巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第二章 社会と現実はさほど甘くない。

バニーちゃんと一緒(18)

「わけが分からないな」……流されただけの誕生日を振り返る。
終始大騒ぎのパーティは終わった。それでも片づけに追われる。

 実際にフィッシュオンは人手不足。パーティの準備を開始して
永依とココも活躍したらしい。かなりの頑張りと聴いて驚いた。

 しばらく中学に登校できない。オンライン対応の授業になる。

 それと数日前からサクラちゃんが家庭の事情で現れていない。
店長であるカナメ先輩があわてふためき悪戦苦闘する日々だよ。


 カナメ先輩に聴いた事情は神戸で暮らす母親が倒れたらしい。
すぐサクラちゃんが駆けつけて以降。音信不通の状況だと聴く。

 もちろんスマホも電源はオフだ。繋がらずなんの連絡もない。

 政府の直轄で正式には開店しておらず営業されていない店だ。

 それでも一定割合で業務は発生する。客には扱われていないが
毎日必ず食事をお願いしている現状。それぞれ手伝いたいんだ。

 調理は今日も亮くん。フロア担当が臨時バイト扱いの二人だ。

 永依は適性があり洗練した動きだ。ちゃんとした応対を真似る
ココも徐々に改善する。なぜかカナメ先輩のお墨つきまで得た。


 今後足代わりになる車いす。運転席に変わる自動車でもある。
プレゼントされたばかりで準備された食事以外すべて辞退した。

 綺麗な花束はお店と女の子に分配して飾りつけをお願いする。

 なぜかカナメ先輩から改まる形で三人とも同じ箱を渡された。

「ケージと永依ちゃんはホールもある。そのままでも平気よね。
ココちゃんよね。おおきな両耳だからピアスの穴に意味がない」

 カナメ先輩からのプレゼントは黒サンゴ。お揃いのピアスだ。
もしやの宝石として価値もあり別目的が用意された品質だった。

 詳しい説明はされないが三点まったく同じ形状で公然の秘密。
「うん。左耳の奥深くに貼りつけるよ」ココも危険は理解する。


 その夜は最後まで部屋の照明が消えることがなく調べものだ。

 だがしかし事態はすでに進行中……日付が変更線を跨ぐ時刻に
轟いたのが絶叫だ。突如として深夜遅くに状況も変化していた。

「ケーちゃんっ! 目覚めたらココちゃんベッドにいないんだ。
寝る前におやすみの挨拶した。いつもとおんなじで笑ってたよ」

 どこかに捨てられた子猫のようにして震えている永依だった。

「うん。誘拐された理由は別にして消えた原因は自分の選択だ」
 ココなりに事情もある。消える理由があるから仕方がないね。


『罪を憎んで人を憎まず』有名な慣用句かな。ことわざがある。

 日本を混乱させた状況。すべてに繋がる昔の総理大臣なんだ。
在任時に思想家である孔子の言葉と安易な発言が物議をかもす。

 それに似た記録は残っても記した人物が孔子か定かでもない。
人の犯した罪を憎むべきだ。罪を犯した人を憎んではいけない。

 そんな意味になるらしい。その教えもすでにあやしさ全開だ。
『罪と罰』著名なロシア文豪。ドストエフスキーの長編小説だ。

 理想と現実乖離。矛盾する論理と破壊を描いた名作とされる。


 原点とされている社会主義思想はまったくもって正しくない。
その体現とされる大陸覇権国家。一党の独裁政権による仕業だ。

 現代の世界情勢で仕方ない状況だろう。一応考えてみたんだ。
目的を達成するため他者を犠牲にすることが正義のはずもない。

 世捨て人とか引きこもりとも呼ばれた。その期間は長いのだ。

 正義と悪意の差は単に物事の二面性。それでも熟知している。

 世界中の人々が平等。楽しく幸せに暮らすことなど不可能だ。
中途で障がい者になった自分だから見えない世界も理解できる。


 この狭い大阪の片隅で静かに平々凡々として暮らせれば十分。
邪魔する奴は指先一つでダウンする永依でも話せば伝わるのだ。

 夜明けと同時に関係者は全員招集する。対策を練るしかない。
まずは状況の確認でココが無事に戻ってくればすべて終了する。

 ダンジョンに出現する魔物は世界の理もちがうから討伐する。
だがしかし自分の邪魔をする存在を片っ端から倒すのは不可能。


 最善の策が「以前と同様の状況を確保する」それだけなんだ。

 すべては神の采配だ。もしかしてダンジョン創造者の意志かと
認識させられる。そんな理由は存在していないと信じるだけだ。

コメント

コメントを書く

「現代ドラマ」の人気作品

書籍化作品