最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第989話 帰路についたユウゲ
ユウゲがケイノトの街まで戻ってきた頃、退魔組の元にもようやくゲンロクの居る里で起きた出来事の内容について今後の方針が決められた様子であった。
結論からいって退魔組としては『加護の森』に現れた『二人組』に関してはこれ以上は何も行動をせずに静観とする事とされた。
詳しい内情は加護の森に現れた件の二人組が、直接『妖魔召士』であるエイジ氏によってゲンロクの里に訪れた事で、詳しい詳細をゲンロク自身が聞き出した事で、落ち度はゲンロク側、ひいては退魔組にあった事が分かった為である。
『上位退魔士』であるミカゲが、加護の森に居た二人組を妖魔と勘違いし、何もしていない彼らに攻撃を加えた事で彼らは自分達の身を守る為に正当な反撃行動が生じた事で、そこで手に負えないと判断したミカゲが『特別退魔士』のタクシンに連絡を取り、更に彼らに対して襲撃を行った事が分かった。
その時点で落ち度は退魔士側にある事。つまりは全ての責任はそれを監督している『サテツ』に責任があるという事になるが、直接襲われた被害者側と全てを統括している組織の長であるゲンロクの話し合いの末、責任は全てゲンロクが負う事と認められた為、今回の一件は既に解決と成った。
当然、襲われた二人組によっての正当防衛の行いとゲンロクが認めた為、暫定の『妖魔召士』側の組織の長としての立場からの命令により、それを主とした報復行動の一切を禁ずるとされた証文が纏められて退魔組の現場頭領のサテツに届けられたのであった。
「ユウゲさんは運が良かったっすよ。イツキの任務で離れている間、屯所内は地獄でしたからね」
「タクシン様はこの退魔組に居る『特別退魔士』の代表格っしたからねぇ。出来ればサテツ様はその里に現れた連中をギタギタにしてやりたいと思っていた筈っすよー」
戻って来たユウゲを迎えてくれた仲間達。その中に居る三白眼の『特別退魔士』の『ヒイラギ』と黒く長い髪を二つに束ねたツインテールをしている『特別退魔士』の『クキ』の護衛を務めている『サキ』が、イツキからの別任務を行ってきたユウゲを労った後に、ぶつくさと今度は愚痴を伝えてくるのであった。
ユウゲが居ない間にこの方針が決まった退魔組では、サテツが相当に機嫌を悪くしていて、屯所に居づらい空気が流れていたらしい。ヒイラギ達に言葉を返しているとそこへ細目をした男が近づいてくる。
「ユウゲ様。任務の一件ありがとうございました。どうやら無事に終えられたようで良かったです」
「あ、ああ……。詳しい話は、奥の部屋でサテツ様を交えてしようか?」
「うーん、そうですね。今は少し時間を置いてからの方が宜しいでしょうね。また夜にでも例の場所でお聞かせ願えますか?」
ニコリと笑うイツキだが、今のやりとりの要点を纏めるならば『煌鴟梟』の出来事をサテツには通さずにまた夜に前の裏路地で二人で話し合おうという事であった。
「分かった、俺も少し疲れた。サテツ様に戻ってきた事の報告と挨拶を済ませたら、少し休ませてもらうがいいな?」
「ええ。またこちらから連絡しますので、ごゆっくり休まれてください」
退魔組内では完璧にサテツの補佐としての役割を全うしてみせるイツキは、ユウゲを労った後に深々と頭を下げてそのまま奥の部屋へと戻って行った。
「一体どんな任務だったのか、気になりますね。ユウゲ様、後で護衛の私を外してでも行われたその任務内容を教えてくださいよ」
どうやらイツキに依頼された任務をユウゲと一緒に行おうと考えていた『ヤエ』だったが、やんわりとイツキについていく事を断られた事を未だに恨んでいる様子であった。
「んー……。悪いが任務内容は教えられぬな。しかしまぁ俺としてはお前にもついてきて欲しいと道中ずっと考えていたんだ。お前が居なくて寂しかったよ」
「なっ……!!」
「それじゃあ悪いな、サテツ様に挨拶するからまた後でな」
そう言い残して颯爽とユウゲは、イツキの後を追うようにサテツの居る部屋へと入って行った。
その場に顔を赤らめながら『ヤエ』が扉を見つめていると、ヒイラギとサキがニヤニヤしながらヤエに視線を向けていた。
