世界最強の俺、銀髪赤眼のロリ美少女になってしまう
0. 異能力が発現した日
2101年、7月20日。
「なぁなぁ!昨日の異能力ニュース見たか?」
「見たよ!《爆炎の魔術師》リガルドが出てたやつでしょ。流石、世界ナンバーワンの異能力者だよな!カッコ良かったな〜」
とある小学校の教室で男の子達が楽しそうに会話をしていた。
彼ら以外にも、沢山の子供達が教室で遊んだり、話をしたりしてはしゃいでいた。しかし、それらほとんどの会話の中にはリガルドと呼ばれる人物の名前が飛び交っていた。
リガルドという人物を説明するには昔の話を知る必要がある。
31年前の出来事、『史上最悪の日』と語り継がれる日の事を。
人々が普通の営みを過ごしている昼頃、突如として世界各地に大規模な自然災害が発生した。暴風、豪雨、豪雪、洪水、津波、地震、噴火……その他諸々の自然現象が地球全体のあらゆる場所で発生した。多くの人がその突発的な大災害に対応出来ず、負傷者約51億、死者約30億を超える悲劇をもたらした。
各国の殆どの都市の機能が停止し情報機関、交通機関、医療機関に大きなダメージを与えられた。
もちろん、それらの中には日本も含まれていた。
世界中の人々は絶望した。誰もが絶望を口にし、泣き叫んだ。神に縋り付いて救いを祈り続けた。しかし、神はそんな人間達を蹴り落とした。
初めの犠牲者はアメリカから出た。何とも形容しがたい生き物達が突如として大量発生して人間を襲い始めたのだ。人々はその生き物を悪魔と呼んだ。
情報機関にダメージを受けていたアメリカだったが、国の中枢部だけは活動可能だったために直ぐに各国へこの悪魔についての情報が知らされた。
アメリカの情報が伝えられたと共に他の国にも悪魔が出現し始め、各国の軍は救助活動所では無くなり、銃やミサイルと言った火力武器で対抗をし始めた。しかし、銃と言っても銃弾や部品は鉄製であり、消耗品でもあった。大災害によって銃弾等の製造元は崩壊しており、このままではジリ貧だと誰もが思っていた。
だが、その絶望に立ち向かった人達がいた。
その人物達は掌から炎を出したり、植物を操ったり、はたまたとんでもない身体能力を持って悪魔達に対抗した。そう、その人物達こそが大災害の日から超人的な能力を体に宿した『異能力者』だ。
彼らの力によって、人間は生存圏を守ることが出来た。まさに奇跡と言っても過言では無かった。
そして、今現在も悪魔は世界中で猛威を奮っており、異能力者達は悪魔退治や国の治安維持で活躍をしていた。
話を戻すが、リガルドという人物は31年前の史上最悪の日に覚醒した異能力者だ。
所属はイギリスで、あらゆる悪魔の脅威を【爆炎】と言う異能力で跳ね除けている。まさに世界最強と謳われる人なのだ。
「あ〜僕もリガルドみたいな異能力欲しいな〜」
「でも異能力が使えるようになる人って少ないから難しいよね。確か……世界総人口の0.018%の人が異能力者らしいよ?」
「それってどれくらいなの?」
「……わかんないや。だってニュースで聞いただけだもん」
史上最悪の日から31年後の現在、あの日に受けた大災害と悪魔からの傷跡は地球上のあらゆる場所で残っているものの、異能力者の活動によって人々の普通の営みは取り戻されつつあった。
それを表すかのように、日本の小学校は普通に活動をしていた。
教室が子供達の声で騒がしくなっている中、不意に教室のドアが開かれて一人の教師が入って来た。
「はいはーい、みんな座ってねー。明日から夏休みで浮かれているのは分かるけど、今日最後の終わりの会をやってないからね」
手をパンパンと鳴らす先生の合図とともに、35人の子供達は次々と席について行く。ガヤガヤと静にはならないが、小学生にしては聞き分けよく先生に従っていた。
「はい、静にしてー。今から夏休み中の注意事項を簡単に話して行くからね。まずは、ーーー」
先生が話を進めて行く中、教室の一番後ろの一角では男の子達がこっそりと会話をしていた。
「なぁ、もし異能力が使えるようになるならどんな異能力が良い?」
「そうだな〜僕は動物と会話できる能力とかかな?」
「えぇ〜オイラはやっぱりリガルドと同じ【爆炎】が良いぜ!黒兎はどんなのが欲しい?」
