カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
episode 1 入籍は突然に
今まで過ごしてきた中で、蒼空とは一度もコンタクトを取ったことがない。
二十歳の時に小学校の同窓会があったけれど、私は顧客の結婚式と重なっていて、参加することができなかった。
それなのになぜ今になってこんな形で関りを持たなくてはならないのか。
「男はなんだかんだ言って過去に囚われやすいらしいわよ。初恋とか元カノとか、いろいろ引きずるのは男が多いって統計もあるらしいし」
「そんなんじゃないと思うんだけどな」
「これも本人じゃないとわからないことだから、あくまでも一般論だけどね。一つだけわかったことは、新郎様はこの結婚を自分で望んでるわけじゃないってことかな」
「やっぱりそう思う?」
「間違いないと思うよ」
杏は大きく頷いて力強く私を見つめた。
最初に会った時から、小さな違和感を感じてはいたんだ。
その後吉崎様と二人での打ち合わせの時も、本当に二人のお式なのかと思うほど、蒼空のことは置き去りで、蒼空自身もどこか他人事だと思っていたのか、二人での参加はなかった。
吉崎様は蒼空と結婚するというよりは、結婚と結婚するというか……。
結婚を最終ゴールと考え、そこに辿り着くためだけに結婚を選択しているような気がするし、蒼空にいたっては、まるでこの結婚自体どうなってもかまわないとさえ感じる。
「いろんなお客様の幸せお手伝いをしてきた身としては、とっても不本意なのよね。結婚って恋のゴールで愛のスタートだと思うのよ。それなのにあの二人は完全にこの結婚が全てのゴールみたいに感じて、少し寂しいんだぁ」
あの二人からは、幸せオーラが微塵も出ていないという事実に溜め息が漏れた。
二十歳の時に小学校の同窓会があったけれど、私は顧客の結婚式と重なっていて、参加することができなかった。
それなのになぜ今になってこんな形で関りを持たなくてはならないのか。
「男はなんだかんだ言って過去に囚われやすいらしいわよ。初恋とか元カノとか、いろいろ引きずるのは男が多いって統計もあるらしいし」
「そんなんじゃないと思うんだけどな」
「これも本人じゃないとわからないことだから、あくまでも一般論だけどね。一つだけわかったことは、新郎様はこの結婚を自分で望んでるわけじゃないってことかな」
「やっぱりそう思う?」
「間違いないと思うよ」
杏は大きく頷いて力強く私を見つめた。
最初に会った時から、小さな違和感を感じてはいたんだ。
その後吉崎様と二人での打ち合わせの時も、本当に二人のお式なのかと思うほど、蒼空のことは置き去りで、蒼空自身もどこか他人事だと思っていたのか、二人での参加はなかった。
吉崎様は蒼空と結婚するというよりは、結婚と結婚するというか……。
結婚を最終ゴールと考え、そこに辿り着くためだけに結婚を選択しているような気がするし、蒼空にいたっては、まるでこの結婚自体どうなってもかまわないとさえ感じる。
「いろんなお客様の幸せお手伝いをしてきた身としては、とっても不本意なのよね。結婚って恋のゴールで愛のスタートだと思うのよ。それなのにあの二人は完全にこの結婚が全てのゴールみたいに感じて、少し寂しいんだぁ」
あの二人からは、幸せオーラが微塵も出ていないという事実に溜め息が漏れた。
コメント