最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第1097話 ヒュウガの拷問
「どうやら我々と会話をする気がなかった貴方でも部下に手を出されるとなると、話は別のようですねぇ。我々が本気で捕らえられた仲間達を取り戻しに来たという事は、もう貴方も理解して頂けた事かと思いますが、今一度尋ねさせていただきますが捕らえた者達をどこに隠しているのでしょう?」
「くっ……!!」
ヒュウガの言葉を聞いたコウゾウは、ぎりぎりと歯ぎしりをしながらも素直に言わなければ、奴らは本当にシグレに手を掛けるだろうと判断する。
こんな事になるならば、先にサカダイへ向かったソフィ殿達に捕らえた『妖魔召士』を連れて行ってもらえばよかったとコウゾウは相当な後悔をさせられるのだった。
「まだ迷っているのですか? 分かりませんねぇ。我々『妖魔召士』が来た以上は貴方達『予備群』が、いくら強くてもどうしようもない事は、貴方自身が理解出来る事でしょう? こうして大切な者達を傷つけられた挙句、殺されてしまうくらいならば、素直に居場所を告げるか、案内をする方が賢明だと思いますがねぇ」
「……」
ヒュウガはそこまで告げてもまだ、迷った様子を見せるコウゾウを見て、他の『妖魔召士』達に無理矢理立たされているシグレの頭に手を置く。シグレは気を失っている為に、何も抵抗する様子はない。
「ま、待て……、何をするつもりだ、お前!」
嫌な予感を感じ取ったコウゾウは先程よりも慌て始める。
「心配しなくてもいきなり殺すような真似はしませんよ。しかし貴方が早く話してくれなければ、彼女の脳は深刻なダメージを負っていき、最後には生きているだけの物言わぬ、ただの人形になるでしょうねぇ」
ヒュウガがやろうとしている事は『動殺是決』と呼ばれる『妖魔召士』の『捉術』で、対象の大脳や小脳に深刻なダメージを与える凶悪な技である。この『捉術』は術者が段階的に威力を変貌させる事ができ、本気で殺すつもりでこの術を使えば大脳支配だけではなく、小脳や脳幹すらも操る事が可能である為、感覚を奪い呼吸すらさせなくする事も出来る。
力の強い妖魔や皮膚が固い鬼人のような妖魔に対して、表面ではなく内面から直接絶命させる事を追求した結果、生み出された『妖魔召士』の数ある『妖魔』を殺す為の技法の一つであった。
ランクの高い妖魔を滅する為に生み出されたこの捉術は、当然人間達に使用すればその被害はとんでもない事になる。更にこのヒュウガは『捉術』に対して、相当の魔力のコントロールに自信があるようで、どれくらいの時間、どれ程の魔力を用いれば相手が発狂したり、そのまま死を迎えるというラインの判断が出来る様子であった。
「さて、まずは簡単な機能障害を起こさせるとしましょうか。この段階であっても機能を回復させるには、相当に時間を要するかもですねぇ? 彼女はどちらが利き腕かは分かりませんが、右側に影響を及ぼすようにしましょうか。不随運動の影響が出てしまうと下手をすれば『予備群』としてはもう、彼女は生きてはいけませんでしょうねぇ」
そう言ってヒュウガはコウゾウに効果を説明すると、次の瞬間全身に魔力を纏わせ始めた。
「ま、待ってくれ! わ、分かった、居場所を言う! 直ぐに言うから、た、頼むっ!シグレに手を出さないでくれ!」
動きを封じられている状態でなければ、直ぐに彼女の元へと向かうだろうと感じさせる程の焦り具合で、全身の魔力が右手へと集約させられていく寸前でコウゾウがそう叫んだ。
その言葉を引き出す事が目的であったヒュウガは、上手く行ったとばかりにシグレの両脇を抱えている『妖魔召士』達と顔を見合わせて笑うのだった。
「ほっほっほ、ご協力感謝いたしますよ。さて、それでは今から貴方の縛りを解きますが、最初に言っておきますが下手な事をしようとすれば、この女性は直ぐにあの世へ行く事になりますので、お気を付けくださいねぇ?」
そう言ってヒュウガは、先程の『妖魔召士』の『ジンゼン』に合図を送る。するとジンゼンは隣に居る『式』にシグレを渡し始める。
「分かっている……。お前達の言う事に従うからシグレにそれ以上、手荒な真似をしないでくれ」
「分かっていますよ、コウゾウ殿? 貴方が義理堅い『予備群』だという事は、よく分かっています。ちゃんとキネツグ達を渡して頂けるのならば、こちらも彼女を渡しましょう」
