最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第863話 突然の手掛かりとご満悦なヌー
「すまぬがヌーよ。我は『エヴィ』を探す以外に他にやらねばならぬ事が出来た。お主が元の世界に戻りたいというのならば止めはせぬ。フルーフにも我の方から後で事情を話す。この世界から去りたいというのならばここで別れよう」
「てめぇが何をする気か知らねぇが、それこそこの町に来た最初にも告げたと思うが、自分の常識が通用しない世界は何処にも存在する。お前は何のためにここに来て、俺は誰の為にここに居ると思っている? まずお前のやるべき事を済ませるのが筋だろう?」
「……」
ヌーの言葉はこれ以上ない程に正論だった。ソフィはまずこの世界に来た目的である仲間の『エヴィ』を探し出す事が先決だろう。
だが、しかしソフィはそれでも事情をこうして知ってしまった後、あの時、助け出した動忍鬼に無責任な発言をした事がとても気になってしまっている。彼の性格上このままにしておく事は出来ないで居るのだった。
そこにエイジの口から思いもよらぬ言葉が飛び出す。
「ちょっと待ってくれ。お主達の探している『エヴィ』というのは青い髪の少年の事か?」
「何?」
「むっ……?」
ソフィとヌーは同時にエイジの顔を見る。
「お主、エヴィを知っておるのか!?」
ソフィが驚きの声をあげるとエイジは、シュウと顔を見合わせた後、再びソフィを見て頷いた。
「小生が知っておる『エヴィ』という少年が、お主の探している者と同じなのであれば、少し前までこの『ケイノト』に居たぞ?」
「それはまことのことか! エヴィは確かに青髪だ。そ、それで今エヴィは何処に?」
エイジの言葉に光明が見えたソフィは、居場所を知るであろうエイジに詰め寄って話を聞こうとする。
「エヴィという少年は、少し前にお主達のようにこの町に訪れたのだが、このケイノトの町長であり、周辺にある隠れ里の長でもある『退魔組』を創った『ゲンロク』という男と一悶着起こした後『イダラマ』という『妖魔召士』と共にこの町を去ってしまったのだ」
「揉め事?」
「何処で聞きつけたのかまでは分からぬが、エヴィという少年は世界を移動する事の出来ると言われる『転置宝玉』という物を狙って『ゲンロク』の屋敷に襲撃をしたのだ」
その言葉にソフィは眉を寄せて驚き、そして横に居たヌーは大笑いを始めるのだった。
「クックックック!!! 別世界へ跳ばされて早々町の権力者を襲撃か! やるじゃねぇか!! なぁソフィ? てめぇの配下達はやっぱりテメェに似て、頭がおかしい野郎達がズラリと勢揃いときたもんだな!!」
何が可笑しいのかヌーはやはり『天衣無縫』は最高にイカレてやがると、一人で騒ぎながら大笑いを始めるのであった。自分の配下を突然貶されたソフィは、当然何も面白くはなかった。
「いや、ヌーよ……。ちとその物言いは酷過ぎはしないだろうか?」
「カッカッカ!! 何をしでかすか分からねぇから奴は天衣無縫と呼ばれてるんだろうが! 今も変わらずで安心したぜ! 流石だ、褒めてやるよ!」
どうやらヌーはエヴィの事を相当に気に入っていたようで、変わっていなかった事に対して、喜んでいるようであった。
「もうよい」
どこまでも煽り散らかすヌーに機嫌を悪くしたソフィは、もうヌーから顔を逸らしてエイジの方に視線を向ける。その様子にヌーは更に気分を良くしたのか、これ以上ないというくらいにご満悦な表情を浮かべながらテアの肩を組んで大笑いを続けるのだった。
「――!」(もう! 何なんだよ、コイツ馴れ馴れしい野郎だなぁ! 分かったってば! もう!)
