最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。

羽海汐遠

★基本研鑽演義の紹介

 『最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。』

 この作品に言葉として多く出てくる戦術の基本の心得となる『基本研鑽演義きほんけんさんえんぎ』。
 本編ではざっくりとした説明のみであった為、他にどういったモノがあるのか、説明が欲しいという感想を頂いた為、この場で詳しい紹介を行わせて頂きたいと思います。

 ★☆★☆【ネタバレの注意】☆★☆★

 『基本研鑽演義きほんけんさんえんぎ』の説明を行う上で、どうしてもネタバレが入って来る為、
 魔族の到達する『魔王領域』や『魔瞳まどう』『オーラの種類』『ことわり』など、上記に挙げた単語を本編で目を通して頂けた方のみ、お読み頂けると幸いです。

(※この作品の1000話辺りまでを読んで頂いている方は、ネタバレの問題はないと思われます)

 まず『基本研鑽演義』とは何かの説明から行いたいと思います。
 『基本研鑽演義』は過去に強くなろうとする魔族達が、、その全般を指します。

 公式に『基本研鑽演義』を纏めたような書物や、その一部を記載したメモ等はなく、あくまで本人が長い時間を掛けて学んだ事を『基本研鑽演義』と呼んでいます。

 書物やメモ等は残されてはいませんが、魔族達の間では『基本研鑽演義』という言葉自体が浸透しており、この『基本研鑽演義』は、魔族達の間では常識とされています。

 唯一『基本研鑽演義』の記載と呼べる物があるとすれば、それは過去のリラリオの世界で『レイズ』魔国王であった『エリス』の娘にして、シスの母親である『レイズ』魔国王になる前のセレス王女に宛てた、魔王『レア』の『レパート』の世界の『ことわり』が描かれたメモが『基本研鑽演義』の書物と呼べるモノになるでしょう。

 さてそれでは『基本研鑽演義』にはどのような物があるのかを紹介していきたいと思います。
 まず魔族の誰もが『基本研鑽演義』は初歩的なものばかりとなります。

 『戦闘に於ける接近戦』

 まず戦闘の基本内容では、九大魔王のユファがラルフに指導をした内容が、初歩の基本研鑽演義に当てはまります。

 戦闘に於いて魔族の扱う基本研鑽演義については前衛も後衛も関係がなく、まずは誰もが接近戦で戦えるようになる所から始めます。

 ★『下位魔族~中位魔族用』の基本研鑽演義。

 初歩の段階ではまず、相手の攻撃を躱しながら懐に入り込むという事を重点的に考えます。
 懐に入る方法は『基本研鑽演義』が進めば進む程に選択肢が多くなりますが、最初は如何に相手の攻撃を防いだり、捌いたり出来るかを考えます。

 相手が得物を持っているならば、その得物の長さを考えて踏み込みの幅を変えたり、相手が何も持っていないようであれば、魔法を発動させようとしているかどうか、その魔法が詠唱を伴うものであるならば、威力を優先する魔法だという事を念頭に考えて、防御を第一に考えながら前へと進んで懐に入り込む事を優先する。

 詠唱がない物であれば、相手側がこちら側に近づかせたくないのだと考えて、この後に極大魔法といった詠唱の必要な極大魔法を使う可能性を考慮します。

 人間達の冒険者パーティのように、前衛や後衛に分かれて多人数で行動する内容を魔族達は基本的に一人で全て補わなければならない為、相手の攻撃を受けてしまえば、もうのちの行動が全て後手後手になってしまいますので、如何に相手の攻撃を受けないように立ち回るかが重要なのです。

 戦闘の初歩中の初歩に考える基本研鑽演義は、相手の懐に入り込んで攻撃を当てる。
 相手が魔法を発動させる時に詠唱があるのか無いのかに注目して、相手の攻撃手段からどうやって被害を減らすかその立ち回り方を覚える。

 まず魔族達が覚える戦闘面は、ほとんど誰でもこういうところから学んで行きます。当然学ぶ速度は魔族によって変わりますが『アレルバレル』のような世界の場合、戦いたくなくても戦いに巻き込まれる事は、常に考えなければならない為、だいたいの『魔界』の魔族は五歳までに上記のような戦術の基本を覚えます。

 逆に『ミデェール』達の居た世界のように、他種族に隷属して生きて来たような魔族であるならば、成人を迎える年齢であってもまだ戦い方の初歩的な事も分からずに、どうやって戦っていいのか分からないといった者も存在します。

