カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
episode 1 入籍は突然に
結婚して一人前。
今ではそんな言葉を口にすることを躊躇う時代だが、それでもやはり年配の方々はそう思うだろう。
結婚して家族を支えてこそ、男として一人前とみなされるなんて話は少なくない。
「なんだかんだで男は家庭を持ってこそって空気あってさ。これでようやく大きな仕事も任せられるな、なんてことも言われてさ。なのにこんなことってないよね。俺の男としての信用も会社での立場も丸潰れだよ」
蒼空から以前貰った名刺に、確かCEOと書いてあったような気がする。
「独立して代表になって、これから社員たちを養っていかなきゃいけないって時にこんなことになるなんて。これで信用を失ったら、会社も社員もどうなるか……」
大きなものを背負っているのであろう蒼空の背中に、私は後ろからそっと手を当てた。
これから蒼空はどうなってしまうんだろう。
人のせいで信用を失って全てをなくしてしまう可能性もあるだなんて、そんなの理不尽すぎる。
何とかしてあげたいと切に願っても何もできない自分に憤りを感じてしまった。
「ごめんね、こんなこと話して。由華ちゃんには関係ない話なのに」
ふわりと切なく優しい笑顔を向けられて、私は思い切り頭を振った。
「そんなことない。蒼空の不安な気持ちは痛いほどわかるよ」
気持ちを理解してあげることはできないけれど、蒼空の言わんとしていることはわかる。
「私にできることがあればなんでも言って。必ず力になるから」
蒼空のために協力できることはしたいという心からの気持ちを、私は口にしてしまった。
今ではそんな言葉を口にすることを躊躇う時代だが、それでもやはり年配の方々はそう思うだろう。
結婚して家族を支えてこそ、男として一人前とみなされるなんて話は少なくない。
「なんだかんだで男は家庭を持ってこそって空気あってさ。これでようやく大きな仕事も任せられるな、なんてことも言われてさ。なのにこんなことってないよね。俺の男としての信用も会社での立場も丸潰れだよ」
蒼空から以前貰った名刺に、確かCEOと書いてあったような気がする。
「独立して代表になって、これから社員たちを養っていかなきゃいけないって時にこんなことになるなんて。これで信用を失ったら、会社も社員もどうなるか……」
大きなものを背負っているのであろう蒼空の背中に、私は後ろからそっと手を当てた。
これから蒼空はどうなってしまうんだろう。
人のせいで信用を失って全てをなくしてしまう可能性もあるだなんて、そんなの理不尽すぎる。
何とかしてあげたいと切に願っても何もできない自分に憤りを感じてしまった。
「ごめんね、こんなこと話して。由華ちゃんには関係ない話なのに」
ふわりと切なく優しい笑顔を向けられて、私は思い切り頭を振った。
「そんなことない。蒼空の不安な気持ちは痛いほどわかるよ」
気持ちを理解してあげることはできないけれど、蒼空の言わんとしていることはわかる。
「私にできることがあればなんでも言って。必ず力になるから」
蒼空のために協力できることはしたいという心からの気持ちを、私は口にしてしまった。
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