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巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第一章 始まりが雨でなく運命?

始まりの迷宮で邂逅(19)

「それじゃあ皆さんダンジョンキー。カードの取得からですね」
 まず三人ともカードを入手してもらう予定だが……ついでに?

 離れた位置で満面の笑み。自分のカードに触れる閣下の姿だ。
オタク思考に対し理解と造詣も深い。素晴らしい性格のご老人。

 余計な発言での地雷はご遠慮したい。仕方ないから声かけだ。
「閣下にお願いです。ダンジョン突入は最後になりますからね」

「わぁっとるわい。わしが率先して迷惑かけるはずもなかろう」
 子供っぽい部分があっても重鎮だ。責務を理解している閣下。


「皆さんオレは絶対に闘えませんから。すべてをお任せですよ?
階層主の部屋まで道中現れる魔物がミミズとムカデに巨大アリ。
ココから聴いた情報ですが角が生えたネズミや犬も出現します」

 おそらく堅物で真面目な二人……美人看護師を除外しても雑魚
モンスター。困る状況に陥ることなどもあるはずがないだろう。

「ちなみに実物よりも最大で十倍くらいのサイズ。デカいです」

「ケージくん。オオムカデ降ってきたら錯乱状態になるのよね」

「うぅ永依の馬鹿め。いきなり目前に降ってきたらビビります」
 ウインクしながら美女がからかうんだ。逆らえる気もしない。


「とにかく常に安全第一行動ですからね。それに魔物を倒しても
血は飛びませんよ。ゲームじゃないからステータスもでません。
実力だけですから」マジメに身振りを交えながら伝えるだけだ。

「ダンジョンは未知の領域。己の力を過信しすぎないことです」
 三人の背後で扉をくぐり抜けた。隊列としては先頭が部隊長。

 美里さんが背後で薙刀を携えると隣に並ぶ。最後に白衣美女が
粛々としながらもダンジョンをゆっくりと前進していくだけだ。

 もちろん無言で上下と前後左右。絶えず視線で警戒している。


「もうすこし下がっていいのよ。ケージくん」細く美しい指先が
肩まで載せられた。振り返ったまま驚愕する。全身も硬直した。

 鈴音が細い腕で短刀を振るう。オオムカデは一刀両断だった。

 壁に出現した一メートル近いムカデに鈴音は顔色も変えない。

 左掌に強く握った刃渡り十センチもない投げナイフの一閃だ。
オオムカデの眉間に突き刺すと引き抜きながら胴部を両断する。

 白衣で巨乳の美人看護師って……閣下のつぶやきを理解した。

 鈴音の正体に見当がつく。修験道は山岳信仰だ。古神道信者が
厳しい霊山修行の結果として『験力』を得た山伏の一族だろう。


 岩肌があわく照らすダンジョン階段を降りて一本道を進んだ。

 アリやミミズも出現する。だがしかし現れると同時に部隊長と
ミサトさんが速攻叩き潰した。こちらがやることはなにもない。

 地下のダンジョンで足元に注意しながら歩きつづけるだけだ。
おそらく自衛隊でも最強の特殊部隊だ。その強さだけ理解した。

 ただ驚きだったのは短い薙刀を振るミサトさんの雄姿だった。

 国家公務員一種試験に合格した警察官僚。生真面目でまさかと
考えさせられる。閣下も知己の一族出身。さもありなんである。

 それほど巨大じゃない始まりの迷宮なんだ。体感的にも一時間
かかってないよね。迷宮の最奥になる広場になんとか到着した。


「さて佳二君。この先が階層主の部屋だね。どうすればいい?」

「うーん。わかりません。自分たち二人ここに到着した。永依が
確かにつぶやいた。そこで機械音が応じたおかしな状況ですよ」

 部隊長の厳かな声に即応する。詳しいことまでは理解しない。

 ここまで出番もなかったから率先して巨大な扉まで近づいた。
左掌で軽く触れるが稼働する様子はない。音声も響かないよね。

 ここでどうすればいいか分からない。前回の状況を説明する。

「なかに入ると岩肌の床でしたね。奇妙な円陣が描かれた中心で
ココが両膝を抱えて眠りにつく状態で……脳内の音声に導かれて
預けられただけかもしれない」単なる感想。特別な感慨もない。


「現在ココさんは同伴していないな。角の生えた頭部が二つある
黒い地獄犬だよな。階層主が不在または条件を満たしていない。
現時点の我々に入室できない明確すぎる理由もあるんだろうさ」

「もしかしたら逆で入室済みの佳二くん。同伴して入れない?」
 部隊長とミサトさんが原因を推察しながら質疑を交わすのだ。

「まったくもってその通り。メンバーを厳選すればいいだろう」
 こちらの役目も終わりそうだった。そっと胸をなでおろした。

「ケージくん。ホント弱点ばかりでも度胸あってかわいいよね」
 背後で鈴音さんのおかしなつぶやきだ。面はゆさを意識する。


「なんで三人とも……全員スキルでるのかな」声を荒げて叫んだ
理由も納得できるかな。メンバー全員最後にカードを確認した。

 前と同じだった。裏面に並ぶ文字列を見つけてビックリだよ。

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