【完結】あなた色に染まり……ません!~呉服屋若旦那は年下彼女に独占宣言される~
最終章 ずっと私は貴方のもの10
「……え?」
漸はいったい、なにを訊いているのだろう?
眼鏡の向こうで僅かに笑った瞳、でもその奥深くでは仄暗い嫉妬の焔が燃えている。
「付き合ったのはひとりだけ、です」
「本当に?」
黙ってこくんと頷いた。
「あの、駿平……とかいう男は違うのですか?」
さらに漸の質問が続くが、彼はいったい誰に嫉妬を……あ。
もしかして、私の過去の男にヤキモチを妬いている?
「初恋は駿平さんだし、付き合ったのは就職したときの会社の先輩でハジメテもその人だったけど。
私の男は漸ひとりだけだし、私が心の底から愛したのは漸だけですよ」
駿平さんは初恋といっても、淡い憧れのようなものだった。
会社の先輩は告白されてそういうものなのだと思って付き合っただけで、本当は好きじゃなかったのかもしれない。
そうなると。
「私が本当に好きになったのは、漸が初めてですよ。
私が初めて好きになって、初めて愛してた私の男は漸だけです」
「本当に?」
「はい」
腕を伸ばし、漸を抱き締める。
過去の男になんて嫉妬しなくても大丈夫だよ。
私にとって漸が、全部初めてだから。
「鹿乃子さんは全部、隅から隅まで私のものですか」
答えなんてひとつしかない、それ以外の答えなんて許さない。
そんな目で漸は私を見ているが。
「はい。
私のすべては漸のものです。
誓い、ますから……」
自分から漸と唇を重ねる。
すぐに彼の方からぬるりと舌を侵入させてきた。
漸の舌が私に触れるだけで、歓喜で身体が震えた。
こんな喜びを与えてくれるのは漸だけ、だ。
「今日は鹿乃子さんを本当に全部、私のものにさせてください」
「全部、漸のものにしてください……」
唇が首筋に触れ、少しずつ下へと下がっていく。
そして――。
眼鏡を外し、漸がサイドテーブルへ置く。
「そろそろ、いいかと思います。
痛かったらやめますから、言ってください。
絶対に我慢してはダメですよ」
「……はい」
「じゃあ、鹿乃子さんのハジメテ、いただかせていただきますね……」
「あ……」
ゆっくりと漸が侵入してきて、僅かに痛んだ。
でも我慢できないほどではないし、漸にハジメテの痛みを与えてもらえているのだと思うと、嬉しい。
「痛くない、ですか」
「大丈夫、です……」
一度、腰を止め、ちゅっとキスしてくれた。
それだけでもう少しくらい痛くても大丈夫、なんて思っちゃうのはなんでだろう?
また、ゆっくりと漸が進んでいく。
「全部挿りました」
漸の両手が私の頬に触れる。
「鹿乃子さんのハジメテを私にくださり、ありがとうございます」
「これで私のハジメテは、漸ですね」
「はい」
「ハジメテが漸でよかった」
漸の顔を見つめ、嬉しくて笑っていた。
本当のハジメテは漸ではないけれど。
それでも、私のハジメテを漸に捧げられたのが、こんなにも嬉しい。
「鹿乃子……!」
噛みつくみたいに漸の唇が重なった。
野獣モードに入った漸が、荒々しく口腔を蹂躙する。
「……優しくしてやりたいが、無理だ」
濡れた唇を舐める彼に、ううんと首を振る。
そのまま――。
「……のこさん、鹿乃子さん」
「……あ?」
ぺしぺしと軽く頬を叩かれて、意識が戻ってくる。
「大丈夫、ですか」
漸はいったい、なにを訊いているのだろう?
眼鏡の向こうで僅かに笑った瞳、でもその奥深くでは仄暗い嫉妬の焔が燃えている。
「付き合ったのはひとりだけ、です」
「本当に?」
黙ってこくんと頷いた。
「あの、駿平……とかいう男は違うのですか?」
さらに漸の質問が続くが、彼はいったい誰に嫉妬を……あ。
もしかして、私の過去の男にヤキモチを妬いている?
「初恋は駿平さんだし、付き合ったのは就職したときの会社の先輩でハジメテもその人だったけど。
私の男は漸ひとりだけだし、私が心の底から愛したのは漸だけですよ」
駿平さんは初恋といっても、淡い憧れのようなものだった。
会社の先輩は告白されてそういうものなのだと思って付き合っただけで、本当は好きじゃなかったのかもしれない。
そうなると。
「私が本当に好きになったのは、漸が初めてですよ。
私が初めて好きになって、初めて愛してた私の男は漸だけです」
「本当に?」
「はい」
腕を伸ばし、漸を抱き締める。
過去の男になんて嫉妬しなくても大丈夫だよ。
私にとって漸が、全部初めてだから。
「鹿乃子さんは全部、隅から隅まで私のものですか」
答えなんてひとつしかない、それ以外の答えなんて許さない。
そんな目で漸は私を見ているが。
「はい。
私のすべては漸のものです。
誓い、ますから……」
自分から漸と唇を重ねる。
すぐに彼の方からぬるりと舌を侵入させてきた。
漸の舌が私に触れるだけで、歓喜で身体が震えた。
こんな喜びを与えてくれるのは漸だけ、だ。
「今日は鹿乃子さんを本当に全部、私のものにさせてください」
「全部、漸のものにしてください……」
唇が首筋に触れ、少しずつ下へと下がっていく。
そして――。
眼鏡を外し、漸がサイドテーブルへ置く。
「そろそろ、いいかと思います。
痛かったらやめますから、言ってください。
絶対に我慢してはダメですよ」
「……はい」
「じゃあ、鹿乃子さんのハジメテ、いただかせていただきますね……」
「あ……」
ゆっくりと漸が侵入してきて、僅かに痛んだ。
でも我慢できないほどではないし、漸にハジメテの痛みを与えてもらえているのだと思うと、嬉しい。
「痛くない、ですか」
「大丈夫、です……」
一度、腰を止め、ちゅっとキスしてくれた。
それだけでもう少しくらい痛くても大丈夫、なんて思っちゃうのはなんでだろう?
また、ゆっくりと漸が進んでいく。
「全部挿りました」
漸の両手が私の頬に触れる。
「鹿乃子さんのハジメテを私にくださり、ありがとうございます」
「これで私のハジメテは、漸ですね」
「はい」
「ハジメテが漸でよかった」
漸の顔を見つめ、嬉しくて笑っていた。
本当のハジメテは漸ではないけれど。
それでも、私のハジメテを漸に捧げられたのが、こんなにも嬉しい。
「鹿乃子……!」
噛みつくみたいに漸の唇が重なった。
野獣モードに入った漸が、荒々しく口腔を蹂躙する。
「……優しくしてやりたいが、無理だ」
濡れた唇を舐める彼に、ううんと首を振る。
そのまま――。
「……のこさん、鹿乃子さん」
「……あ?」
ぺしぺしと軽く頬を叩かれて、意識が戻ってくる。
「大丈夫、ですか」
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