 しかしミデェールは『女帝』エイネを交際相手に選んだ以上、強くならなければいけない為、才能や資質が如何に優れている彼でもこれからは地獄のような研鑽の日々が待っている事でしょう。

 ★『上位魔族~最上位魔族』の基本研鑽演義。

 下位魔族から中位魔族の基本戦術として相手の懐に入る事を優先し、相手の魔法詠唱の有無を確認する。そして如何に相手の攻撃を受けないようにするかを学びました。

 今回の上位魔族から最上位魔族の基本研鑽演義では『下位~中位魔族編』に紹介した部分に、向かうまでの道筋を考える事となります。

 相手が上位魔族という事になると、戦力値は401万~1000万程になります。
 下位~中位魔族の間に学んだ戦術の基本だけでは相手の懐に入る事は難しくなり、また相手も上位魔族になってくると戦力値だけではなく、魔力値も中位魔族までとは比べ物にならなくなります。
 当然に下位魔族の詠唱有りの魔法よりも高くなったりと、無詠唱にして相当に魔力が応じた威力が高まって来ると予想されます。

 相手が自分より強いのだから、
 世界によっては、こちらの戦う意思があろうとなかろうと、相手が殺すつもりでくるという事を常に考えなくてはなりません。

 上位魔族程の強さになってくると『魔瞳まどう』という新たな戦術を加えられる場合もあります。
 『魔瞳まどう』とは相手を洗脳したり、普段は魔力を温存する為に、使わずに居る力を強制的に解除して本来の持つ力を最大限に活かす為に、鍵を掛けている状態から力を開放する時に使われたりする力の事です。

 (例)『紅い目スカーレット・アイ』『金色の目ゴールド・アイ』。

 今回は『上位魔族~最上位魔族』の基本研鑽演義の戦術項目ですので『紅い目スカーレット・アイ』での主な説明を行っていきたいと思います。

 そしてこの上位魔族が相手になると、如何にこれまで戦術を磨いてきた中位魔族までの存在であっても上位魔族に勝つ事は難しくなります。

 『魔瞳まどう』は先述した通り、自分よりも魔力の低い者を操ったりすることが可能となり、基本的にこの『魔瞳まどう』を会得しているかどうかで戦闘対応の仕方を変えざるを得なくなります。

 『魔瞳まどう』を持っていない者でも『魔瞳まどう』を使用している者より魔力が高ければ、その影響を受ける確率は非常に少なくなるのですが、普段よりも『魔瞳まどう』を掛けられている事で動きが鈍くなったりする事もあります。

 一番いいのは相手の目を見ずに行動をしたり、回避行動をとる事なのですが、戦闘中に相手の視線を外しながら、相手に攻撃を加える事は相当に難しく、上位魔族を相手に相手の動きを見ないというハンデを背負ったままで下位魔族や中位魔族の力で押し勝つ事は不可能といえます。

 『魔瞳まどう』を持っていない上位魔族が相手であれば、下位や中位魔族の者達であっても、
 しっかりと自己の基本研鑽演義を磨いていれば苦難ではありますが、勝つことは不可能ではないといえるでしょう。

 それでは前置きはここまでにして、上位魔族の基本研鑽演義の説明を行います。

 まず互いに『魔瞳まどう』を得ている場合での戦いを例にしていきます。
 どちらも下位、中位魔族時代に学んでいる基本戦術を主流にして戦う事が、上位魔族の基本戦術となります。

 つまり相手の得物の隙があるかどうか、得意な魔法系統やどれほどの威力があるかを、探りながら戦うのが基本となります。これまでの下位~中位魔族のように、相手の懐に突然入る事はせずに『魔瞳まどう』を使って牽制をして、相手の隙を生み出させて有利を取ってから中位魔族までの基本研鑽演義の戦術を用いるのがベターです。

 いうなれば上位魔族の戦い方とは、相手を油断させたり隙を出させるまでは、決定打になるような大技を使う事はあまりせずに様子を見ながら戦う事。
 つまりは下位~中位までのように、力でぶつかって戦うというよりかは、相手の情報をどれだけ仕入れて、自分に有利に持っていけるかというところに重きを置いて戦う事が、上位魔族の行う基本研鑽演義となります。

