巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中~検証ダンジョン必勝ガイド

ノベルバユーザー587413

第一章 始まりが雨でなく運命?

始まりの迷宮で邂逅(6)

 今更なんだけど。現実に生まれたダンジョンってなんだろう。
ファンタジー小説。RPGゲーム。どこかにある異次元の迷宮。

 目的を秘めた誰かが地球に創造した次元を異にする空間かな。
もしくは実在する世界線に存在する場所と繋げられた可能性だ。

 確率論とモチーフだ。それが偶然一致した状況かもしれない。


【単独デ階層ノ攻略ヲ確認】――脳内で突然響いた音声の意味。
 理解できる事実だけ意識する。それを推測と想像で補うのだ。

 ダンジョン誕生直後の地震だった。それが原因で間違いない。
単独行動で正規の入場じゃない。誰かさんが異空間に侵入した。

 そのままダンジョンで初モンスターまで討伐していたはずだ。
しばらくして脳内に音声で伝えられた。階層主も討伐している。


【新人類ノ進化誕生ヲ認識】――その誰かは人間じゃないのか?

 もしかして偶然巻きこまれた動物。生まれ変わった存在かな?

 なんとなくの想像で直感だった。その推測までたどりついた。
その推察が正解か否かは別にして究極の二者択一になるだろう。


『進化した人間』それは新人類? 現実のニュータイプ誕生だ。

『動物から進化』身体は人間? おそらくは獣人種のカテゴリ。

 どちらが正解か? 両方とも間違いかな? 判断もできない。
ある程度の正解でも嬉しい誤算だ。ただ妄想するオタクだから。


 三倍速の宇宙ロボット戦闘。ケモ耳のもふもふ新種族誕生だ。

 どちらにしてもオタクには喜ばしい結論になる可能性がある。
脳内だけさまざまな空想する。隣の永依はお怒りモードだけど。

「初めての入場者。誰かが攻略してくれたからしばらく安全だ」
ここからは検証……喜びで表情を変える少女に言葉をつづける。

「無茶をしない。ちゃんと意味を理解してから行動できるの?」

「りょ。ぜってぇケーちゃんには逆らわないよ。ちゃんと聞く」
 満面の笑みをうかべた少女。両腕を振りまわす姿を凝視した。


 扉の左で輝くパネル。落ちついてからカードを触れあわせた。
その瞬間不思議な輝きが増すと同時に音もなく奥にひらいた扉。

 黙ったままで見つめあう。それと同時にまっすぐ進むだけだ。

 ゆっくりした動作で潜り抜ける。壁の厚さも意識していない。


 もちろん中央に階段だ。幅が5mぐらいの下り大階段だった。
装飾なども見えない石膏造り。無骨な印象を与える階段だろう。

 岩肌の周囲は黒い壁でブロック状の切りこみがやけに目立つ。
もちろん人工的な亜空間と即座に断定できる室内は誰もいない。

 当然なにもおかれていない。天井は見上げるほど高みにある。
「あーしらも冒険するんだ。ここから始まりだよケーちゃん!」


「そだね。まず絶対に死なないこと。おおきなケガも負わない。
そこから先は優先順位をつけようか。調査が主体になるよね?」

 どちらにしても調査だ。まず安全策と対処法。検証もあとだ。
周囲は壁だけど直に触れて材質確認だ。ただの岩肌にすぎない。

 しっかり踏みしめた床も強靭だ。それらすべてが普通の岩石。
「ほらほらーケーちゃん。めちゃくちゃでっけー階段だっしょ」


 すでに永依は階段前。おおきく飛び跳ねて喜びの表現だった。
素早く駆け下りたいとか先走る感情まで透けて見える状況だよ。

 それはないかもと考える。だがしかしその行動力は半端ない。

 永依の行動力に関しては無敵なんだ。追随を許すはずもない。
「うん。ゆっくりならいいのかな」一歩ずつ階段まで近づいた。


「ただ階層を下るだけになる。もちろん天国への階段じゃない。
魔物がいる地下目指すなら地獄に落ちる?」首を捻って考えた。

「天国地獄。全然ちげぇしょ。ダンジョン……ってなんだろう」
 掌を土壁にあてながら先行する少女。笑って足元も確認した。

「神は人の幻想だけど。迷宮を創造した誰かさんは確実にいる。
人類に脅威を与えることで進化させたい? 先行者は謎だけど」


 ここから本番だ。いよいよ冒険ならスタート地点なんだろう。

 スケールもないからおおまかな目測だ。階段の幅5mぐらい。
一段の踏面がおよそ30cm。けあげも低い段差で12cmだ。

 25段ごとに幅と同程度の踏面になる踊り場で3mの昇降だ。
百段ちょうどで階下らしい。それで階層の高さがおよそ12m。

 並んで地下に到着するとかなりの踊り場が出口になるらしい。


 視界が悪いために見渡せない。周囲をあわく照らすのも岩肌。

 それだけで周囲の数mまで目視できる明るさだ。並べる道幅で
曲がりくねりながら見えない奥まで誘う。整備された一本道だ。

「ケーちゃんモンスターいねーっしょ。ドンドン先進もうよ!」
 傍の少女が右上腕を叩きながら催促だ。苦笑しながら応じる。


 かんたんな説明なら骨のガンだ。太ももから完全に切断した。

 右脚を失くしてからは義足の使用で十年も経過すれば日常だ。

 走ったりの激しい行動は難しい。だがしかし生活動作や一般の
行動に支障はない。ダンジョンを探求したい好奇心も人一倍だ。

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