天壌無窮の守人
第三幕 三話 あの日見たはずの紅い彗星
動こうとするそぶりを見せればすぐに銃弾が飛んでくる。出ようにも出れない状況が先ほどから数分も続いている。
「くっ、動こうにも動けないな…」
などとノスは悪態を付くが状況は全く一転することは無い、ノックの力を借りたいところだが制限もあるためそう頻繁に使うこともできない。また、研究棟に入り込むためには双紅がいる場所を通り抜けなければならないためどうにかして倒さなければならないだろう。
「ノス、どうするんだ?そのバッグには何か入ってないのか?」
双紅の方向を警戒しながらそうノックが語りかけてくる。
「そういやそうだな…なんかなかったっけ?」
中に入ってたのは…雑貨や一般人が見ただけでは使用用途が分からないであろう機器がいくつか入っていた。その中からノスが取りだしたのは綺麗なガラス状の物質でできた淡い光を放っているブレスレットだった、そのブレスレットを手にはめ。
「目的物と近いとあまりうまく作動してくれないから不安が残るんだが、そうも言ってられない状況だ。ノック今から5m先ほどに転移するそのタイミングで奴を狙えるか?」
と問うと、
「思い切り吹っ飛ばしていいなら簡単に狙えるが局所的に狙うのは慣れてないんだよなぁ…やれるだけやってみることになるがいいか?」
少し頼りげが無いものの返事は帰ってきた。
「問題ない、とりあえず当てさえすれば機動力は削げるだろう…3秒数えたら行くぞ?3…2…1…GO!」
と二人が飛び出したその瞬間目の前に時空が裂けガラス状のものがいくつも現れる。そこに突っ込んで言った瞬間、先ほどいた場所から6mほど離れていた場所へと移動していた。ノックは多少驚いていたもののすぐに気を取り直して双紅の方へと手のひらを向ける
「どらああああぁぁぁぁぁぁ!!」
と、威勢の良い雄たけびとともに収束したエネルギーが双紅の元まで一直線へと飛んでいく、双紅は一瞬あっけにとられたようだったがすぐに回避行動へと移ったのだが…その行動は少し遅かった。
左腕を丸々持っていかれ軽く吹っ飛ばされ宙へと舞う。だがそこから体をきりもみ回転させながら地面へと着地しこちらに指先を向けていた、その目は紅く爛々と燃えているかのようで見たものを委縮させるほどの気迫をまとっていた。
すぐに二人はその場から動き、各々近くの遮蔽物へと身を隠す。今回は何とか当たる前に隠れることが出来たのだが…双紅の動きが少しおかしいのである。まるで四足歩行をするような体制に…と思った瞬間双紅はノックの隣まで移動していた。先ほどまで双紅がいた場所からノックの場所までは紅い軌跡と煙が上がっていた。
「「!?」」
2人が驚くものの束の間双紅は手を振り上げ、ノックを襲わんとした瞬間ノスのブレスレットが発光。ノスは急いで手を双紅の方へと向けその力を発揮させた。ドゴン!と地面にものすごい質量がたたきつけられた音がする。それはノックから8mほど離れた場所にいた双紅が手を振り下ろした音だった。
「なんつー威力だ、当たったらぺしゃんこだぞ!?ありがとなノス!!」
とノックからお礼の言葉が飛んでくる。あの様子を見るに先ほどのノックの一撃はそれなりにダメージを与えていたらしい、それはいいのだが先ほどのような攻撃が何度もされようものなら避けることはほぼ厳しいだろう。
急いでノックの元へと近づき双紅の様子を見るどうやら腕が地面に埋まったらしく引き抜いている最中だった。
「ノック、俺に考えがあるんだがいいか?…どうだ?」
「ほう、いいなやってやろう!」
先ほどから続く双紅の猛攻撃を何とか紙一重のタイミングでかわし続け、再びパイプが乱立し走っている場所へと逃げ込むことに成功した。
「さて…ここからだ」