 次に互いに『魔瞳まどう』を覚えていない上位魔族同士の戦いの場合、基本的に相手が『魔瞳まどう』を扱えるかどうかを探る事が優先されます。
 これは『魔瞳まどう』を互いに持っている場合でも、行う重要な基本行為ですが『魔瞳まどう』を持っている者であれば、だいたい相手が使えるかどうか、相手の目線の位置でピンと来るのですが、互いに持っていない場合だと、わざと『魔瞳まどう』を使っていないんだぞと演技を仄めかせたりする行動を取って相手を騙そうとしたりします。

 では、どういった立ち回りをするのが正しいかというと、多くの上位魔族は余り魔力を消費しない中級魔法を無詠唱で相手に放ち、どういった防御や回避行動をとるかでまずは判断をします。
 魔法で相殺をするような行動をとれば、基本的には『魔瞳まどう』は使ってこないと、見て判断して良いポイントでしょう。

 そこまで分かってしまえば、自分のこれまでの中位魔族時代までの研鑽方法で、自分なりに相手を打ち負かす方法で相手を押し通せばよいでしょう。

 しかしいくら牽制が成功したり、立ち回りが上手くてもこれまでの研鑽をさぼったりしていて、決定打になるような攻撃方法を身につけていなければ、相手が『魔瞳まどう』を持っていないと分かってもどうすることも出来ずに、ジリジリと守りに入っていずれは負けるでしょう。

 この作品で戦力値や魔力値がいくら高くても戦い方次第では、戦力値が低い者が勝つ事もあります。
 本編でも何度かその実例が伴う事象がありましたが、あくまで研鑽をさぼっていたというワケでは無く、負けた側も当然強くなる為の研鑽を積んではいたのでしょうが、勝敗を分けるに至った要因は、単純に研鑽の質の違いが出たという事でしょう。

 研鑽をすれば必ず報われるのではなく、強き者は誰もがそれだけの研鑽をしているというだけの話なのです。謂わばこの上位魔族帯が、一番これまでの研鑽結果が出る残酷なランク帯ともいえるでしょう。

 次に【最上位魔族】の基本研鑽演義の説明となります。

 ★【最上位魔族】の基本研鑽演義

 ここまで来ると戦闘中の相手の情報を探る事は、無意識の内に出来るようになっている事でしょう。
 ここからは魔族同士、千差万別な自分なりの戦い方という物が、身に付いている状態でなければなりません。
 この領域の前の『上位魔族』帯から如実にその研鑽の差が生まれ始めます。
 『最上位魔族』ともなると誰もが『魔瞳まどう』『紅い目スカーレット・アイ』は当然のように扱う者が増えます。

 強くなれば強くなる程にやる事は増えていきます。中位魔族までの基本戦術を通す為に、上位魔族の知識や相手の情報を上手く活用して『最上位魔族』の基本研鑽演義を速やかに遂行しなければなりません。

 最上位魔族ともなると今度は新たに『淡いオーラ』の体現を果たしている者達が現れ始めます。この淡いオーラは魔族が扱う術者の基本となる戦力値と魔力値の上昇を果たす技法です。

 最上位魔族が扱う事が出来るとされる淡く紅いオーラは、凡そ術者の戦力値と魔力値を(110%~170%)上昇させる事を可能とします。

 しかし淡く紅いオーラの使用得失として、上昇率に対して魔力の比率も大きくなる為に基本的には120%が、一番使用する魔力に対して、効率的に増幅させられるとしています。短時間で戦うのならば、170%まで上昇させて戦うのも一つの手ではあります。

 最上位魔族の基本研鑽演義としては、戦いの最中の戦術というよりかは、戦う前の準備や上位魔族の基本研鑽演義をより洗練させて突き詰める事が重要となるでしょう。

 この最上位魔族の基準は、最上位魔族の下位で(1001万~1500万)程で、最上魔族中の最上位で(2500万~4000万)程と幅広くなっております。

 多くの魔族はこの『最上位魔族』が天井となります。
 この上の領域を目指すのであれば、これまでの基本研鑽演義を忠実にこなして、更に素質や素養を備えた上でようやくなる事が可能となります。
(※最上位魔族より上に立つ者の比率は、大幅に下がる事になります)

