最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第1342話 特務専門部署の選りすぐりの隊士達
現在『加護の森』の『ケイノト』側の入り口からミスズ達『妖魔退魔師』組織の者達が入り込み、対するヒュウガ一派側は『妖魔退魔師』の管理する森へと続く近くの洞穴に潜伏している最中であった。
数の上では『妖魔退魔師』側が勝り、ミスズの『特務』の面々にスオウにサシャといった『二組』の幹部達が集っている。
しかし『ヒュウガ一派』はその気になれば妖魔を使役する『式』というモノを扱う事が出来るために、単純な数であれば覆す事も可能である。
何よりこの広大な森に潜伏するヒュウガ一派は、ミスズ達の『魔力』を感知しながら作戦を立てて動く事が出来るが、対するミスズ達『妖魔退魔師』側はヒュウガ達の居場所を探るような『魔力』の使い方が出来ない。更に言えばヒュウガ一派と呼ばれる者達の多くが『中位妖魔召士』や『上位妖魔召士』である事も大きく、それぞれが個別に『結界』を張る事が出来る。
特にヒュウガが森に入ってから常時張り続けている『結界』の規模は、あのソフィが探している『エヴィ』と共に行動をしている『最上位妖魔召士』の『イダラマ』と全く同一の同規模の『結界』を誇っているために、ミスズ達とは違って『魔力』を頼りに探知する事の出来る魔族である『ヌー』や『セルバス』であっても、彼らの位置を完全に探り当てる事は不可能と言える状況であった。
これがまだ見晴らしのいい平地であるのならば話は大幅に変わるのだろうが、この森の中には昼間でも薄暗く、更には木々の間の茂みも深く、洞穴なども至る所に見えている。
こういった箇所を隠れ蓑にしている可能性もある為に妖魔退魔師は無視が出来ずに、わざわざ入って確かめる必要性もある。もし洞穴の中を見落としたり、横着して探さなければ、万が一その中から『結界』で潜伏していた妖魔召士達が、一斉に捉術を用いて襲い掛かってくれば、門前の時のように広範囲の規模の術式を仕掛けられて抵抗する前に一網打尽にされる可能性もある。
つまり面倒でも洞穴があれば足を止めて、中を調べなければならなくなり、居場所を探れない不利さ加減が明確に生じてしまうのであった。
それでも妖魔退魔師の隊士達はミスズの下した命令通りに『三人組』や『四人組』を作って、個別に周りと連携を取りながら勇敢に進んでいく。
現在彼らは『スオウ』の『二組』の隊士と『ミスズ』が作った『特務専門部署』の隊士達の間で混合編成を組んで任務を遂行中である。スオウが組長を務める『二組』は、当代になってからの妖魔退魔師の組織を常に守ってきた選りすぐりの幹部達であり、妖魔に対する対処法も数年に渡って磨き上げてきた凄腕の者達が揃っている。
そして『特務専門部署』は実績こそ、そんな『二組』の者達には敵わないにしても実力が明らかに劣っているというわけではない。
何故ならこの『特務専門部署』。通称『特務』に所属する者達は全員が妖魔退魔師の副総長に選ばれた『ミスズ』が直々に選んだ隊士達であり、隊士一人一人にミスズが指導を重ねて鍛え上げた者達である。
特に今回の重要な任務に選ばれたこの場に居る『特務』の隊士はその中でも更に実戦豊富な者達であり、あのソフィと戦った『ナギリ』や、この『二組』を束ねる組長の『スオウ』がその腕を認める程の『カヤ』隊士もこの場に姿を見せている。
他にも『特務』に居る者達はそれぞれが『対空』戦術に『地対地』戦術として白兵戦はもとより、相手が海から突然襲ってきたりした時の対処法や、あの『三組』の組長『キョウカ』が王連に対して使ってみせたような、空に居る妖魔と対抗する為に用いられた『衝撃波』を繰り出す事も可能としており、あらゆる襲撃する妖魔に対抗し得る戦闘体形から、それに於ける局所的戦術を頭と体に叩きこまれて育てられてきている。
――『組』の幹部隊士としては選ばれてはいないといっても、彼ら『特務』の隊士は、れっきとした『妖魔退魔師』として人数に数えられる者達であった。
