死の床に、エッセイの価値を、教わった。

越庭 風姿【 人は悩む。人は得る。創作で。】

売れるものを書くのか書く物が売れるのか

「売れるものを書くのか。書くものが売れるのか」
 これにはさまざまな意見があるだろう。
 人生観といってもいい。
 自分は、超マイペースな人間なので、自分が書きたいものを書く。
 人生観と照らしても、それが正しいはずである。
 大衆受けするものを書くと「こうあるべき」という制約が増えていく。
 これが伸びやかな表現を妨げる。
 おそらく、良い文章とされるモデルがあって、その型に近いものを良しとするのであろう。
 自分にとって、売れるとは「人に名前が売れる」に近い。
 ごく少数でもいいから、心から良かったと言ってくれるものを生み出したい。
 これはロマンチックな理想である。
 昔、自分が作ったものを、わざわざ遠くから見に来て下さった方や、医療施設から少ない外出時間を割いて見に来て下さった方がいた。
 そんなことが、大事だと思う。
 最終的には売れれば良いが、それを目的にすると作品の生命が失われる気がする。
 誰かに読んでもらいたい、と思う一方で、自分が満足しなくてはならない。
 お金の問題ではない部分と、稼がなくてはいけないという現実もある。
 そのはざまで折り合いをつけるのが作家のあり方であろう。

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