天壌無窮の守人
第六幕 四話 惨憺たる敗北に添える笑み
視界が真っ白に染まり耳鳴りがする、どうなったのかは確認できないが恐らくうまくいったのだろうと推測することが出来る。しかしここであのブレスレットを失ったのは大変残念である、代用品になるようなものもない。
しかし気にしているのもここまでだ、視界が元に戻ればまたCcと戦う羽目になるだろう。その時に勝てるビジョンが全く見えないまま戦わなければならない、そのためどうにかして脱出する作戦を建てなければならない。最悪龍少女に関しては置いていっても問題はないだろう、ノックに関してもそろそろ撃たれた肩も修復されてきているだろう。
視界が徐々に戻っていく、周りを見渡しCcの位置を確認するのだが一切気配と影が見当たらない。どこかに隠れられたのだろうか、薄暗いこの部屋だとどうしても見つけにくいのが難点である。
部屋の隅々まで見渡すもやはりCcの姿が見当たらない。ここから出ていったのだろうか、いくら装置を壊されたとはいえこちらを仕留めなければいけないはず。そう考えていると
「ノス!大丈夫か!」
ノックが肩を抑えながら駆け寄ってくる。
「あぁ大丈夫だ、お前こそ撃たれたんだろ。そろそろ治ったのか?」
「いや、それなんだがな…」
そういい撃たれた箇所を見せてくるノック、その撃たれた場所は思っていた以上に治りが遅かったのである。
「なんでだ…?」
「それなんだがな、あの弾ちょっと特殊な弾っぽくてこちらの体内に流れる力を傷つけるように細工されてたんだ…それでこの状態にな…」
やはりあの研究員はただの研究員ではないようだ、不死蝶からの情報があったとはいえここまで対第3世代の特殊な武具を揃えられるのは並大抵の研究員では無理ではないのだろうかと考えられる。
そして問題なのが脱出経路だ。この研究所は地下にあるため今までの様に壁を壊してそのまま外へ、なんてことは出来ない。となると必然的に龍少女を起こすしかなく…近くまで寄っていき頬をぺちぺちとひっぱたく。
「おい、起きろ」
「う…ん、はっ!?店長遅れたアル!」
「寝ぼけてる場合じゃないぞ…?」
もう一度頭をぺしっと叩き覚醒を促す。それからもう一度部屋内を警戒しながらぐるっと回り本当にいなくなっているかを確かめる、結果は誰もいなかったので移動を開始する、ノックの力は残り3発分は残っているものの肩をやられているため俊敏に動くことは難しいだろう。となるとスニーキングで移動するしかない、龍少女に案内を頼み脱出を試みるのだった。
通路を歩いているとある人物がいる、Ccだ。どうやら誰かと通信を取っているらしい。
『一体どういう事だ、あと少しだっただろう吾蔵研究員?』
相手はどうやら吾蔵研究員らしい。
〚そうもいかない、数十秒前から各国の休火山が一斉に活性化したとの報告が入った。我々の研究所の近くにもあるだろう?何かしら対処をしなければ丸焦げだ〛
『防げるくせに何を言う』
〚しょうがないだろう?私だけでは人員不足なんだ〛
隣を通るここの研究員は皆いぶかしげな顔をして通っていく、パワードスーツに身を纏い通路を歩いている人物がいたらそれはそうなるだろう。
『で?どう落とし前を付ける気だ?』
〚その時は私たちで全力で相手をしなければいけないな、最悪の場合はあれを持ってくるつもりではいる〛
『あれを使うのか…?あれこそ一番狙われるものではないのか…』
そうしてCcは数秒後突如空中に現れた時空が歪み、割れた先に入っていくのであった。
一方そのころ一悶着はあったものの無事研究所から脱出することが出来たノス一行。脱出する際、龍少女がトラップに引っかかりまくりで本気で置いていこうとも考えたほどである。
「あー、疲れたアル」
などと言っているため本気でしばいた方がいいか考えているとノックが近づいてきた。
「ノス次の目標はどこなんだ?」
「次か…次で最後だ、最後は日本にある研究所だ。…そこで全てを終わらせる」
そう言うノスの顔はどこか暗く、しかしほくそ笑んでいるようにも思えるようにも見えた。その顔を見た二人は少し寒気すら感じたほどであった。
くるりと龍少女の方へ向き歩み寄る、びくっとしたものの龍少女は頭の上に?を浮かべている。
「そういえば龍少女、お前のことは何て呼べばいいんだ?今のままじゃ長ったらしいだろ?」
「そうアルカ?なら名前から取ってミリーって呼ぶアル」
「そうか、ならミリー。これから先短いとは思うがよろしく頼む」
「了解アル!」
そうして握手を交わし最後の目的地日本へ様々な話をしながら移動し始めるのであった。
日本国内某研究所にて
???「で?どうするんだこれ」
???「どーするの?」