ヌーがいきなり馴れ馴れしく肩を組んできた為、その手を払いのけようと考えたテアだったが、これ以上ない程に嬉しそうに笑うヌーを見て諦めたのか、溜息を吐いてされるがままにされる死神だった。
……
……
……
「てめぇが何をする気か知らねぇが、それこそこの町に来た最初にも告げたと思うが、自分の常識が通用しない世界は何処にも存在する。お前は何のためにここに来て、俺は誰の為にここに居ると思っている? まずお前のやるべき事を済ませるのが筋だろう?」
「……」
ヌーの言葉はこれ以上ない程に正論だった。ソフィはまずこの世界に来た目的である仲間の『エヴィ』を探し出す事が先決だろう。
だが、しかしソフィはそれでも事情をこうして知ってしまった後、あの時、助け出した動忍鬼に無責任な発言をした事がとても気になってしまっている。彼の性格上このままにしておく事は出来ないで居るのだった。
そこにエイジの口から思いもよらぬ言葉が飛び出す。
「ちょっと待ってくれ。お主達の探している『エヴィ』というのは青い髪の少年の事か?」
「何?」
「むっ……?」
ソフィとヌーは同時にエイジの顔を見る。
「お主、エヴィを知っておるのか!?」
ソフィが驚きの声をあげるとエイジは、シュウと顔を見合わせた後、再びソフィを見て頷いた。
「小生が知っておる『エヴィ』という少年が、お主の探している者と同じなのであれば、少し前までこの『ケイノト』に居たぞ?」
「それはまことのことか! エヴィは確かに青髪だ。そ、それで今エヴィは何処に?」
エイジの言葉に光明が見えたソフィは、居場所を知るであろうエイジに詰め寄って話を聞こうとする。
「エヴィという少年は、少し前にお主達のようにこの町に訪れたのだが、このケイノトの町長であり、周辺にある隠れ里の長でもある『退魔組』を創った『ゲンロク』という男と一悶着起こした後『イダラマ』という『妖魔召士』と共にこの町を去ってしまったのだ」
「揉め事?」
「何処で聞きつけたのかまでは分からぬが、エヴィという少年は世界を移動する事の出来ると言われる『転置宝玉』という物を狙って『ゲンロク』の屋敷に襲撃をしたのだ」
その言葉にソフィは眉を寄せて驚き、そして横に居たヌーは大笑いを始めるのだった。
「クックックック!!! 別世界へ跳ばされて早々町の権力者を襲撃か! やるじゃねぇか!! なぁソフィ? てめぇの配下達はやっぱりテメェに似て、頭がおかしい野郎達がズラリと勢揃いときたもんだな!!」
何が可笑しいのかヌーはやはり『天衣無縫』は最高にイカレてやがると、一人で騒ぎながら大笑いを始めるのであった。自分の配下を突然貶されたソフィは、当然何も面白くはなかった。
「いや、ヌーよ……。ちとその物言いは酷過ぎはしないだろうか?」
「カッカッカ!! 何をしでかすか分からねぇから奴は天衣無縫と呼ばれてるんだろうが! 今も変わらずで安心したぜ! 流石だ、褒めてやるよ!」
どうやらヌーはエヴィの事を相当に気に入っていたようで、変わっていなかった事に対して、喜んでいるようであった。
「もうよい」
どこまでも煽り散らかすヌーに機嫌を悪くしたソフィは、もうヌーから顔を逸らしてエイジの方に視線を向ける。その様子にヌーは更に気分を良くしたのか、これ以上ないというくらいにご満悦な表情を浮かべながらテアの肩を組んで大笑いを続けるのだった。
「――!」(もう! 何なんだよ、コイツ馴れ馴れしい野郎だなぁ! 分かったってば! もう!)
ヌーがいきなり馴れ馴れしく肩を組んできた為、その手を払いのけようと考えたテアだったが、これ以上ない程に嬉しそうに笑うヌーを見て諦めたのか、溜息を吐いてされるがままにされる死神だった。
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