そしてその中でも『特務』に属する隊士達が長けているところは――。
「北の方角の空に『妖魔』在り! 右辺に隠れられる茂みに注意して各々散らばってください!」
「お、おう!」
早速、分散した妖魔退魔師を狙った『ヒュウガ一派』達の放った『式』に気付いた『特務』に属する『カヤ』が、その相手の位置を割り出して、行われるであろう攻撃が来る前に避難指示を出すのであった。
ガサガサと茂みが動いたかと思うと、隠れていた妖魔召士が苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべて、後ろへと下がっていった。
どうやら頭上から一気に『式』を使って襲撃を行い、相手が混乱を生じたところを『捉術』で動きを止めて一網打尽にしようと企んでいたのだろう。
しかし『カヤ』がワザと大きな声で危険を知らせたために、行おうとしていた行動を全て一旦取りやめて、作戦を練り直す為に一派の妖魔召士はこの場を去ったようである。
「助かった。全く気付けなかったよ……」
「いえ、まだまだです。ミスズ副総長ならこんな風な手段を取らずに、既に空の偵察を行った妖魔と、茂みに居た妖魔召士を捕縛出来ていたでしょう。しかしながら今回はこれが一番有効だと思ったので……」
「あ、ああ……! 相手に気づけていない俺達が居たら、作戦通りに行くとは限らないからな。だが、今のでハッキリと分かった。今後は気付いたら直ぐに俺達に指示を出してくれ。そうすれば直ぐに指示通りに動くと約束する。俺達も妖魔退魔師の幹部だからな。一を聞けば十を知るとまでは言わんが、指示通りに動いて見せる」
「分かりました。それでは今後は宜しくお願いします!」
「「ああ!」」
この一連のやり取りのように、特務の彼らはまず仲間意識を重要視してどんな者達であっても、仲間の身の安全を最優先に考えて行動を行うようにミスズに叩き込まれている。
そして協調性を最優先することで任務を遂行しやすくする円滑な行動を重視する者達こそが、この『特務』に所属の出来る最優先事項なのであった。
……
……
……
数の上では『妖魔退魔師』側が勝り、ミスズの『特務』の面々にスオウにサシャといった『二組』の幹部達が集っている。
しかし『ヒュウガ一派』はその気になれば妖魔を使役する『式』というモノを扱う事が出来るために、単純な数であれば覆す事も可能である。
何よりこの広大な森に潜伏するヒュウガ一派は、ミスズ達の『魔力』を感知しながら作戦を立てて動く事が出来るが、対するミスズ達『妖魔退魔師』側はヒュウガ達の居場所を探るような『魔力』の使い方が出来ない。更に言えばヒュウガ一派と呼ばれる者達の多くが『中位妖魔召士』や『上位妖魔召士』である事も大きく、それぞれが個別に『結界』を張る事が出来る。
特にヒュウガが森に入ってから常時張り続けている『結界』の規模は、あのソフィが探している『エヴィ』と共に行動をしている『最上位妖魔召士』の『イダラマ』と全く同一の同規模の『結界』を誇っているために、ミスズ達とは違って『魔力』を頼りに探知する事の出来る魔族である『ヌー』や『セルバス』であっても、彼らの位置を完全に探り当てる事は不可能と言える状況であった。
これがまだ見晴らしのいい平地であるのならば話は大幅に変わるのだろうが、この森の中には昼間でも薄暗く、更には木々の間の茂みも深く、洞穴なども至る所に見えている。
こういった箇所を隠れ蓑にしている可能性もある為に妖魔退魔師は無視が出来ずに、わざわざ入って確かめる必要性もある。もし洞穴の中を見落としたり、横着して探さなければ、万が一その中から『結界』で潜伏していた妖魔召士達が、一斉に捉術を用いて襲い掛かってくれば、門前の時のように広範囲の規模の術式を仕掛けられて抵抗する前に一網打尽にされる可能性もある。
つまり面倒でも洞穴があれば足を止めて、中を調べなければならなくなり、居場所を探れない不利さ加減が明確に生じてしまうのであった。
