死の床に、エッセイの価値を、教わった。

越庭 風姿【 人は悩む。人は得る。創作で。】

あの人は理系だから……

「あの人は○○大学の△△学部出身だから……」

 こんなことを良く耳にする。

 日本人は出身大学にこだわりが強い。

 人となりを表現するために、出身大学と学部は確固たる指針になると思い込んでいる。

 でも考えてみれば、卒業して数十年経ったとしても、出身大学と学部にこだわっている人は、大学を卒業してから何も得ていないことになる。

 大学で学んだことをずっと活かし続けるのは悪くないが、大学で学んでいない分野にはまったく興味を示さず、勉強しなかったのだろうか。

「あの人は理系(文系)だから……」

 これも同様である。

 理系の学部を卒業した人はみな、科学的に物事を考えて、論理的に処理するのだろうか。

 そんなことはないはずだ。

 統計学的には、理系の人と文系の人の行動特性が見られるだろう。

 だが、ステレオタイプと化したイメージで、何でもかんでも考えていたら個人が無視されるような気がする。

 自分は文系卒だが、薬学、危険物、コンピュータ関係の資格を取った。

 もともと理系の考え方が得意なのに文系に進んだと思っている。

 だがそれが強みになった。


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