だらだらとした映画語り

因幡雄介@B級映画紹介

『チャイルド・プレイ』 AIの暴走にしちゃったのね【50点】

【あらすじ】



 かわいらしい見た目とは裏腹に残忍な殺人を繰り返す恐怖の人形チャッキーを描き、1988年の第1作以降、計7作品が製作されてきた人気ホラーシリーズ「チャイルド・プレイ」をリブート。

 引越し先で友達のいない少年アンディは、誕生日に母親から人形をプレゼントされる。その人形には、音声認識センサーや高解像度画像認識機能などが備えられ、スマートフォンアプリと連携して操作も可能という、最先端の技術が盛り込まれていた。

 人形をチャッキーと名づけて一緒に暮らし始めたアンディだったが、次第に周辺で異変が起こり始めて……。

 チャッキーの声を、「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルが担当した。

 大ヒットホラー「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」を手がけたプロデューサーのセス・グラハム=スミスとデビッド・カッツェンバーグが製作。



【因幡さんの映画語り】



 恐怖の人形が襲ってくる、チャッキ―のリブート版。

 リブートとは、『再起動』の意味で、今までのシリーズの設定を捨てて、新しく作るという意味がある。

 今回のチャッキーは殺人鬼の魂が乗り移るのではなく、AIの歯止めがきかず、暴走という形になっている。

 設定も現代ふうになっていた。

 

 カスラン社はAIを活用したバディ人形の製作に成功し、世間を賑わせていた。

 場面は変わって人形の製造工場であるタイで、仕事に不満を募らせた従業員が、AIのシステムを書き換えてしまう。

 母子家庭のアンディは、母親の彼氏であるショーンのことが嫌いで、孤独な毎日を送っていた。

 ある日、母親が返品されたバディ人形を持ち帰り、アンディは人形を『チャッキー』と名付ける。

 最初はポンコツっぷりを発揮していたチャッキーだったが、次第に不気味な行動を取り始め・・・。

 

 チャッキーシリーズを知っている人なら、不満な内容になっているかもしれない。

 チャッキーのステレス攻撃は健在。

 残虐描写もある。

 だが、チャッキーがAIという設定上、どこかマヌケで、怖さがない。

 殺人鬼の魂が乗り移ったバージョンのチャッキーは、感情豊かで狡猾、愛くるしい表情から狂気の顔芸にシフトしたときは、心臓が飛び上がったものだ。

 しかし、AIバージョンのチャッキーは、ただ「親友」という単語にこだわった暴走人形で、無機物の域を脱することができなかった。

 ホラー映画『IT』でも感じたのだが、ヒットするホラー映画は、少年少女の冒険ものという形になりつつあるのかもしれない。

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