最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第1109話 本当の目的とは
「分かってもらえたようで何よりだ。我々の持つ『妖魔山』の情報量は決して多くはない。そちらの組織がこれまで数百年と積み上げてきた情報は、こちらの組織には当然の如く入ってこないのだ。お主達『妖魔召士』と同じく、妖魔からこの世界に生きる人間達を守る組織として、せめて今後はお主らの知る情報と同じ程度には知っていく必要がある筈だ」
エイジが真っ向から否定を行う状態が薄れたとみた『シゲン』は、今度は客観的な意見を述べながら『エイジ』を諭すように正論を口にする。
「それになエイジ殿『妖魔山』の管理を行う上でお主が懸念に思っているであろう『結界』の内情についてもこちらの組織だけで秘密裏に行うのではなく『妖魔召士』の組織のトップの座に居るそこの『ゲンロク』殿にも協力をしてもらうつもりだ。 『妖魔山』の『禁止区域』内に、調査を行う日取りが決まればゲンロク殿にも我々『妖魔退魔師』と共に『妖魔山』の『禁止区域』の調査を行うつもりだ」
シゲンは会話の端々にエイジの懸念材料を入れながら丁寧に一つ一つ回答代わりに、決まった結果の内容を織り交ぜていく。嘘はなく本当に決まった事や、考えている事を告げている為に、頭から否定や反論を行う事を出来なくしていくシゲンであった。
誰であっても納得せざるを得ないような会話の流れでこの『エイジ』という『妖魔召士』も頷くだろうと半ばミスズや他の者達も信じて疑わなかった。
この会合はもう後は消化試合を行うようなもので、エイジに納得してもらえば正式に『妖魔山』の管理権を移してもらい、今後は『妖魔退魔師』組織の主導で『妖魔山』の『禁止区域』内の調査という表向きの名目で本来の総長の狙いであった『討伐』を行おうと考え始めるミスズであった。
――だが、その消化試合の筈だった話合いは、この後のエイジの言葉によって思わぬ方向へと流れていくのだった。
「確かにお主達の目的が本当なのであれば『妖魔山』の管理を渡しても構わないとそこに居る『妖魔召士』の長のゲンロクが、判断してもおかしくはないだろうな」
エイジが『妖魔山』の管理権を『妖魔退魔師』側へと渡す事に納得するだろうと考えていたミスズ達だったが、そこで気になる言い回しをするエイジに一時的ではあったが、思考を停止させられるのだった。
「それは一体、何が言いたいのですか?」
そして気になる発言を行ったエイジにミスズは、眼鏡をくいっと上げながらこれまでより厳しい視線を送りながらそう口を開くのだった。
「そもそも何故今頃になって『妖魔山』の管理を得たいと考えたのだ? 先程シゲン殿が言っていた事だが、妖魔山の『禁止区域』に居る者達が、前回の『妖魔団の乱』のように徒党を組んで山を下りてきて町を襲ってくるかもしれないと口にしたな?」
「それは先程も言ったが可能性の問題だという話だ。これまでに『禁止区域』内の妖魔達が、自分達の領域から外れて『妖魔山』を下りた事がないからといって、今後もないとは限らないだろう?」
話を蒸し返すだけかと半ばシゲンは失望するような視線に変えたが、その後のエイジの口から出た発言はシゲン達の予想に反していた言葉だった。
「大方、お主らの所に『イダラマ』の奴が現れて『妖魔山』の管理を『妖魔退魔師』側で行って欲しいと頼まれたのではないか?」
エイジの言葉を聴いたシゲンもミスズも表面上での変化は見受けられない。しかしいくら彼らが白を切ろうともエイジは、サカダイ周辺の場で同じ『妖魔退魔師』の最高幹部である『スオウ』という青年から『イダラマ』が『妖魔退魔師』達の会合の場で『妖魔山』の話が出たという事を耳に入れている。その話を聞いたからこそ、今エイジはこの場に現れたのである。
