まめたくんとぬいぐるみ

はるのゆき

まめたくんとクマのぬいぐるみ

いぬのまめたくんはクマのぬいぐるみがだいすきです。

それはまめたくんのために、パパさんとママさんがはじめてかってくれた、たいせつなプレゼントなのです。

パパさんのところにもっていくと、ひっぱりっこやプロレスごっこであそんでくれます。

ママさんのところにもっていくと、かくれんぼやおいかけっこであそんでくれます。

おるすばんのときは、さみしくないようにずっととなりにいてくれます。

あるひ、ママさんがどこかへおでかけすると、しばらくおうちにもどらなくなりました。

おうちにはパパさんとまめたくんと、クマのぬいぐるみだけになってしましました。

まめたくんがいつものように、パパさんのところにクマのぬいぐるみをもっていきましたが、ひっぱりっこもプロレスごっこもしてくれません。
ママさんのように、かくれんぼやおいかけっこもしてくれません。

パパさんがとてもしんぱいそうにしていたので、まめたくんがパパさんのひざのうえにのると、パパさんはやさしくまめたくんのせなかをさすりました。

それからしばらくして、どこかにいっていたママさんが、大きなぬいぐるみのようなものをだっこしてかえってきました。

そのぬいぐるみのようなものは、なにやらもぞもぞとうごいています。

そしてたまにおおきなこえでないたりします。

ふしぎにおもったまめたくんがちかづくと、いつもパパさんとママさんは、そのぬいぐるみのようなものをだっこして、そろってべつのへやにいってしまうのです。

まめたくんはすこしさみしくなりましたが、だいすきなクマのぬいぐるみといっしょに、パパさんとママさんがもどってくるのをずっとまっていました。

あるひ、いつものようにまめたくんがクマのぬいぐるみとおへやでまっていると、もどってきたパパさんとママさんがぬいぐるみのようなものをまめたくんにみせてくれました。

そしてこういいました。

「まめたくんはおにいちゃんになったんだよ。これからはだいすきなぬいぐるみのように、あかりちゃんとなかよくしてね」

そのぬいぐるみのようなものは、あかりちゃんというなまえのおんなのこのあかちゃんだったのです。

あかりちゃんのにおいをかいだまめたくんは、パパさんのにおいとママさんのにおいにまじって、かいだことのないやさしくてすてきなにおいがして、とてもしあわせなきもちになって、しぜんとしっぽがぶんぶんとふれてしまいました。

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