先ほどの攻撃を避けていてわかったのが双紅はノスの方を主に狙ってきており、ノックの方は全然狙ってきていなかった。そこで気づいたのだが肩を小突かれたと感じた時があったと思う、その時に何かしかけられたのではないかと、マーキングできる何かを仕掛けられたのではないかという可能性がノックと話し合った中で出た答えだった。
ならばそれを使ってやればいい、急いでよりパイプが混雑している方向へと走る。ここを抜けると多少空いたスペースがあるのだが予想通りに行けば…と走りながら考えているところに前方から双紅が現れる。
「うおっ!」
またも間一髪のところで双紅の攻撃をブレスレットの力を使い離れた場所まで避ける、そしてよけられた攻撃の行き先は多重のパイプが折り重なった場所。そのままぶつかり轟音とともに周りのパイプがあちこちから重音を響かせながら双紅めがけて倒れてくる、そうして双紅はパイプの檻にがん柄締めとなったのだ。
「いまだノック!」
「おうともよ!」
ノックは倒れたパイプの山に乗りその足を大きく振り上げた
「ぬんっ!」
振り下ろされた足からエネルギーをまとった衝撃波が施設全体、いや周辺地域にまで大きく伝わるほどであった。
ノックは急いでその場から離れ応急処置を施し始めた、ノスは急いでノックが先ほどまでいた場所へと向かっていった。
双紅は…いた。さすがに満身創痍だろう、ノックの全力ともいえる一撃を喰らったのだ、肩で息をしている。体全体も薄く発光しており残っている足や手は変な方向へと曲がってしまっている、そんな双紅の元へと近づいて行った。
バックから取り出したのは…前にも使おうとしたナイフ、それを左脇腹へと向ける。
「…殺すのか」
とはじめて双紅の声を聞くことが出来た
「あぁ、これでもあんたらの敵なんだ。こうしないわけにはいかない」
「…そうか……………はっ、それも…そうだ」
息も絶え絶えに話す双紅、ふと気になったことがあって聞いておいた
「名前は?私の名前はノスだ」
「…………名前?聞いて何になる……………まあいいルビーコ・メットだ…覚えておくといいさ………ぃ……見たかったなぁ」
名前を聞き終わった何かを言ったようだがノスその刃を左脇腹へと差し込み彼女は、メットはゆっくりと目を閉じたのであった。
「ノス、終わったか…ん?それはコアか、なんで持ってきたんだ?正直言って奴も俺もお前も生きるか死ぬかの世界に生きてるんだ、同情とかしてると簡単に死ぬぞ」
そう、ノスの手には紅く宝石のような球体が筒の中に入っている物を持っていた。
「別にそういうわけじゃあない。これに入れておけばコアのまま置いておくことはできる。力さえ注ぎ込まれなければいいだけさ」
何故かノスは彼女の心臓であるコアを取り出し持ち帰ってきたのだ、その理由はノックにも伝えられぬままバックの中へと収められた。ますます訳が分からないという顔をするノックにノスは語りかける。
「ほれ、早くいかないと研究員たちに双紅が倒されたと勘づかれる。さっさと壊しに行くぞ」
「お、おう」
そう言い二人は研究棟内へと消えていったのであった。
私が生まれた日空には真っ赤な、いや紅色の彗星が見えていたそうだ。町中ではこの世界の終わりなんじゃないかって騒がれてたっけ…。その彗星の紅さは産まれたばかりの私には見えてはいなかったんだろうけどその方向へと手を伸ばしていたらしい。
私は物心ついたときにそんな話を聞いた、その話を聞いた時私は一度は見たであろう彗星を見たかった。だが次に訪れるのは146年後らしい、生きていられるわけがない。
そんな時特別な手術の実験が受けられると聞いた、その手術を受ければ寿命が大幅に伸びるらしい、反抗期を迎えていた私は親に無断で家を飛び出してその手術を受けることにした。そして…成功した、それから先は人に言えないようなことばかりしたがあの彗星を見るためだ。しょうがないと割り切って働いた、あの日見たはずの紅い彗星見るまであと123年だ、今日も星が綺麗である。
