カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
episode 1 入籍は突然に
「それでは宜しくお願いします」
先ほどまでと打って変わって笑顔を見せなくなってしまった吉崎様が、私と視線も合わせず帰る間際にそう言った。
「はい、お任せくださいませ。素敵なお式にさせていただきます」
このうえないほどの笑顔を返してそう言ったのだが、私に笑顔を返してくれたのは蒼空だった。
蒼空に背を向けて歩き出した吉崎様を追うように促しながら「では当日に……」とこの場をやり過ごそうとしたのだが、そんな私の心情を知ってか知らずか、蒼空は私との距離を縮めてくる。
「由華ちゃん、あのさ……」
「なんでしょう……」
一歩後退りをしながら顔を引きつらせると、蒼空は不満そうに眉を寄せた。
「この間、名刺渡したよね?どうして連絡してくれないの?」
「どうしてと言われましても。私共は新郎様に直接個人的なお電話は致しませんので」
「新郎様じゃなくて、俺にだよ。俺と由華ちゃんの間には、個人的な繋がりがあるでしょ?由華ちゃんの連絡先が分からない以上、俺は由香ちゃんからの連絡を待つことしかできなかったわけ。毎日毎日由華ちゃんからの連絡を待ち続ける寂しさ、わかる?」
そんな理不尽なことを強気で言われても、私にはどうすることもできない。
結婚する立場でありながら、そんなに距離を縮められようとされたって困るってもんだ。
「月城様、本日はお忙しい中足を運んでくださってありがとうございました。当日は素敵なお式になりますよう、精一杯やらせていただきますのでご安心ください」
蒼空に一切の言葉を挟ませることなく、私は深々とお辞儀をして丁寧にその場を後にした。
先ほどまでと打って変わって笑顔を見せなくなってしまった吉崎様が、私と視線も合わせず帰る間際にそう言った。
「はい、お任せくださいませ。素敵なお式にさせていただきます」
このうえないほどの笑顔を返してそう言ったのだが、私に笑顔を返してくれたのは蒼空だった。
蒼空に背を向けて歩き出した吉崎様を追うように促しながら「では当日に……」とこの場をやり過ごそうとしたのだが、そんな私の心情を知ってか知らずか、蒼空は私との距離を縮めてくる。
「由華ちゃん、あのさ……」
「なんでしょう……」
一歩後退りをしながら顔を引きつらせると、蒼空は不満そうに眉を寄せた。
「この間、名刺渡したよね?どうして連絡してくれないの?」
「どうしてと言われましても。私共は新郎様に直接個人的なお電話は致しませんので」
「新郎様じゃなくて、俺にだよ。俺と由華ちゃんの間には、個人的な繋がりがあるでしょ?由華ちゃんの連絡先が分からない以上、俺は由香ちゃんからの連絡を待つことしかできなかったわけ。毎日毎日由華ちゃんからの連絡を待ち続ける寂しさ、わかる?」
そんな理不尽なことを強気で言われても、私にはどうすることもできない。
結婚する立場でありながら、そんなに距離を縮められようとされたって困るってもんだ。
「月城様、本日はお忙しい中足を運んでくださってありがとうございました。当日は素敵なお式になりますよう、精一杯やらせていただきますのでご安心ください」
蒼空に一切の言葉を挟ませることなく、私は深々とお辞儀をして丁寧にその場を後にした。
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