だらだらとした映画語り

因幡雄介@B級映画紹介

『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』  宇宙の色は何色なのか?【70点】



【あらすじ】



 恐怖小説やSF小説の先駆者H・P・ラブクラフトの「ザ・カラー・アウト・オブ・スペース(宇宙からの色/異次元の色彩)」をニコラス・ケイジ主演で映画化したSFホラー。

 ネイサン・ガードナーと妻のテレサは子どもたちとともに大都会の喧噪から逃れるため、閑静な田舎に移住してきた。

 しかし、前庭に隕石が激突して以来、一家の生活は心と体に影響を及ぼす地球外変異体との戦いに明け暮れ、理想としていた静かな田舎暮らしは悪夢へと変わってしまう。

 ケイジがネイサン役を演じるほか、ネイサンの妻テレサ役を「レッド・スパロー」のジョエリー・リチャードソン、長女ラヴィニア役を「ビッグ・アイズ」「好きだった君へ P.S.まだ大好きです」のマデリン・アーサーがそれぞれ演じる。

 監督は「ハードウェア」「ダスト・デビル」のリチャード・スタンリー。



【因幡さんの映画語り】



 ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとは、アメリカ最大の怪奇小説家である。

 宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)を生み出し、熱狂的な信者もいる。

 本編には『ネクロノミコン』が何度も出てくるが、そのことをあらわしている。

 ラヴクラフトお得意の『壊れゆく日常』が始まる。

 日本のポスターでは『狂気の始まり!』とコメディっぽくしているが、ガチのホラーである。

 

 父親であるネイサンは妻、長女、長男、次男と、都会から出て田舎に暮らしていた。

 田舎暮らしにとまどいつつも、慎ましく、幸せな日々を送っていた。

 だが、隕石が落ちたことにより、日常が一変する。

 色が家族を狂気へと誘っていく・・・。

 

 この映画はラヴクラフトの『宇宙からの色』を原作としている。

 ラヴクラフトといえばクリーチャーである。

 もちろん、この作品にも出てくる。

 概ね原作どおりで、「錯乱する人々の目に深い淵を見せるのだ」は哀愁をただよわせている。

 ラストは膨大な宇宙エネルギーの電波の波が視聴者に押し寄せ、真っ白に燃え尽きるので注意されたし。

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