しかしエイジがスオウから聞かされた事は『妖魔山』の管理を移すというさわりの部分だけであり、実際にどのような結論に至ったのかなどは分からない。エイジはその辺の事も今回、この場で明るみに出させようと本心を突くのであった。
エイジが真っ向から否定を行う状態が薄れたとみた『シゲン』は、今度は客観的な意見を述べながら『エイジ』を諭すように正論を口にする。
「それになエイジ殿『妖魔山』の管理を行う上でお主が懸念に思っているであろう『結界』の内情についてもこちらの組織だけで秘密裏に行うのではなく『妖魔召士』の組織のトップの座に居るそこの『ゲンロク』殿にも協力をしてもらうつもりだ。 『妖魔山』の『禁止区域』内に、調査を行う日取りが決まればゲンロク殿にも我々『妖魔退魔師』と共に『妖魔山』の『禁止区域』の調査を行うつもりだ」
シゲンは会話の端々にエイジの懸念材料を入れながら丁寧に一つ一つ回答代わりに、決まった結果の内容を織り交ぜていく。嘘はなく本当に決まった事や、考えている事を告げている為に、頭から否定や反論を行う事を出来なくしていくシゲンであった。
誰であっても納得せざるを得ないような会話の流れでこの『エイジ』という『妖魔召士』も頷くだろうと半ばミスズや他の者達も信じて疑わなかった。
この会合はもう後は消化試合を行うようなもので、エイジに納得してもらえば正式に『妖魔山』の管理権を移してもらい、今後は『妖魔退魔師』組織の主導で『妖魔山』の『禁止区域』内の調査という表向きの名目で本来の総長の狙いであった『討伐』を行おうと考え始めるミスズであった。
――だが、その消化試合の筈だった話合いは、この後のエイジの言葉によって思わぬ方向へと流れていくのだった。
「確かにお主達の目的が本当なのであれば『妖魔山』の管理を渡しても構わないとそこに居る『妖魔召士』の長のゲンロクが、判断してもおかしくはないだろうな」
エイジが『妖魔山』の管理権を『妖魔退魔師』側へと渡す事に納得するだろうと考えていたミスズ達だったが、そこで気になる言い回しをするエイジに一時的ではあったが、思考を停止させられるのだった。
「それは一体、何が言いたいのですか?」
そして気になる発言を行ったエイジにミスズは、眼鏡をくいっと上げながらこれまでより厳しい視線を送りながらそう口を開くのだった。
「そもそも何故今頃になって『妖魔山』の管理を得たいと考えたのだ? 先程シゲン殿が言っていた事だが、妖魔山の『禁止区域』に居る者達が、前回の『妖魔団の乱』のように徒党を組んで山を下りてきて町を襲ってくるかもしれないと口にしたな?」
「それは先程も言ったが可能性の問題だという話だ。これまでに『禁止区域』内の妖魔達が、自分達の領域から外れて『妖魔山』を下りた事がないからといって、今後もないとは限らないだろう?」
話を蒸し返すだけかと半ばシゲンは失望するような視線に変えたが、その後のエイジの口から出た発言はシゲン達の予想に反していた言葉だった。
「大方、お主らの所に『イダラマ』の奴が現れて『妖魔山』の管理を『妖魔退魔師』側で行って欲しいと頼まれたのではないか?」
エイジの言葉を聴いたシゲンもミスズも表面上での変化は見受けられない。しかしいくら彼らが白を切ろうともエイジは、サカダイ周辺の場で同じ『妖魔退魔師』の最高幹部である『スオウ』という青年から『イダラマ』が『妖魔退魔師』達の会合の場で『妖魔山』の話が出たという事を耳に入れている。その話を聞いたからこそ、今エイジはこの場に現れたのである。
しかしエイジがスオウから聞かされた事は『妖魔山』の管理を移すというさわりの部分だけであり、実際にどのような結論に至ったのかなどは分からない。エイジはその辺の事も今回、この場で明るみに出させようと本心を突くのであった。
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