「くっ、動こうにも動けないな…」
などとノスは悪態を付くが状況は全く一転することは無い、ノックの力を借りたいところだが制限もあるためそう頻繁に使うこともできない。また、研究棟に入り込むためには双紅がいる場所を通り抜けなければならないためどうにかして倒さなければならないだろう。
「ノス、どうするんだ?そのバッグには何か入ってないのか?」
双紅の方向を警戒しながらそうノックが語りかけてくる。
「そういやそうだな…なんかなかったっけ?」
中に入ってたのは…雑貨や一般人が見ただけでは使用用途が分からないであろう機器がいくつか入っていた。その中からノスが取りだしたのは綺麗なガラス状の物質でできた淡い光を放っているブレスレットだった、そのブレスレットを手にはめ。
「目的物と近いとあまりうまく作動してくれないから不安が残るんだが、そうも言ってられない状況だ。ノック今から5m先ほどに転移するそのタイミングで奴を狙えるか?」
と問うと、
「思い切り吹っ飛ばしていいなら簡単に狙えるが局所的に狙うのは慣れてないんだよなぁ…やれるだけやってみることになるがいいか?」
少し頼りげが無いものの返事は帰ってきた。
「問題ない、とりあえず当てさえすれば機動力は削げるだろう…3秒数えたら行くぞ?3…2…1…GO!」
と二人が飛び出したその瞬間目の前に時空が裂けガラス状のものがいくつも現れる。そこに突っ込んで言った瞬間、先ほどいた場所から6mほど離れていた場所へと移動していた。ノックは多少驚いていたもののすぐに気を取り直して双紅の方へと手のひらを向ける
「どらああああぁぁぁぁぁぁ!!」
と、威勢の良い雄たけびとともに収束したエネルギーが双紅の元まで一直線へと飛んでいく、双紅は一瞬あっけにとられたようだったがすぐに回避行動へと移ったのだが…その行動は少し遅かった。
左腕を丸々持っていかれ軽く吹っ飛ばされ宙へと舞う。だがそこから体をきりもみ回転させながら地面へと着地しこちらに指先を向けていた、その目は紅く爛々と燃えているかのようで見たものを委縮させるほどの気迫をまとっていた。
すぐに二人はその場から動き、各々近くの遮蔽物へと身を隠す。今回は何とか当たる前に隠れることが出来たのだが…双紅の動きが少しおかしいのである。まるで四足歩行をするような体制に…と思った瞬間双紅はノックの隣まで移動していた。先ほどまで双紅がいた場所からノックの場所までは紅い軌跡と煙が上がっていた。
「「!?」」
2人が驚くものの束の間双紅は手を振り上げ、ノックを襲わんとした瞬間ノスのブレスレットが発光。ノスは急いで手を双紅の方へと向けその力を発揮させた。ドゴン!と地面にものすごい質量がたたきつけられた音がする。それはノックから8mほど離れた場所にいた双紅が手を振り下ろした音だった。
「なんつー威力だ、当たったらぺしゃんこだぞ!?ありがとなノス!!」
とノックからお礼の言葉が飛んでくる。あの様子を見るに先ほどのノックの一撃はそれなりにダメージを与えていたらしい、それはいいのだが先ほどのような攻撃が何度もされようものなら避けることはほぼ厳しいだろう。
急いでノックの元へと近づき双紅の様子を見るどうやら腕が地面に埋まったらしく引き抜いている最中だった。
「ノック、俺に考えがあるんだがいいか?…どうだ?」
「ほう、いいなやってやろう!」
先ほどから続く双紅の猛攻撃を何とか紙一重のタイミングでかわし続け、再びパイプが乱立し走っている場所へと逃げ込むことに成功した。
「さて…ここからだ」
先ほどの攻撃を避けていてわかったのが双紅はノスの方を主に狙ってきており、ノックの方は全然狙ってきていなかった。そこで気づいたのだが肩を小突かれたと感じた時があったと思う、その時に何かしかけられたのではないかと、マーキングできる何かを仕掛けられたのではないかという可能性がノックと話し合った中で出た答えだった。
