俺は新(異)世界の神となる! ~そのタイトル、死亡フラグにしか見えないんで止めてもらえませんか~
第零章 第1話 召喚ですか? 降臨です!(前)
……えーっと。
俺は目の前で後光を発し、異常なほどニコニコと微笑んでいる男にとまどっていた。
軽くウェーブした髪は金粉を振りまいたようにキラキラとしていて、目鼻立ちは信じられないほど整っている。瞳は、涼やかな碧色だ。それこそ、どこのモデルだ! と言いたくなるほどだ。
あれぇ? ここ、自分の部屋だよね?
年末年始の繁忙期、年をまたいだ数日に及ぶ連泊の仕事を終えて、築二四年木造二階建てアパートに帰ってきた俺。
郵便受けに溜まっていた新聞と年賀状を手に、二階のキッチン風呂付き和室六畳の自室に入り込んで、部屋着のジャージとドテラを装備。そしてディスカウントショップで千五百円で買ってきたコタツにあたって、一大イベント、年末ジャンボ宝くじの当選番号の確認をしていたよね?
そして、宝くじを広げたコタツの天板から目を上げたら、こんな状況になってた訳だよね!?
腰から下になんともいえない暖かさを感じる。
男からゆっくりと視線を外して下を見ると、宝くじを広げたコタツの天板が目に入った。よくよく見ると、六畳間の畳もみえる。
ギギギギッ、という音がしそうな感じで左右を見まわすと、左手には見慣れた大型の本箱とその中に詰め込まれた雑多な種類の本の数々が見える。右手には見慣れた襖が……無かった。
右手の畳から続く場所には、絨毯のように浮かびあがる濃い靄が遙か地平線まで続いていた。そして、その地平線の上には透きとおるような青い空があったのだ。ついでに言うのなら、おもわず見上げた頭の上は雲ひとつない快晴だった。
男の後光に気を取られて、いままで気がつかなかったが、男の後ろの壁も無かった。
しかし、この部屋唯一の高級品である40インチの液晶テレビは、男の背後に見えていた。ちょっと安心したのは秘密だが、この状態でテレビって見れるんだろうか?
いやいやいや、そんなこと考えてる場合じゃないだろ。
外から見たら、コントの舞台上にいるような状態になってるよね? ね?!
ちょっとまて、まずは深呼吸。
スー、ハー、スー、ハー。
俺の名前は? 大和大地。
年齢は? 三二歳。
経歴は? 日本の中流家庭に生まれ、学生時代は平凡な成績で、大学も、地元の人だったらよく知っているという中級の大学を卒業した。就職した会社は中小企業の菓子製造工場。
うん、だいじょうぶだ。おかしくなったわけじゃない。
……たぶん。
俺は意を決して、さきほどから目の前で後光を発したまま、満面のニコニコを繰りだしている男に声をかけた。
「あの……、あなたは?」
「どうやら落ち着いたみたいだね~~。さすがに、ボクが見込んだだけのことはある。普通の人間だったら無闇に騒ぎ立てたりするものだけどね~~」
いえいえいえ、全然落ち着いてないですとも! ただ、現状を説明してくれそうな人が目の前のあなたしかいないだろうというだけですよ。
「いやぁ~普通はねぇ、いきなりそういう思考はできないんだよ~」
ヘッ?! ……もしかして、思考が読まれてる? 俺、口に出してなかったよね?
「もしかも何も、ボクぁ~神様だからね~。ついでに言うなら、君をここに呼んだのもボクだからね~~」
ニコニコ男は、心なしか胸を張るように言い放った。
ところどころで語尾を伸ばす口調がとても感にさわる。なんだろう、こいつけっこうウザい。
「ウザいとはひどいな~~、これでもこのラウーリ世界の主神なんだけどね~~」
いかんいかん。心が読まれていると分かっていても、反射的に考えてしまう。しかし、言っていることは文句だが、表情は相も変わらず満面の笑みのままだ。
外見年齢は二〇代前半くらい? (言うとおりなら絶対にそんな年齢ではないだろうが)先ほども説明したとおり、ありえないほどの美形だが、彼の軽い言動と雰囲気で神様というのを認めたくない俺がいます。あえて言うならチャライ神だろうか。
それに、ラウーリ世界ってことはここって異世界?
「……それで、ここはいったいどこなんですか?」
「えっ、見てわかんない? ほんとうに?」
相変わらず顔はニコニコだが、言葉の雰囲気はとっても残念な子に対しているようだ。いや、俺こそが彼にそう思うべきだと思うんだ。
「天界だけど」
いやー、それはなんとなくそうじゃないかなー、とは思ってたけどね!