「……フッ!僕はもう既に闇を操る能力を持っているんだ。でも余りに強力な力でな、今は僕の左手に封印されているんだ。その証拠がこの包帯だ!」
((あぁ……黒兎に聞いた僕達が馬鹿だった…))
黒兎と呼ばれた少年は左手にこれでもかと言うほどに包帯を巻き付けていた。
本名は黒瀬 黒兎。小学6年生という若さにも関わらず、早期に厨二病を患ったかなりイタくて可哀想な子だ。
誰もが黒兎の事をイタい奴だと思っている。しかし、誰もそれを指摘する事は無い。何故なら、一度前に厨二発言をした黒兎を馬鹿にした男子が居たのだが、今直ぐにでも泣きそうな顔になって否定して来たからだ。
『ほ、本当だもん!闇の力操れるもん!うぅ〜…』
その光景が余りにも黒兎を一方的にいじめている様に周りには見えて、馬鹿にした男子が後から来た先生に思いっきし怒られた。
それ以来、誰も黒兎の厨二病には触れなくなった。指摘して泣き出したらめんどくさい事になるのは目に見えて分かる。まぁ、そのせいで黒兎の厨二病は止まらなくなってしまったのだが。
黒兎達が話しているのはバレる事なく、ホームルームは終わりへと差し掛かった。
「ーーーという事だ、分かったか?それじゃあホームルームはこれで終わりだぞ。みんな気をつけて楽しい夏休みを過ごすんだぞ!」
先生は最後にそう言い残すと子供達に下校を促して教室を出て行った。
それをきっかけに、静になっていた教室はまた一層と騒がしくなる。会話をし出す子、ランドセルの準備をする子、遊びを始める子と様々だ。
「黒兎〜!俺たちはグラウンドでドッジボールして遊ぼうぜ」
「フッ……良いだろう!僕の闇の力を見せてやる!」
黒兎は包帯だらけの左腕を掲げてキメ顔をする。かなりダサいのだが、誰も突っ込まない。突っ込もうともしない。この状況が普通で日常的である事が窺える。
黒兎を含めて、クラス内の数十名の男の子達がボールを手に持って出て行った。
数十分もすると、グラウンドではボールを投げ合いながら楽しそうにドッジボールをする人影があった。
もちろん、その中には黒兎の姿もあった。
「よし、取ったぞ!」
「くそ〜!みんな下がれ!」
一人の男の子がボールを勢いよく投げ、黒兎側のチームの男の子がそれを真正面で受け止めた。
「ん〜…黒兎が投げてみる?」
「ほう?僕が投げてしまっても良いのかい?知っているとは思うけど、僕は力を封印している状態なんだ。全く強く投げれないよ?」
黒兎はそう言っているが、全くそんな事はない。ただただ腕力が貧弱すぎて強く、遠くまで飛ばせないだけだ。
「ならその封印?を解いて投げれば良いじゃん」
「え?い、いや……仕方ない、とうとう闇の力を見せる時が来たか」
スルスルと左腕の包帯が解けて行く。真夏の太陽に照らされた空間の中、左腕だけが病的な程に白くなっており、日焼けの跡が一切確認する事ができない。
「フフッ!これが僕の力だ!」
黒兎は不安げな雰囲気を出しながらも、左腕を天高く伸ばした。
よく見るとわずかに震えていて、顔を真っ赤にして目をギュッとつぶっていた。
(ど、どうしよう!闇の力なんて本当は使えないのに…!みんなに馬鹿にされちゃう)
しかし、そんな気持ちとは裏腹に、周りは騒然としていた。
「…す、すげぇ!本当に真っ黒だ!」
「これが闇の力なのか!」
「黒兎って異能力者だったんだな!!すげぇ〜!」
「……へ?」
恐る恐る目を開けると、みんなが揃って黒兎の掲げられた左腕を見ていた。そして、黒兎自身もその視線を辿って行く様に上を見上げる。
手の先には大人の拳一つほどの大きさをした真っ黒な球体が不規則に変形しながら浮いていた。何もかもを黒く染めてしまいそうな程に黒いソレは、まるで空間に穴が開いてしまったかの様な印象を受ける。
周りが「凄い凄い!」と叫んでいる中、黒兎の耳にはその言葉は届いていなかった。
「……なに、これ…?」
彼は自分が予期していなかった現実を前に放心状態となってしまった。
数分後、黒兎はショックて倒れてしまい、みんなに担がれて保健室へと連れて行かれた。
この日、この時、後にリガルドを追い抜いて世界最強と謳われる人物『黒瀬 黒兎』が異能力に覚醒した。