ならばそれを使ってやればいい、急いでよりパイプが混雑している方向へと走る。ここを抜けると多少空いたスペースがあるのだが予想通りに行けば…と走りながら考えているところに前方から双紅が現れる。
「うおっ!」
またも間一髪のところで双紅の攻撃をブレスレットの力を使い離れた場所まで避ける、そしてよけられた攻撃の行き先は多重のパイプが折り重なった場所。そのままぶつかり轟音とともに周りのパイプがあちこちから重音を響かせながら双紅めがけて倒れてくる、そうして双紅はパイプの檻にがん柄締めとなったのだ。
「いまだノック!」
「おうともよ!」
ノックは倒れたパイプの山に乗りその足を大きく振り上げた
「ぬんっ!」
振り下ろされた足からエネルギーをまとった衝撃波が施設全体、いや周辺地域にまで大きく伝わるほどであった。
ノックは急いでその場から離れ応急処置を施し始めた、ノスは急いでノックが先ほどまでいた場所へと向かっていった。
双紅は…いた。さすがに満身創痍だろう、ノックの全力ともいえる一撃を喰らったのだ、肩で息をしている。体全体も薄く発光しており残っている足や手は変な方向へと曲がってしまっている、そんな双紅の元へと近づいて行った。
バックから取り出したのは…前にも使おうとしたナイフ、それを左脇腹へと向ける。
「…殺すのか」
とはじめて双紅の声を聞くことが出来た
「あぁ、これでもあんたらの敵なんだ。こうしないわけにはいかない」
「…そうか……………はっ、それも…そうだ」
息も絶え絶えに話す双紅、ふと気になったことがあって聞いておいた
「名前は?私の名前はノスだ」
「…………名前?聞いて何になる……………まあいいルビーコ・メットだ…覚えておくといいさ………ぃ……見たかったなぁ」
名前を聞き終わった何かを言ったようだがノスその刃を左脇腹へと差し込み彼女は、メットはゆっくりと目を閉じたのであった。
「ノス、終わったか…ん?それはコアか、なんで持ってきたんだ?正直言って奴も俺もお前も生きるか死ぬかの世界に生きてるんだ、同情とかしてると簡単に死ぬぞ」
そう、ノスの手には紅く宝石のような球体が筒の中に入っている物を持っていた。
「別にそういうわけじゃあない。これに入れておけばコアのまま置いておくことはできる。力さえ注ぎ込まれなければいいだけさ」
何故かノスは彼女の心臓であるコアを取り出し持ち帰ってきたのだ、その理由はノックにも伝えられぬままバックの中へと収められた。ますます訳が分からないという顔をするノックにノスは語りかける。
「ほれ、早くいかないと研究員たちに双紅が倒されたと勘づかれる。さっさと壊しに行くぞ」
「お、おう」
そう言い二人は研究棟内へと消えていったのであった。
私が生まれた日空には真っ赤な、いや紅色の彗星が見えていたそうだ。町中ではこの世界の終わりなんじゃないかって騒がれてたっけ…。その彗星の紅さは産まれたばかりの私には見えてはいなかったんだろうけどその方向へと手を伸ばしていたらしい。
私は物心ついたときにそんな話を聞いた、その話を聞いた時私は一度は見たであろう彗星を見たかった。だが次に訪れるのは146年後らしい、生きていられるわけがない。
そんな時特別な手術の実験が受けられると聞いた、その手術を受ければ寿命が大幅に伸びるらしい、反抗期を迎えていた私は親に無断で家を飛び出してその手術を受けることにした。そして…成功した、それから先は人に言えないようなことばかりしたがあの彗星を見るためだ。しょうがないと割り切って働いた、あの日見たはずの紅い彗星見るまであと123年だ、今日も星が綺麗である。
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