最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第794話 スクアードの体現方法
「ラクスちゃんに修行で施したのは、スクアードに頼り過ぎないやり方だったからねぇ。あの子は最初からスクアードをつかえていたし『紅』や『青』のようなオーラの類だというのは間違いないんだけどぉ……」
過去の事を思い出しながらリディアに語るレアだが、レアは魔人でもなく魔族である為、スクアードについて明確にこうであると説明が出来ないようであった。
「スクアードは、魔族の使うオーラとは少し違うな。スクアードは『力』を増幅させる印象。オーラは『魔』を増幅させる印象だ」
その声に周りに居る者達が一斉に反応する。
「「フルーフ様!」」
「おお、フルーフよ。来てくれたか」
まずレアとユファが声をあげた後、姿を確認したソフィが嬉しそうに言葉を出すのだった。
「うむ。迎えに来たぞソフィよ」
フルーフはレアの頭を撫でながらソフィの前で拳を出して互いに挨拶を交わす。
「忙しいところに来てもらってすまぬな。宜しく頼む」
「ちょっと待てそこのお前。スクアードの事を知っているなら、詳しく教えてくれ」
ソフィの言葉に頷いていたフルーフだったが、そこにリディアが割って入った。
フルーフはリディアの顔を見ていたがそこでレアが、自分の顔の前で手を合わせながら教えてあげて欲しいという表情を浮かべた為、フルーフはレアに頷いた後にリディアに口を開くのだった。
「見たところお主は人間のようだが、お主の知りたがっているスクアードは、魔人の力を増幅させる技法だぞ?」
「ああ、それは構わない。どうやら俺は先祖に魔人を持つ人間だ」
あっさりと自分の『種』の出所を話すリディアだった。
「ほう……。珍しい人間もいるものだ。ソフィよ少し時間を貰ってもよいか?」
「我の事は構わぬ。リディアに教えてやってくれ」
ソフィの許可をとったフルーフは、リディアに向けて口を開く。
「お主『淡いオーラ』は使えるのか?」
「『金色』とやらでいいなら使える」
「ほう! お主も『体現者』なのか!」
フルーフは『青のオーラ』を使えるかどうかを聞いたつもりだったが、返ってきた言葉に驚きの表情を浮かべた。
『金色の体現者』はあらゆる世界や、あらゆる時代をひっくるめて考えても数百年から数千年規模で体現する存在自体が少ない。
アサの世界で体現を果たしたミデェールに続き、こうして目の前でまた寿命の短い筈の人間が『金色の体現者』と知り、感心するようにリディアを見つめるのだった。
「それならば話は早いな、金色を体現させた時のように自身を客観的に見据えるのだ。そして『魔』では無く、『力』の依り代となる物を連想し、自身の身体に宿らせるようにイメージする。そのイメージした自分を生み出した後、そのイメージした物を両手で握り潰すように意識を集約させろ」
「どういう事だ? 貴様の言っている言葉が、何一つ理解出来んぞ」
フルーフの言葉を真面目に聞いていたリディアだったが、何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
「ようは金色を体現させた時の感覚を思い出せばよい。金色のように先天性の素質が必要だという事も無く、スクアードは魔人の血筋であれば使える筈だ」
リディアは再度説明されるフルーフの言葉を訝しげに聞きながら行動を起こすが、スクアードのように目が紅くなるわけでもなく、単なる金色のオーラが周囲に纏われるだけだった。
「違うな。それは金色を発動させているだけにすぎぬ。体現の瞬間の感覚を思い出すのだ」
「体現の瞬間? そんなもの覚えていないのだが……」
金色を自在に操れるようになったのはシス女王との修行の一件以来であり、その時に教わった方法でしか金色を発動することは出来ないのだった。
どうやらリディアが本当に金色の体現の時の感覚をその身に覚えていないという事を悟ったフルーフは、手を口元に持っていきながらリディアと同じく悩み始めるのだった。
「ちょっといいかな?」