 このランク帯で重要な事は、相手の状態の情報を頭に入れながら如何に、自分の魔力を上手く活用するかになります。

 最上位魔族ともなると魔力を気にせずに放つ魔法の威力は相当な物になりますが、それだけ消費魔力が激しくなります。この最上位魔族の領域は、、如何に魔力消費を抑えながら相手に致命的なダメージを蓄積させるかが、戦術の基本として考える事となるでしょう。

 ★【魔王】の基本研鑽演義。

 この領域に立つ者は魔族の中でも一握りとなります。
 最上位魔族達の間では『魔王』領域の事を、とも呼びます。
 『最上位魔族』までの者達とは、戦力値だけではなく魔力値の量も大幅に変わる事が多く、最上位魔族達のように魔力消費を気にせずにガンガンと魔法を使う事も可能な為、魔法で生み出した『炎帝』のように、攻守に優れた存在を生み出して、相手の隙を生み出したり、更には盾代わりに使用したりも可能となり隙を作らせた後にトドメとなる『超越魔法』を打ち込んだりといった戦術も可能となります。
(※『超越魔法』とは魔王の代名詞とも呼べる『終焉の炎エンドオブフレイム』や『終焉の雷エンドライトニング』の事)

 当然魔力消費を気にせずに扱えるという事は、魔法の使用の幅も広がるという事であり、囮となる中規模魔法をブラインド代わりに使ったり、遅延詠唱を伴いながらわざと威力を高めた魔法と交互に使って相手の意識を撹乱かくらんさせたりと魔王階級になると経験の差がモノをいうようになります。

 如何に戦力値が高くとも戦術の基本が分かっていなければ、このランク帯では張り子の虎となり、宝の持ち腐れとなるでしょう。

 そしてこのクラスともなれば、一発の超越魔法であっても並外れた威力を出す事が出来る為、一つのミスが招いた結果が、即座に命の危険を招き起こしてしまいます。

 その事は当然ここまで『基本研鑽演義』を積んできた魔族達であれば重々承知している為、この魔王のランク帯同士はまだ、そこまで差の開きは考えなくても

 ――問題は次のランク帯になります。

 ★【真なる魔王】の基本研鑽演義。

 前項の最後に述べた通り、この真なる魔王が一番の問題の領域帯となります。
 魔王階級までの基本研鑽演義を完璧に身につけて尚、戦力値が6500万を上回り始めると同時に『覚醒を果たした真なる魔王』として、正式名称は『真なる魔王』と呼ばれるようになります。

 魔王領域に到達していた魔族と明確に違う点は、最上位魔族の時に体現を果たすように、この覚醒した魔王達にもある力が体現します。それこそが魔王達の間で『青』の領域と呼ばれる力です。

 『青』の領域は『淡く青いオーラ』が正式な力の名称で、この力を自在に操る事が出来るようになった覚醒した魔王達は、世界を支配する程の力を得たという事になります。

 実際に数多ある世界の中で書物に登場する魔王などの多くは、この青の領域に到達した魔族であったりするのです。もちろん世界征服を行った事で、悪の魔王を打ち滅ぼそうとする、その世界に生まれ出た勇者に討伐された魔王なども存在し、その多くの魔王がこのランク帯の魔王である比率が高いとされています。

 青の領域までに達した魔族達の多くが、この真なる魔王の基本研鑽演義で頭打ちとなってしまい、この上の領域に立つ事を諦めてしまいます。何故ならこの『淡く青いオーラ』は体現したら終わりではなく、むしろ始まりとさえ言われており、青のオーラをコントロールする為に、膨大な年数を要する程の自己研鑽を必要とするからです。
 この青のオーラは最上位魔族の時に体現した『淡く紅いオーラ』のように、練度を高める事で魔力値と戦力値を増幅させる事の出来る技法です。

 しかしその上昇幅が紅いオーラとは比べ物になりません。
 『淡く紅いオーラ』の上昇率は、110%~170%となりますが『淡く青いオーラ』の上昇率は、110%~500%と上昇幅が大きく異なります。

(例)基本の戦力値が6500万の魔族が青の練度が上限である5.0に達すれば、その魔族の戦力値は5倍となる3億2500万となります。

 戦術の基本は魔王になるまでに身につけている為、この真なる魔王と呼ばれる領域に立つ者達は、戦う前の準備を整える事が、真なる魔王の基本研鑽演義となるでしょう。

 ★【大魔王下位領域~大魔王上位領域】の基本研鑽演義。

 魔族として生まれた者が目指すべき到達点です。

 『名付けネームド』を行って自分に忠実な魔物を従わせたり『悪魔召喚』で別世界の悪魔達と契約関係を結んだりして、中規模以上の世界の支配を目論んだりする者達がこの領域帯となります。

