席に変わる自分と永依は確定だ。状況的に参加を
許されるなら先輩と美里さんだ。それに鈴音さんなら最強布陣。

 サクラちゃんは敵か巻きこまれた被害者かも判明していない。
可能なら交流のある永依のために一緒に帰れると理想的だろう。


 殺傷力が低い直接の武器も必要だ。下準備と正確な位置把握。
それらが判明すれば可能な限り対策を打ちあわせて出発できる。

 深夜に位置情報を得る作業も完全にジョーカーお任せになる。

 これも流された結果なんだけどオレたちの闘いはこれからだ。
少年漫画なら打ち切りエンドの状況には笑うしかできないよね。

「ココは無傷で確保する。可能ならサクラちゃん親子も救出だ」

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