「なぁなぁ!昨日の異能力ニュース見たか?」
「見たよ!《爆炎の魔術師》リガルドが出てたやつでしょ。流石、世界ナンバーワンの異能力者だよな!カッコ良かったな〜」
とある小学校の教室で男の子達が楽しそうに会話をしていた。
彼ら以外にも、沢山の子供達が教室で遊んだり、話をしたりしてはしゃいでいた。しかし、それらほとんどの会話の中にはリガルドと呼ばれる人物の名前が飛び交っていた。
リガルドという人物を説明するには昔の話を知る必要がある。
31年前の出来事、『史上最悪の日』と語り継がれる日の事を。
人々が普通の営みを過ごしている昼頃、突如として世界各地に大規模な自然災害が発生した。暴風、豪雨、豪雪、洪水、津波、地震、噴火……その他諸々の自然現象が地球全体のあらゆる場所で発生した。多くの人がその突発的な大災害に対応出来ず、負傷者約51億、死者約30億を超える悲劇をもたらした。
各国の殆どの都市の機能が停止し情報機関、交通機関、医療機関に大きなダメージを与えられた。
もちろん、それらの中には日本も含まれていた。
世界中の人々は絶望した。誰もが絶望を口にし、泣き叫んだ。神に縋り付いて救いを祈り続けた。しかし、神はそんな人間達を蹴り落とした。
初めの犠牲者はアメリカから出た。何とも形容しがたい生き物達が突如として大量発生して人間を襲い始めたのだ。人々はその生き物を悪魔と呼んだ。
情報機関にダメージを受けていたアメリカだったが、国の中枢部だけは活動可能だったために直ぐに各国へこの悪魔についての情報が知らされた。
アメリカの情報が伝えられたと共に他の国にも悪魔が出現し始め、各国の軍は救助活動所では無くなり、銃やミサイルと言った火力武器で対抗をし始めた。しかし、銃と言っても銃弾や部品は鉄製であり、消耗品でもあった。大災害によって銃弾等の製造元は崩壊しており、このままではジリ貧だと誰もが思っていた。
だが、その絶望に立ち向かった人達がいた。
その人物達は掌から炎を出したり、植物を操ったり、はたまたとんでもない身体能力を持って悪魔達に対抗した。そう、その人物達こそが大災害の日から超人的な能力を体に宿した『異能力者』だ。
彼らの力によって、人間は生存圏を守ることが出来た。まさに奇跡と言っても過言では無かった。
そして、今現在も悪魔は世界中で猛威を奮っており、異能力者達は悪魔退治や国の治安維持で活躍をしていた。
話を戻すが、リガルドという人物は31年前の史上最悪の日に覚醒した異能力者だ。
所属はイギリスで、あらゆる悪魔の脅威を【爆炎】と言う異能力で跳ね除けている。まさに世界最強と謳われる人なのだ。
「あ〜僕もリガルドみたいな異能力欲しいな〜」
「でも異能力が使えるようになる人って少ないから難しいよね。確か……世界総人口の0.018%の人が異能力者らしいよ?」
「それってどれくらいなの?」
「……わかんないや。だってニュースで聞いただけだもん」
史上最悪の日から31年後の現在、あの日に受けた大災害と悪魔からの傷跡は地球上のあらゆる場所で残っているものの、異能力者の活動によって人々の普通の営みは取り戻されつつあった。
それを表すかのように、日本の小学校は普通に活動をしていた。
教室が子供達の声で騒がしくなっている中、不意に教室のドアが開かれて一人の教師が入って来た。
「はいはーい、みんな座ってねー。明日から夏休みで浮かれているのは分かるけど、今日最後の終わりの会をやってないからね」
手をパンパンと鳴らす先生の合図とともに、35人の子供達は次々と席について行く。ガヤガヤと静にはならないが、小学生にしては聞き分けよく先生に従っていた。
「はい、静にしてー。今から夏休み中の注意事項を簡単に話して行くからね。まずは、ーーー」
先生が話を進めて行く中、教室の一番後ろの一角では男の子達がこっそりと会話をしていた。
「なぁ、もし異能力が使えるようになるならどんな異能力が良い?」
「そうだな〜僕は動物と会話できる能力とかかな?」
「えぇ〜オイラはやっぱりリガルドと同じ【爆炎】が良いぜ!黒兎はどんなのが欲しい?」
「……フッ!僕はもう既に闇を操る能力を持っているんだ。でも余りに強力な力でな、今は僕の左手に封印されているんだ。その証拠がこの包帯だ!」