 この領域帯の一つ前の『真なる魔王』と呼ばれる魔族達もまた、規模が小さな世界では支配者として君臨する事は可能ですが、こちらの領域に居る者達はその魔族達よりも更に力を有する魔王となります。

 この大魔王と呼ばれる領域に立つ者は最低でも戦力値は4億以上です。更にその身が滅びようとも、再び力を蓄えて復活する事を可能とする『代替身体だいたいしんたい』と呼ぶ予備の身体を準備する程の魔力を有しています。

 『真なる魔王』の時代から研鑽を積んできた者達は、この領域帯で既に青のオーラが上限値である5.0に達している筈ですが、この『大魔王』領域に居る者は、更に『最上位魔族』時代に体現した『淡く紅いオーラ』を『淡く青いオーラ』と組み合わせて『』と呼ばれるオーラを纏わせる者も存在します。

 性質の全く違う青と紅のオーラを別々に一定の魔力を用いて、身体に宿す事を目的とする為にこの領域帯になると戦い以外でも魔力を寸分違わず、頭で思い描いた通りにコントロールを行えるようにならないといけません。

 それこそが『魔力コントロール』と呼ばれる技術の一つで、この魔力コントロールはその難易度の高さから、この大魔王領域の最上位に位置する者でも、

 この魔力コントロールを使う事で『魔法』を発動させる一歩手前で止めて、空間にいつでも発動が出来る事を可能とする状態で放置し、任意で『魔力』を後乗せして発動する『スタック』と呼ばれる技法を使う事が出来るようになります。

 また、魔力コントロールをある程度自在に操れるようになると、同じ要領で戦力値コントロールも行えるようになります。この魔力コントロールと戦力値コントロールは、真なる魔王領域の者でも才がある者に限り、使いこなしている者もいます。

 戦力値コントロールを完璧に操れるようになると、僅か一秒にも満たぬ時間の間で、戦力値を一桁の数値レベルにする事も可能とし、逆に一秒にも満たぬ時間の間に、戦力値を上限まで上げる事も可能となります。

 そこまでの練度のコントロールが出来る者は、大魔王の中でもほんの一握りであり、その領域に達している者であれば、数多あるどんな世界においても世界のトップレベルの強さを有する事が可能でしょう。

 この大魔王領域の上位と呼ばれる者達になると、淡く紅いオーラと、淡く青いオーラの併用を伴った状態で術者の基本となる戦力値から、凡そ600%の上昇を可能となります。

 当然こちらも青と同じように練度という物が存在しますが、青の練度を上限値の5.0にまで達する事が出来た者であれば、コツさえ掴めば全く別の紅を併用させながら練度を高めていく事も出来るでしょう。

 そして『魔瞳まどう』の方も『大魔王』の領域になると『金色の目ゴールド・アイ』と呼ばれる魔族の使う最も力の強い『魔瞳まどう』も扱う事が可能となります。

 『金色の目ゴールド・アイ』は発動者の魔力が高ければ高い程、出来る事の範囲が増えていく為に数千年規模の間で最強の『魔瞳まどう』と呼ばれています。
 魔力に差がある大魔王同士であるならば、世界を支配出来る大魔王クラスを自分の配下にする事も可能となります。

 『金色の目ゴールド・アイ』で操られた者は深層意識を操られる為、本人の自覚の有無に拘わらず、自身がやっている事は正しい事だと考えて自分の意志でやっている事だと思い込まされてしまいます。

 更にこの『金色の目ゴールド・アイ』は戦闘の中でも大きな活躍をします。ここまで基本研鑽演義を完璧にこなしてきている者であれば、を自在に操る事が出来ている筈です。

 その技術を『魔瞳まどう』に用いて扱いて、相手が詠唱の長い極大魔法を放とうとしていたり、練度の高いオーラを纏おうとしたタイミングで相手の魔力に干渉して、無効化させてオーラを解除したり魔法をキャンセルさせたりする事も可能です。