そのヒイラギの後ろで『ミナ』が『ヤエいいなぁ』と小声で呟いているのを『特別退魔士』の『クキ』は無言で聞きながら『全く複雑だ』と、ぽつりとこちらも告げるのであった。
結論からいって退魔組としては『加護の森』に現れた『二人組』に関してはこれ以上は何も行動をせずに静観とする事とされた。
詳しい内情は加護の森に現れた件の二人組が、直接『妖魔召士』であるエイジ氏によってゲンロクの里に訪れた事で、詳しい詳細をゲンロク自身が聞き出した事で、落ち度はゲンロク側、ひいては退魔組にあった事が分かった為である。
『上位退魔士』であるミカゲが、加護の森に居た二人組を妖魔と勘違いし、何もしていない彼らに攻撃を加えた事で彼らは自分達の身を守る為に正当な反撃行動が生じた事で、そこで手に負えないと判断したミカゲが『特別退魔士』のタクシンに連絡を取り、更に彼らに対して襲撃を行った事が分かった。
その時点で落ち度は退魔士側にある事。つまりは全ての責任はそれを監督している『サテツ』に責任があるという事になるが、直接襲われた被害者側と全てを統括している組織の長であるゲンロクの話し合いの末、責任は全てゲンロクが負う事と認められた為、今回の一件は既に解決と成った。
当然、襲われた二人組によっての正当防衛の行いとゲンロクが認めた為、暫定の『妖魔召士』側の組織の長としての立場からの命令により、それを主とした報復行動の一切を禁ずるとされた証文が纏められて退魔組の現場頭領のサテツに届けられたのであった。
「ユウゲさんは運が良かったっすよ。イツキの任務で離れている間、屯所内は地獄でしたからね」
「タクシン様はこの退魔組に居る『特別退魔士』の代表格っしたからねぇ。出来ればサテツ様はその里に現れた連中をギタギタにしてやりたいと思っていた筈っすよー」
戻って来たユウゲを迎えてくれた仲間達。その中に居る三白眼の『特別退魔士』の『ヒイラギ』と黒く長い髪を二つに束ねたツインテールをしている『特別退魔士』の『クキ』の護衛を務めている『サキ』が、イツキからの別任務を行ってきたユウゲを労った後に、ぶつくさと今度は愚痴を伝えてくるのであった。
ユウゲが居ない間にこの方針が決まった退魔組では、サテツが相当に機嫌を悪くしていて、屯所に居づらい空気が流れていたらしい。ヒイラギ達に言葉を返しているとそこへ細目をした男が近づいてくる。
「ユウゲ様。任務の一件ありがとうございました。どうやら無事に終えられたようで良かったです」
「あ、ああ……。詳しい話は、奥の部屋でサテツ様を交えてしようか?」
「うーん、そうですね。今は少し時間を置いてからの方が宜しいでしょうね。また夜にでも例の場所でお聞かせ願えますか?」
ニコリと笑うイツキだが、今のやりとりの要点を纏めるならば『煌鴟梟』の出来事をサテツには通さずにまた夜に前の裏路地で二人で話し合おうという事であった。
「分かった、俺も少し疲れた。サテツ様に戻ってきた事の報告と挨拶を済ませたら、少し休ませてもらうがいいな?」
「ええ。またこちらから連絡しますので、ごゆっくり休まれてください」
退魔組内では完璧にサテツの補佐としての役割を全うしてみせるイツキは、ユウゲを労った後に深々と頭を下げてそのまま奥の部屋へと戻って行った。
「一体どんな任務だったのか、気になりますね。ユウゲ様、後で護衛の私を外してでも行われたその任務内容を教えてくださいよ」
どうやらイツキに依頼された任務をユウゲと一緒に行おうと考えていた『ヤエ』だったが、やんわりとイツキについていく事を断られた事を未だに恨んでいる様子であった。
「んー……。悪いが任務内容は教えられぬな。しかしまぁ俺としてはお前にもついてきて欲しいと道中ずっと考えていたんだ。お前が居なくて寂しかったよ」
「なっ……!!」
「それじゃあ悪いな、サテツ様に挨拶するからまた後でな」
そう言い残して颯爽とユウゲは、イツキの後を追うようにサテツの居る部屋へと入って行った。
その場に顔を赤らめながら『ヤエ』が扉を見つめていると、ヒイラギとサキがニヤニヤしながらヤエに視線を向けていた。
そのヒイラギの後ろで『ミナ』が『ヤエいいなぁ』と小声で呟いているのを『特別退魔士』の『クキ』は無言で聞きながら『全く複雑だ』と、ぽつりとこちらも告げるのであった。
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