客観的恋愛曖昧論
曖昧論〜彩花の場合〜2
京子が手を挙げる。
「私はすぐには付き合わない。グレーってことは好きか嫌いかわからないってことでしょ? とりあえず二人で三回はデートをした方がいいよ。それでちょっとでもときめいて、好きになれそうって思ったら付き合う、無理なら付き合わない」
「たった三回?」
「三回で大体見極められるでしょ」
次に美玲が手を挙げる。
「私はとりあえず付き合ってみるかも。だって付き合ってるうちに好きになるかもしれないでしょ?」
「なれなかったら?」
「やっぱり無理だったって別れればいいんじゃない?」
「無責任じゃない?」
「じゃあお試し期間って前置きしたら?」
二葉が手を上げないので、彩花から指名が入る。
「私に聞かないでよ〜! ちゃんとした付き合いをしたことないんだもん」
「まぁ確かに……でももし今副島さんが付き合ってって言ってきたら、二葉ちゃんは付き合うの?」
二葉は頭に匠の姿を思い浮かべて、恥ずかしくなる。
「……たぶん付き合う」
「それはどうして?」
「……秩父で過ごした三日間が楽しかったし、趣味も体の相性も良くて……でもちゃんと彼を知らないから、今までの男みたいに騙されてないか心配になるけど……。それでも、美玲が言っていたみたいに試しに付き合ってみたいな。だってあの三日間は、お互い弱っていたとはいえ、私にとっては忘れられない時間になってるのは否めないの。だから勝手に作り上げた幻想を打ち砕くために付き合ってみる。もしかしたら、思っていたのと全然違うかもしれないじゃない」
「それって良い意味? 悪い意味?」
「どっちも……と言いたいところだけど、悪い意味の方が大きいかな」
「あぁ、それちょっとわかるかも。好きな人の場合、悪い所も良く見えるけど、そうじゃない場合、悪い所しか目につかなかったりしない? まぁそれで嫌になることも多々あるけど」
すると京子が手を叩く。
「よく考えれば二葉も三日だよね。やっぱりデート三回すれば、ある程度はわかると思うのよ。一回目は緊張して気を遣って、二回目は少し緊張も解けて本性もちょっと見えて、三回目で安心しきって気を抜いて本性が出る」
「なるほど……」
「それにしても、二葉が忘れられないくらい良い男だったのねぇ……副島さんって」
真っ赤になる二葉を見ながら、美玲はニヤニヤしながらからかう。それを振り払うかのように、二葉は彩花の方を見た。
「あ、彩花はその人のことをどう思ってるの? なんかさっきのだと、客観的な彼の印象にしか聞こえなかったから」
「えっ……どうって……そうだな……。いろいろ気付いてくれる。私が困っていると、さりげなく助けてくれたり。何も言わなくても伝わったりするのは楽かも」
「ふーん……その彼、彩花のことをよく見てくれているんだね〜」
彩花はしばらく黙った後、照れ隠しのように下を向いた。
そして全員の意見を精査し、自分なりの答えを導き出す。
「よし、とりあえずお試しで付き合ってみる。で、三回デートしてみて、結論を出す!」
彩花の決意を聞くと、四人は笑顔でグラスを合わせた。
「私はすぐには付き合わない。グレーってことは好きか嫌いかわからないってことでしょ? とりあえず二人で三回はデートをした方がいいよ。それでちょっとでもときめいて、好きになれそうって思ったら付き合う、無理なら付き合わない」
「たった三回?」
「三回で大体見極められるでしょ」
次に美玲が手を挙げる。
「私はとりあえず付き合ってみるかも。だって付き合ってるうちに好きになるかもしれないでしょ?」
「なれなかったら?」
「やっぱり無理だったって別れればいいんじゃない?」
「無責任じゃない?」
「じゃあお試し期間って前置きしたら?」
二葉が手を上げないので、彩花から指名が入る。
「私に聞かないでよ〜! ちゃんとした付き合いをしたことないんだもん」
「まぁ確かに……でももし今副島さんが付き合ってって言ってきたら、二葉ちゃんは付き合うの?」
二葉は頭に匠の姿を思い浮かべて、恥ずかしくなる。
「……たぶん付き合う」
「それはどうして?」
「……秩父で過ごした三日間が楽しかったし、趣味も体の相性も良くて……でもちゃんと彼を知らないから、今までの男みたいに騙されてないか心配になるけど……。それでも、美玲が言っていたみたいに試しに付き合ってみたいな。だってあの三日間は、お互い弱っていたとはいえ、私にとっては忘れられない時間になってるのは否めないの。だから勝手に作り上げた幻想を打ち砕くために付き合ってみる。もしかしたら、思っていたのと全然違うかもしれないじゃない」
「それって良い意味? 悪い意味?」
「どっちも……と言いたいところだけど、悪い意味の方が大きいかな」
「あぁ、それちょっとわかるかも。好きな人の場合、悪い所も良く見えるけど、そうじゃない場合、悪い所しか目につかなかったりしない? まぁそれで嫌になることも多々あるけど」
すると京子が手を叩く。
「よく考えれば二葉も三日だよね。やっぱりデート三回すれば、ある程度はわかると思うのよ。一回目は緊張して気を遣って、二回目は少し緊張も解けて本性もちょっと見えて、三回目で安心しきって気を抜いて本性が出る」
「なるほど……」
「それにしても、二葉が忘れられないくらい良い男だったのねぇ……副島さんって」
真っ赤になる二葉を見ながら、美玲はニヤニヤしながらからかう。それを振り払うかのように、二葉は彩花の方を見た。
「あ、彩花はその人のことをどう思ってるの? なんかさっきのだと、客観的な彼の印象にしか聞こえなかったから」
「えっ……どうって……そうだな……。いろいろ気付いてくれる。私が困っていると、さりげなく助けてくれたり。何も言わなくても伝わったりするのは楽かも」
「ふーん……その彼、彩花のことをよく見てくれているんだね〜」
彩花はしばらく黙った後、照れ隠しのように下を向いた。
そして全員の意見を精査し、自分なりの答えを導き出す。
「よし、とりあえずお試しで付き合ってみる。で、三回デートしてみて、結論を出す!」
彩花の決意を聞くと、四人は笑顔でグラスを合わせた。
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