 『魔瞳まどう』は術式や詠唱など必要としない為、一瞬の間に行う事が可能であり、この領域帯まできた大魔王は想像を絶する程の脅威の存在になる事でしょう。

 単純な話ではありますが『魔王』階級や『真なる魔王』階級の存在が、数十体が手を組んでいたとしても『大魔王』上位領域に位置する魔族一体で、その全ての魔王達を葬り去る事も容易いでしょう。大魔王とそれ以外の魔王には、それ程の力の開きがあるのです。

 ★【大魔王・最上位領域】の基本研鑽演義。

 数多ある世界でもトップクラスに力の強い魔族が蔓延る世界『アレルバレル』と呼ばれる世界であっても僅か一握りしか至っていない領域です。

 ここまで来ると魔族の行える技法、その全てを高水準で扱える筈です。基本研鑽演義としてはこれ以上を覚えるとなると、別世界で個々に成長を遂げた技法等を自分達が学んできた基本研鑽演義と上手く組み合わせて活用をしたり、他者が出来ない事を可能とする為に、自分なりの新たな研鑽方法を身につける事くらいになります。

(例)別世界の『ことわり』を用いた魔法を、自分達のやり方で使いこなす。大魔王上位領域までに学んだ基本研鑽演義『スタック』の技術を魔力回路から魔力を放出する時に応用して使って自分の持っている魔力を一から生成するのではなく、あらかじめ魔力回路に準備しておいた魔力を『スタック』させて貯めておいて、本来は膨大な魔力消費を行って発動を可能とする魔法を魔力回路に準備しておいた魔力と新たに使用する魔力を合わせて、魔力消費を抑えてその後の戦闘を有利にする事を可能とする戦術もあります。

 ここまで来ると他者に教えてもらって覚える事よりも自分の感覚で理解していなければ、扱う事は難しいでしょう。そもそも『スタック』を応用する事が出来る程の存在が、あらゆる世界を見渡しても僅か数体程度しかいない程と見て構いません。

(※因みに軽いネタバレになりますが、ある程度本編を見ている方が、こちらを見て頂いていると過程して例を挙げますが、作中でシスの中に宿るエルシスがソフィの配下であるラルフに、魔力回路を広げさせて、更にユファがそこに魔力を貯めておくという二人の扱っている方法をラルフに教えましたが、これこそが上記に挙げた『スタック』の応用と手順の仕組みとなります。

(※2 ラルフは『妖精の施翼フェイサー』を使う事を可能としましたが、上記に記述した『スタック』の内容を理解しているわけではありません。あくまで、魔力回路に魔力を貯めて使えるようになっただけです)

 つまりこの時のエルシスとユファは、互いにが行える領域に達しているという事の証左でもあります。

 まだこの他にも基本研鑽演義は続いて行くのですが、最早この領域以上の存在は数多ある世界でも限られた数体程度となる為、この辺で一旦は締めさせて頂きたいと思います。

(※この上にある物とは『金色の体現者』の為の基本研鑽演義。例を挙げると『特異とくい』の説明の基本研鑽演義など)。

(※更には『準魔神級』や『魔神級』の為の基本研鑽演義。例を挙げると『』の説明の基本研鑽演義など)。

 この『最強魔王。』の作品では、一概に戦力値や魔力値が高いからといって、数値だけで勝負が決まる物ではありません。上記の数多くの基本研鑽演義をしっかりと理解した上で相手との戦う経験を積んだ者が、戦闘を大きく有利へと運ぶ事になるでしょう。

 今回はこの作品の魔族を題材とした基本研鑽演義でしたが、一部の基本研鑽演義は他の種族にも当てはめる事が出来る技法もあり、別の種族の『魔瞳まどう』であってもある程度扱い方は『金色の目ゴールド・アイ』と同じだったり、また対処法なども今回の紹介した基本研鑽演義の応用で賄えたりと、能力の理解する範囲が広ければ広い程、登場するキャラクターの理解を深める事が可能といえます。

 いずれは魔人族の『魔瞳まどう』である『支配の目ドミネーション・アイ』や、人間達の扱う『魔瞳まどう』の『青い目ブルー・アイ』など、別の種族の基本研鑽演義等も説明する機会があれば紹介したいと思います。

(※あくまで未定でございますので、ご了承ください)

 それでは今回の『基本研鑽演義』の紹介はこの辺にしたいと思います。長くなりましたが、ここまで見て頂いた方々お疲れ様でした!

 作者:『羽海汐遠はねうみしおん』。

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