吾蔵研究員「兎月、只野お前たち二人は彼女たちの護衛を頼む。まぁいらないとは思うが何かあってからでは彼に顔が立たない。Ccは私と一緒に来てもらう」
兎月・只野「了解」「はーい」
それぞれ兎月、只野と呼ばれた男女が返事をした後その部屋から出ていった。
Cc『次は確実に仕留めるぞ?何があってもだ』
吾蔵研究員「…分かっているさ」
最後の戦いまで残り少し。
しかし気にしているのもここまでだ、視界が元に戻ればまたCcと戦う羽目になるだろう。その時に勝てるビジョンが全く見えないまま戦わなければならない、そのためどうにかして脱出する作戦を建てなければならない。最悪龍少女に関しては置いていっても問題はないだろう、ノックに関してもそろそろ撃たれた肩も修復されてきているだろう。
視界が徐々に戻っていく、周りを見渡しCcの位置を確認するのだが一切気配と影が見当たらない。どこかに隠れられたのだろうか、薄暗いこの部屋だとどうしても見つけにくいのが難点である。
部屋の隅々まで見渡すもやはりCcの姿が見当たらない。ここから出ていったのだろうか、いくら装置を壊されたとはいえこちらを仕留めなければいけないはず。そう考えていると
「ノス!大丈夫か!」
ノックが肩を抑えながら駆け寄ってくる。
「あぁ大丈夫だ、お前こそ撃たれたんだろ。そろそろ治ったのか?」
「いや、それなんだがな…」
そういい撃たれた箇所を見せてくるノック、その撃たれた場所は思っていた以上に治りが遅かったのである。
「なんでだ…?」
「それなんだがな、あの弾ちょっと特殊な弾っぽくてこちらの体内に流れる力を傷つけるように細工されてたんだ…それでこの状態にな…」
やはりあの研究員はただの研究員ではないようだ、不死蝶からの情報があったとはいえここまで対第3世代の特殊な武具を揃えられるのは並大抵の研究員では無理ではないのだろうかと考えられる。
そして問題なのが脱出経路だ。この研究所は地下にあるため今までの様に壁を壊してそのまま外へ、なんてことは出来ない。となると必然的に龍少女を起こすしかなく…近くまで寄っていき頬をぺちぺちとひっぱたく。
「おい、起きろ」
「う…ん、はっ!?店長遅れたアル!」
「寝ぼけてる場合じゃないぞ…?」
もう一度頭をぺしっと叩き覚醒を促す。それからもう一度部屋内を警戒しながらぐるっと回り本当にいなくなっているかを確かめる、結果は誰もいなかったので移動を開始する、ノックの力は残り3発分は残っているものの肩をやられているため俊敏に動くことは難しいだろう。となるとスニーキングで移動するしかない、龍少女に案内を頼み脱出を試みるのだった。
通路を歩いているとある人物がいる、Ccだ。どうやら誰かと通信を取っているらしい。
『一体どういう事だ、あと少しだっただろう吾蔵研究員?』
相手はどうやら吾蔵研究員らしい。
〚そうもいかない、数十秒前から各国の休火山が一斉に活性化したとの報告が入った。我々の研究所の近くにもあるだろう?何かしら対処をしなければ丸焦げだ〛
『防げるくせに何を言う』
〚しょうがないだろう?私だけでは人員不足なんだ〛
隣を通るここの研究員は皆いぶかしげな顔をして通っていく、パワードスーツに身を纏い通路を歩いている人物がいたらそれはそうなるだろう。
『で?どう落とし前を付ける気だ?』
〚その時は私たちで全力で相手をしなければいけないな、最悪の場合はあれを持ってくるつもりではいる〛
『あれを使うのか…?あれこそ一番狙われるものではないのか…』
そうしてCcは数秒後突如空中に現れた時空が歪み、割れた先に入っていくのであった。
一方そのころ一悶着はあったものの無事研究所から脱出することが出来たノス一行。脱出する際、龍少女がトラップに引っかかりまくりで本気で置いていこうとも考えたほどである。
「あー、疲れたアル」
などと言っているため本気でしばいた方がいいか考えているとノックが近づいてきた。
「ノス次の目標はどこなんだ?」
「次か…次で最後だ、最後は日本にある研究所だ。…そこで全てを終わらせる」
そう言うノスの顔はどこか暗く、しかしほくそ笑んでいるようにも思えるようにも見えた。その顔を見た二人は少し寒気すら感じたほどであった。
くるりと龍少女の方へ向き歩み寄る、びくっとしたものの龍少女は頭の上に?を浮かべている。
「そういえば龍少女、お前のことは何て呼べばいいんだ?今のままじゃ長ったらしいだろ?」
「そうアルカ?なら名前から取ってミリーって呼ぶアル」
「そうか、ならミリー。これから先短いとは思うがよろしく頼む」
「了解アル!」
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