交渉は無事に成立したとばかりに、ニコリとヒュウガは厭な笑みをコウゾウに向けるのだった。
……
……
……
「くっ……!!」
ヒュウガの言葉を聞いたコウゾウは、ぎりぎりと歯ぎしりをしながらも素直に言わなければ、奴らは本当にシグレに手を掛けるだろうと判断する。
こんな事になるならば、先にサカダイへ向かったソフィ殿達に捕らえた『妖魔召士』を連れて行ってもらえばよかったとコウゾウは相当な後悔をさせられるのだった。
「まだ迷っているのですか? 分かりませんねぇ。我々『妖魔召士』が来た以上は貴方達『予備群』が、いくら強くてもどうしようもない事は、貴方自身が理解出来る事でしょう? こうして大切な者達を傷つけられた挙句、殺されてしまうくらいならば、素直に居場所を告げるか、案内をする方が賢明だと思いますがねぇ」
「……」
ヒュウガはそこまで告げてもまだ、迷った様子を見せるコウゾウを見て、他の『妖魔召士』達に無理矢理立たされているシグレの頭に手を置く。シグレは気を失っている為に、何も抵抗する様子はない。
「ま、待て……、何をするつもりだ、お前!」
嫌な予感を感じ取ったコウゾウは先程よりも慌て始める。
「心配しなくてもいきなり殺すような真似はしませんよ。しかし貴方が早く話してくれなければ、彼女の脳は深刻なダメージを負っていき、最後には生きているだけの物言わぬ、ただの人形になるでしょうねぇ」
ヒュウガがやろうとしている事は『動殺是決』と呼ばれる『妖魔召士』の『捉術』で、対象の大脳や小脳に深刻なダメージを与える凶悪な技である。この『捉術』は術者が段階的に威力を変貌させる事ができ、本気で殺すつもりでこの術を使えば大脳支配だけではなく、小脳や脳幹すらも操る事が可能である為、感覚を奪い呼吸すらさせなくする事も出来る。
力の強い妖魔や皮膚が固い鬼人のような妖魔に対して、表面ではなく内面から直接絶命させる事を追求した結果、生み出された『妖魔召士』の数ある『妖魔』を殺す為の技法の一つであった。
ランクの高い妖魔を滅する為に生み出されたこの捉術は、当然人間達に使用すればその被害はとんでもない事になる。更にこのヒュウガは『捉術』に対して、相当の魔力のコントロールに自信があるようで、どれくらいの時間、どれ程の魔力を用いれば相手が発狂したり、そのまま死を迎えるというラインの判断が出来る様子であった。
「さて、まずは簡単な機能障害を起こさせるとしましょうか。この段階であっても機能を回復させるには、相当に時間を要するかもですねぇ? 彼女はどちらが利き腕かは分かりませんが、右側に影響を及ぼすようにしましょうか。不随運動の影響が出てしまうと下手をすれば『予備群』としてはもう、彼女は生きてはいけませんでしょうねぇ」
そう言ってヒュウガはコウゾウに効果を説明すると、次の瞬間全身に魔力を纏わせ始めた。
「ま、待ってくれ! わ、分かった、居場所を言う! 直ぐに言うから、た、頼むっ!シグレに手を出さないでくれ!」
動きを封じられている状態でなければ、直ぐに彼女の元へと向かうだろうと感じさせる程の焦り具合で、全身の魔力が右手へと集約させられていく寸前でコウゾウがそう叫んだ。
その言葉を引き出す事が目的であったヒュウガは、上手く行ったとばかりにシグレの両脇を抱えている『妖魔召士』達と顔を見合わせて笑うのだった。
「ほっほっほ、ご協力感謝いたしますよ。さて、それでは今から貴方の縛りを解きますが、最初に言っておきますが下手な事をしようとすれば、この女性は直ぐにあの世へ行く事になりますので、お気を付けくださいねぇ?」
そう言ってヒュウガは、先程の『妖魔召士』の『ジンゼン』に合図を送る。するとジンゼンは隣に居る『式』にシグレを渡し始める。
「分かっている……。お前達の言う事に従うからシグレにそれ以上、手荒な真似をしないでくれ」
「分かっていますよ、コウゾウ殿? 貴方が義理堅い『予備群』だという事は、よく分かっています。ちゃんとキネツグ達を渡して頂けるのならば、こちらも彼女を渡しましょう」
交渉は無事に成立したとばかりに、ニコリとヒュウガは厭な笑みをコウゾウに向けるのだった。
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