それでも妖魔退魔師の隊士達はミスズの下した命令通りに『三人組』や『四人組』を作って、個別に周りと連携を取りながら勇敢に進んでいく。
現在彼らは『スオウ』の『二組』の隊士と『ミスズ』が作った『特務専門部署』の隊士達の間で混合編成を組んで任務を遂行中である。スオウが組長を務める『二組』は、当代になってからの妖魔退魔師の組織を常に守ってきた選りすぐりの幹部達であり、妖魔に対する対処法も数年に渡って磨き上げてきた凄腕の者達が揃っている。
そして『特務専門部署』は実績こそ、そんな『二組』の者達には敵わないにしても実力が明らかに劣っているというわけではない。
何故ならこの『特務専門部署』。通称『特務』に所属する者達は全員が妖魔退魔師の副総長に選ばれた『ミスズ』が直々に選んだ隊士達であり、隊士一人一人にミスズが指導を重ねて鍛え上げた者達である。
特に今回の重要な任務に選ばれたこの場に居る『特務』の隊士はその中でも更に実戦豊富な者達であり、あのソフィと戦った『ナギリ』や、この『二組』を束ねる組長の『スオウ』がその腕を認める程の『カヤ』隊士もこの場に姿を見せている。
他にも『特務』に居る者達はそれぞれが『対空』戦術に『地対地』戦術として白兵戦はもとより、相手が海から突然襲ってきたりした時の対処法や、あの『三組』の組長『キョウカ』が王連に対して使ってみせたような、空に居る妖魔と対抗する為に用いられた『衝撃波』を繰り出す事も可能としており、あらゆる襲撃する妖魔に対抗し得る戦闘体形から、それに於ける局所的戦術を頭と体に叩きこまれて育てられてきている。
――『組』の幹部隊士としては選ばれてはいないといっても、彼ら『特務』の隊士は、れっきとした『妖魔退魔師』として人数に数えられる者達であった。
そしてその中でも『特務』に属する隊士達が長けているところは――。
「北の方角の空に『妖魔』在り! 右辺に隠れられる茂みに注意して各々散らばってください!」
「お、おう!」
早速、分散した妖魔退魔師を狙った『ヒュウガ一派』達の放った『式』に気付いた『特務』に属する『カヤ』が、その相手の位置を割り出して、行われるであろう攻撃が来る前に避難指示を出すのであった。
ガサガサと茂みが動いたかと思うと、隠れていた妖魔召士が苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべて、後ろへと下がっていった。
どうやら頭上から一気に『式』を使って襲撃を行い、相手が混乱を生じたところを『捉術』で動きを止めて一網打尽にしようと企んでいたのだろう。
しかし『カヤ』がワザと大きな声で危険を知らせたために、行おうとしていた行動を全て一旦取りやめて、作戦を練り直す為に一派の妖魔召士はこの場を去ったようである。
「助かった。全く気付けなかったよ……」
「いえ、まだまだです。ミスズ副総長ならこんな風な手段を取らずに、既に空の偵察を行った妖魔と、茂みに居た妖魔召士を捕縛出来ていたでしょう。しかしながら今回はこれが一番有効だと思ったので……」
「あ、ああ……! 相手に気づけていない俺達が居たら、作戦通りに行くとは限らないからな。だが、今のでハッキリと分かった。今後は気付いたら直ぐに俺達に指示を出してくれ。そうすれば直ぐに指示通りに動くと約束する。俺達も妖魔退魔師の幹部だからな。一を聞けば十を知るとまでは言わんが、指示通りに動いて見せる」
「分かりました。それでは今後は宜しくお願いします!」
「「ああ!」」
この一連のやり取りのように、特務の彼らはまず仲間意識を重要視してどんな者達であっても、仲間の身の安全を最優先に考えて行動を行うようにミスズに叩き込まれている。
そして協調性を最優先することで任務を遂行しやすくする円滑な行動を重視する者達こそが、この『特務』に所属の出来る最優先事項なのであった。
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