((あぁ……黒兎に聞いた僕達が馬鹿だった…))
黒兎と呼ばれた少年は左手にこれでもかと言うほどに包帯を巻き付けていた。
本名は黒瀬 黒兎。小学6年生という若さにも関わらず、早期に厨二病を患ったかなりイタくて可哀想な子だ。
誰もが黒兎の事をイタい奴だと思っている。しかし、誰もそれを指摘する事は無い。何故なら、一度前に厨二発言をした黒兎を馬鹿にした男子が居たのだが、今直ぐにでも泣きそうな顔になって否定して来たからだ。
『ほ、本当だもん!闇の力操れるもん!うぅ〜…』
その光景が余りにも黒兎を一方的にいじめている様に周りには見えて、馬鹿にした男子が後から来た先生に思いっきし怒られた。
それ以来、誰も黒兎の厨二病には触れなくなった。指摘して泣き出したらめんどくさい事になるのは目に見えて分かる。まぁ、そのせいで黒兎の厨二病は止まらなくなってしまったのだが。
黒兎達が話しているのはバレる事なく、ホームルームは終わりへと差し掛かった。
「ーーーという事だ、分かったか?それじゃあホームルームはこれで終わりだぞ。みんな気をつけて楽しい夏休みを過ごすんだぞ!」
先生は最後にそう言い残すと子供達に下校を促して教室を出て行った。
それをきっかけに、静になっていた教室はまた一層と騒がしくなる。会話をし出す子、ランドセルの準備をする子、遊びを始める子と様々だ。
「黒兎〜!俺たちはグラウンドでドッジボールして遊ぼうぜ」
「フッ……良いだろう!僕の闇の力を見せてやる!」
黒兎は包帯だらけの左腕を掲げてキメ顔をする。かなりダサいのだが、誰も突っ込まない。突っ込もうともしない。この状況が普通で日常的である事が窺える。
黒兎を含めて、クラス内の数十名の男の子達がボールを手に持って出て行った。
数十分もすると、グラウンドではボールを投げ合いながら楽しそうにドッジボールをする人影があった。
もちろん、その中には黒兎の姿もあった。
「よし、取ったぞ!」
「くそ〜!みんな下がれ!」
一人の男の子がボールを勢いよく投げ、黒兎側のチームの男の子がそれを真正面で受け止めた。
「ん〜…黒兎が投げてみる?」
「ほう?僕が投げてしまっても良いのかい?知っているとは思うけど、僕は力を封印している状態なんだ。全く強く投げれないよ?」
黒兎はそう言っているが、全くそんな事はない。ただただ腕力が貧弱すぎて強く、遠くまで飛ばせないだけだ。
「ならその封印?を解いて投げれば良いじゃん」
「え?い、いや……仕方ない、とうとう闇の力を見せる時が来たか」
スルスルと左腕の包帯が解けて行く。真夏の太陽に照らされた空間の中、左腕だけが病的な程に白くなっており、日焼けの跡が一切確認する事ができない。
「フフッ!これが僕の力だ!」
黒兎は不安げな雰囲気を出しながらも、左腕を天高く伸ばした。
よく見るとわずかに震えていて、顔を真っ赤にして目をギュッとつぶっていた。
(ど、どうしよう!闇の力なんて本当は使えないのに…!みんなに馬鹿にされちゃう)
しかし、そんな気持ちとは裏腹に、周りは騒然としていた。
「…す、すげぇ!本当に真っ黒だ!」
「これが闇の力なのか!」
「黒兎って異能力者だったんだな!!すげぇ〜!」
「……へ?」
恐る恐る目を開けると、みんなが揃って黒兎の掲げられた左腕を見ていた。そして、黒兎自身もその視線を辿って行く様に上を見上げる。
手の先には大人の拳一つほどの大きさをした真っ黒な球体が不規則に変形しながら浮いていた。何もかもを黒く染めてしまいそうな程に黒いソレは、まるで空間に穴が開いてしまったかの様な印象を受ける。
周りが「凄い凄い!」と叫んでいる中、黒兎の耳にはその言葉は届いていなかった。
「……なに、これ…?」
彼は自分が予期していなかった現実を前に放心状態となってしまった。
数分後、黒兎はショックて倒れてしまい、みんなに担がれて保健室へと連れて行かれた。
この日、この時、後にリガルドを追い抜いて世界最強と謳われる人物『黒瀬 黒兎』が異能力に覚醒した。
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