最近そんな話の本を何冊か読んだことあるし。
「えー、それでは、なんでこんな状況になってるんでしょうか?」
「キミ、しばらく神様やってみない?」
「はぁッ?!」
男(自称主神)は、詳しい説明もなく爆弾発言をした。
俺は目の前で後光を発し、異常なほどニコニコと微笑んでいる男にとまどっていた。
軽くウェーブした髪は金粉を振りまいたようにキラキラとしていて、目鼻立ちは信じられないほど整っている。瞳は、涼やかな碧色だ。それこそ、どこのモデルだ! と言いたくなるほどだ。
あれぇ? ここ、自分の部屋だよね?
年末年始の繁忙期、年をまたいだ数日に及ぶ連泊の仕事を終えて、築二四年木造二階建てアパートに帰ってきた俺。
郵便受けに溜まっていた新聞と年賀状を手に、二階のキッチン風呂付き和室六畳の自室に入り込んで、部屋着のジャージとドテラを装備。そしてディスカウントショップで千五百円で買ってきたコタツにあたって、一大イベント、年末ジャンボ宝くじの当選番号の確認をしていたよね?
そして、宝くじを広げたコタツの天板から目を上げたら、こんな状況になってた訳だよね!?
腰から下になんともいえない暖かさを感じる。
男からゆっくりと視線を外して下を見ると、宝くじを広げたコタツの天板が目に入った。よくよく見ると、六畳間の畳もみえる。
ギギギギッ、という音がしそうな感じで左右を見まわすと、左手には見慣れた大型の本箱とその中に詰め込まれた雑多な種類の本の数々が見える。右手には見慣れた襖が……無かった。
右手の畳から続く場所には、絨毯のように浮かびあがる濃い靄が遙か地平線まで続いていた。そして、その地平線の上には透きとおるような青い空があったのだ。ついでに言うのなら、おもわず見上げた頭の上は雲ひとつない快晴だった。
男の後光に気を取られて、いままで気がつかなかったが、男の後ろの壁も無かった。
しかし、この部屋唯一の高級品である40インチの液晶テレビは、男の背後に見えていた。ちょっと安心したのは秘密だが、この状態でテレビって見れるんだろうか?
いやいやいや、そんなこと考えてる場合じゃないだろ。
外から見たら、コントの舞台上にいるような状態になってるよね? ね?!
ちょっとまて、まずは深呼吸。
スー、ハー、スー、ハー。
俺の名前は? 大和大地。
年齢は? 三二歳。
経歴は? 日本の中流家庭に生まれ、学生時代は平凡な成績で、大学も、地元の人だったらよく知っているという中級の大学を卒業した。就職した会社は中小企業の菓子製造工場。
うん、だいじょうぶだ。おかしくなったわけじゃない。
……たぶん。
俺は意を決して、さきほどから目の前で後光を発したまま、満面のニコニコを繰りだしている男に声をかけた。
「あの……、あなたは?」
「どうやら落ち着いたみたいだね~~。さすがに、ボクが見込んだだけのことはある。普通の人間だったら無闇に騒ぎ立てたりするものだけどね~~」
いえいえいえ、全然落ち着いてないですとも! ただ、現状を説明してくれそうな人が目の前のあなたしかいないだろうというだけですよ。
「いやぁ~普通はねぇ、いきなりそういう思考はできないんだよ~」
ヘッ?! ……もしかして、思考が読まれてる? 俺、口に出してなかったよね?
「もしかも何も、ボクぁ~神様だからね~。ついでに言うなら、君をここに呼んだのもボクだからね~~」
ニコニコ男は、心なしか胸を張るように言い放った。
ところどころで語尾を伸ばす口調がとても感にさわる。なんだろう、こいつけっこうウザい。
「ウザいとはひどいな~~、これでもこのラウーリ世界の主神なんだけどね~~」
いかんいかん。心が読まれていると分かっていても、反射的に考えてしまう。しかし、言っていることは文句だが、表情は相も変わらず満面の笑みのままだ。
外見年齢は二〇代前半くらい? (言うとおりなら絶対にそんな年齢ではないだろうが)先ほども説明したとおり、ありえないほどの美形だが、彼の軽い言動と雰囲気で神様というのを認めたくない俺がいます。あえて言うならチャライ神だろうか。
それに、ラウーリ世界ってことはここって異世界?
「……それで、ここはいったいどこなんですか?」
「えっ、見てわかんない? ほんとうに?」
相変わらず顔はニコニコだが、言葉の雰囲気はとっても残念な子に対しているようだ。いや、俺こそが彼にそう思うべきだと思うんだ。
「天界だけど」
いやー、それはなんとなくそうじゃないかなー、とは思ってたけどね!
最近そんな話の本を何冊か読んだことあるし。
「えー、それでは、なんでこんな状況になってるんでしょうか?」
「キミ、しばらく神様やってみない?」
「はぁッ?!」
男(自称主神)は、詳しい説明もなく爆弾発言をした。
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