巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第一章 始まりが雨でなく運命?

始まりの迷宮で邂逅(8)

【コノ先ガ階層主ノ部屋ダ】プラス【現在ハ階層ノ主ガ不在ダ】
――機械音に驚き前で静止する。なぜか同時に言葉も失くした。

 音声の伝えた内容のままだ。すでに先行者が討伐済みなんだ。
「なかに入れない」扉前で永依がつぶやくとなぜか即応された。


【主ガ不在ノ入室ガ可能ダ】――再度の音声だ。扉がひらいた。
「へぇ。すぐに応じてくれるんだ。うれしいな」大喜びの少女。

 だがしかし頭を抱えさせられた。偶然か必然か検証がしたい。


 ちょうど部屋の中心になる。おかしな文様で描かれた円陣だ。

 双眸を見開いたまま動きを止めた。同時になぜか声まで失う。
円陣で横たわる姿は人間。だがしかし完全にちがう存在だろう。

 両膝を抱えるようにしながら眠る少女だ。その前で意識する。
それほど見た目は変わらない。一部分だけは驚くしかできない。

 ギャル化粧をしていない永依に近い。眠る表情がそっくりだ。
誰もが注目するほど歴然とちがう。どこかが超絶した美少女だ。


 瞼の下にある双眸が気になった。細眉にちいさな鼻口を有する
白い顔は細面。並みのアイドルより人目を惹くほどの愛らしさ。

 きらめくように美しい。艶のある黒髪は肩下まで流れる長さ。

 色白を通り越した透明美肌はそのまま化粧品のCMに出演して
違和感も一切ない。美しくて優雅な白いドレスも保護欲を誘う。


 折れそうな細い腰から伸びる長い手足だ。際立つモデル体型。

 だがしかし圧倒する胸部装甲そこだけは異様な存在感を放つ。

 おまけ程度の短い黒ブーツに包む足先までが驚異的な美麗さ。

 どれほど可憐な声を発するのか気になって視線もそらせない。


 傍で永依は黙したまま悩んでいる。頭の下からはみだした白い
屹立するフサフサとした右耳だ。本物だろうかと不思議だった。

 頭上に伏せた黒い左耳はモフモフな愛らしさに触れたくなる。

 ほぼ二人とも同じ印象だった。現実のバニーガールはエロい。


 年齢で性的な意味よりも愛くるしさ。可憐な幼さが優先されて
同性でも意識させるエロさ。際立っているのだから仕方がない。

 ダンジョンで見つけたウサギの獣人は類まれな美少女だろう。
誰に問いかけても同じ答えが戻る。それほど超絶した美少女だ。

 しかも細い身体に似あわない。秘められた強さも本物なんだ。


 円陣に距離もある。目覚めさせる方法が問題だと認識したよ。
「エーちゃんお願い眠る彼女の近くから声かけしてくれない?」

「えぇっ。眠れる森の美女じゃないや……ウサ耳少女だよねー。
目覚めさせられるキスは王子様だけさー」ニヤリとした笑みだ。

 セクハラ行為に感じられても面倒ばかりだ。躊躇うしかない。
「冗談じゃねぇ。目覚めさせる相手が男だと問題だらけじゃん」

「アッハッハはぐれ佳二純情派。ケーちゃん純情すぎるっしょ」


 からかい上手の永依だ。下手にでたのが失敗かもしれないなと
うずくまる。確かに三十路が迫った純情な男。相当キモいよね。

「じょーだんもこんくらいか。まぁしゃあない。いってくるよ」

 会話しながらの永依が円陣を跨いだ瞬間……跳ねあがるように
屈伸するウサ耳の少女が大ジャンプした。同時に腕も突きだす。


 笑う少女は反応できない素人じゃない。空手バカ一代じゃない
最強女子で中学生。昨年は全国中学女子の空手チャンピオンだ。

 東京オリンピック出場については連盟から正式に謝罪された。

 当初からの制約。本人適正と周囲状況から不可に決定された。
組手や型が中心の競技とフルコンタクト制の実践空手は別物だ。

 クマ殺し大山倍達総帥が頂点で究極の実践空手道だ。極真空手
系列で最強立技を目指した世界大会。覇者を生んだ団体になる。

 永依は関東正道会館の出身だ。総本部が存在する大阪天満駅。
走って通える距離の靭本町だ。それで叔父と同居も納得できた。


 都内で新聞沙汰になるほどの問題で主犯とされたのが永依だ。
学校の関係者から親戚すべて周囲全員を同時に震撼させたのだ。

 強力すぎる祖父の一喝。表面化されない人脈で幕引きされた。
それにより表むきは不問とされた永依もしばらく謹慎中なのだ。

 数年間は中部地方より北に旅行も許されていない現状らしい。


 あまりにも素早い左の突きだった。素直に攻撃をうけた永依。
別の意味だろう。満面の笑顔と呼べるほど朗らかに対応される。

 ほとんど変わらない体型でもウサ耳少女は強さが本物だった。
マックススピードなら互角。力強さでウサ耳の少女に分がある。

 圧倒的な差は感じない。最初からお互いに全力で挑める相手と
認識しただろう。身体ごと傾けながら軽々とうけ流すのが永依。

 左に全身傾けながら右足だ。力強い回し蹴りを腹に叩きこむ。


 避けられると考えていないウサ耳少女がまともに喰らう急角の
回転蹴りで後方まで吹きとぶ。もちろん両者にダメージはない。

「おもしれぇ」ニヤリと双方同時に笑う。どちらの言葉だった?
キャットファイトが始まっていない前哨戦。闘いもこれからだ!

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