その悩むリディア達の元にシスが姿を見せる。しかし口調はシス女王のモノとは違うものであり、どうやら『シス』では無く『エルシス』のようであった。
……
……
……
過去の事を思い出しながらリディアに語るレアだが、レアは魔人でもなく魔族である為、スクアードについて明確にこうであると説明が出来ないようであった。
「スクアードは、魔族の使うオーラとは少し違うな。スクアードは『力』を増幅させる印象。オーラは『魔』を増幅させる印象だ」
その声に周りに居る者達が一斉に反応する。
「「フルーフ様!」」
「おお、フルーフよ。来てくれたか」
まずレアとユファが声をあげた後、姿を確認したソフィが嬉しそうに言葉を出すのだった。
「うむ。迎えに来たぞソフィよ」
フルーフはレアの頭を撫でながらソフィの前で拳を出して互いに挨拶を交わす。
「忙しいところに来てもらってすまぬな。宜しく頼む」
「ちょっと待てそこのお前。スクアードの事を知っているなら、詳しく教えてくれ」
ソフィの言葉に頷いていたフルーフだったが、そこにリディアが割って入った。
フルーフはリディアの顔を見ていたがそこでレアが、自分の顔の前で手を合わせながら教えてあげて欲しいという表情を浮かべた為、フルーフはレアに頷いた後にリディアに口を開くのだった。
「見たところお主は人間のようだが、お主の知りたがっているスクアードは、魔人の力を増幅させる技法だぞ?」
「ああ、それは構わない。どうやら俺は先祖に魔人を持つ人間だ」
あっさりと自分の『種』の出所を話すリディアだった。
「ほう……。珍しい人間もいるものだ。ソフィよ少し時間を貰ってもよいか?」
「我の事は構わぬ。リディアに教えてやってくれ」
ソフィの許可をとったフルーフは、リディアに向けて口を開く。
「お主『淡いオーラ』は使えるのか?」
「『金色』とやらでいいなら使える」
「ほう! お主も『体現者』なのか!」
フルーフは『青のオーラ』を使えるかどうかを聞いたつもりだったが、返ってきた言葉に驚きの表情を浮かべた。
『金色の体現者』はあらゆる世界や、あらゆる時代をひっくるめて考えても数百年から数千年規模で体現する存在自体が少ない。
アサの世界で体現を果たしたミデェールに続き、こうして目の前でまた寿命の短い筈の人間が『金色の体現者』と知り、感心するようにリディアを見つめるのだった。
「それならば話は早いな、金色を体現させた時のように自身を客観的に見据えるのだ。そして『魔』では無く、『力』の依り代となる物を連想し、自身の身体に宿らせるようにイメージする。そのイメージした自分を生み出した後、そのイメージした物を両手で握り潰すように意識を集約させろ」
「どういう事だ? 貴様の言っている言葉が、何一つ理解出来んぞ」
フルーフの言葉を真面目に聞いていたリディアだったが、何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
「ようは金色を体現させた時の感覚を思い出せばよい。金色のように先天性の素質が必要だという事も無く、スクアードは魔人の血筋であれば使える筈だ」
リディアは再度説明されるフルーフの言葉を訝しげに聞きながら行動を起こすが、スクアードのように目が紅くなるわけでもなく、単なる金色のオーラが周囲に纏われるだけだった。
「違うな。それは金色を発動させているだけにすぎぬ。体現の瞬間の感覚を思い出すのだ」
「体現の瞬間? そんなもの覚えていないのだが……」
金色を自在に操れるようになったのはシス女王との修行の一件以来であり、その時に教わった方法でしか金色を発動することは出来ないのだった。
どうやらリディアが本当に金色の体現の時の感覚をその身に覚えていないという事を悟ったフルーフは、手を口元に持っていきながらリディアと同じく悩み始めるのだった。
「ちょっといいかな?」
その悩むリディア達の元にシスが姿を見せる。しかし口調はシス女王のモノとは違うものであり、どうやら『シス』では無く『エルシス』のようであった。
……
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