最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第784話 リラリオ原初の魔王の強さ
「そのソフィさんが戦ったレキって魔族が、この世界の魔物達を生み出した魔王で間違いないの?」
「レルバノンやキーリは、レキがこの世界の原初の魔王だと言っていたな。それにあやつの強さから見て、原初の魔族というのは間違いないだろう」
少し上機嫌でレキの事を話すソフィを見たシスは、このリラリオの魔物の増加がそのレキという『原初の魔族』の所為なのだろうという確信を持つのだった。
「そのレキって魔族が復活したのだとして、再びこの世界を我が物としようと魔物達を使い始めたって事かもしれませんね。折角この国の復興も進んで来たというのにいらない事をされる前に、倒してしまいましょうか」
どうやらこの国の事を考えてそう発言したであろうユファに、ソフィは静かに首を振った。
「やめておけ。まだ確実にあやつが原因だと決まったワケでは無いし下手に手を出せば、それこそいらぬ犠牲を出すかもしれぬ」
そう告げるソフィの目は真剣そのものだった。
「レキって魔族は、そんなに強いのですか?」
ユファはソフィの配下となって長い。そのユファが今の主の様子から、本心を察してそう口にするのだった。
「クックック……。間違いなく強いな『代替身体』の身でありながら、我が対峙した時の『ダルダオス』と遜色ない程の強さをしておったよ」
「!?」
『ダルダオス』という言葉がソフィの口から出た事で明確に驚いたのがユファであり、この場に居る他の者達はその名にピンと来なかったのか、誰だろうという様子で首を傾げたり、互いの顔を見たりしていた。
「それは確かに……下手に手を出そうと、考えない方が賢明のようですね」
勝手に納得を始めるユファを見て、この場に居る者達はその『ダルダオス』という存在も相当に強いのだろうと察するのだった。
「今の話を一応心に留めておいて欲しい。それとユファよ。フルーフとレアは当分の間は『レパート』の世界に戻るつもりらしい。魔物達の増加などに進展があれば、フルーフを通して我に伝えてくれぬか」
「分かりました。フルーフ様はレパートの世界に帰られるのですね」
コクリとソフィは頷く。
そしてどうやらそこでこの話を終えるつもりなのだろう。ソフィが座り直していた椅子から、立ち上がろうとするが、そこへカチャリと音を立てながら部屋の扉が開かれる。
――入ってきたのはレア達であった。
レアはリディアに絡みつくように密着している。どうやらレアは相当にリディアの事を気に入ったのだろう。
「クックック、お主は余程レアに気に入られたらしいな?」
その様子を見たこの場に居る者達は、普段の孤高の剣士といった存在のリディアが、レアにされるがままになっている事を良しとしている姿に唖然として驚く。
「先祖の忘れ形見だ。もう諦める事にした」
その言葉に再びこの場に居る者達は互いに互いの顔を見る。レアは驚いた様子を見せる者達の中で、シスの顔を見たかと思うと、たたっと駆け出してシスに抱き着き始める。
「もちろん貴方の事もこの私がうんと、うーんと、可愛がってあげるからねぇ? 嫉妬しちゃだめよぉ?」
「え……? え、ええ。そ、それはどうも?」
突然の抱擁に何がなんだかといった様子で、顔をヒキつかせながら礼を言うシスであった。
「ほらほらレア。シスが困っているから離れなさい」
そう言ってユファは無理矢理レアをシスから引き剥がすと、名残惜しそうにレアはシスに手を伸ばしていたが、そこでソフィがレアに口を開いた。
「クックック、こちらの準備は整った。レアよ、そろそろフルーフに伝えてくれぬか?」
「あれ、もういいんですか? 数日はリーネとゆっくりして頂いていいんですよぉ?」
にやにやといつもの調子で笑うレアだったが、ソフィは首を横に振る。
「気遣いは感謝するが、城にヌーを待たせておるのだ」
「あの魔王の事、まだ生かしてたんですかぁ?」
悪戯な笑みを浮かべていたレアだったが、ソフィの口から一体の『大魔王』の名が出るとその笑みを打ち消して、憎々しそうに口に出すのだった。
……
……
……
「レルバノンやキーリは、レキがこの世界の原初の魔王だと言っていたな。それにあやつの強さから見て、原初の魔族というのは間違いないだろう」
少し上機嫌でレキの事を話すソフィを見たシスは、このリラリオの魔物の増加がそのレキという『原初の魔族』の所為なのだろうという確信を持つのだった。
「そのレキって魔族が復活したのだとして、再びこの世界を我が物としようと魔物達を使い始めたって事かもしれませんね。折角この国の復興も進んで来たというのにいらない事をされる前に、倒してしまいましょうか」
どうやらこの国の事を考えてそう発言したであろうユファに、ソフィは静かに首を振った。
「やめておけ。まだ確実にあやつが原因だと決まったワケでは無いし下手に手を出せば、それこそいらぬ犠牲を出すかもしれぬ」
そう告げるソフィの目は真剣そのものだった。
「レキって魔族は、そんなに強いのですか?」
ユファはソフィの配下となって長い。そのユファが今の主の様子から、本心を察してそう口にするのだった。
「クックック……。間違いなく強いな『代替身体』の身でありながら、我が対峙した時の『ダルダオス』と遜色ない程の強さをしておったよ」
「!?」
『ダルダオス』という言葉がソフィの口から出た事で明確に驚いたのがユファであり、この場に居る他の者達はその名にピンと来なかったのか、誰だろうという様子で首を傾げたり、互いの顔を見たりしていた。
「それは確かに……下手に手を出そうと、考えない方が賢明のようですね」
勝手に納得を始めるユファを見て、この場に居る者達はその『ダルダオス』という存在も相当に強いのだろうと察するのだった。
「今の話を一応心に留めておいて欲しい。それとユファよ。フルーフとレアは当分の間は『レパート』の世界に戻るつもりらしい。魔物達の増加などに進展があれば、フルーフを通して我に伝えてくれぬか」
「分かりました。フルーフ様はレパートの世界に帰られるのですね」
コクリとソフィは頷く。
そしてどうやらそこでこの話を終えるつもりなのだろう。ソフィが座り直していた椅子から、立ち上がろうとするが、そこへカチャリと音を立てながら部屋の扉が開かれる。
――入ってきたのはレア達であった。
レアはリディアに絡みつくように密着している。どうやらレアは相当にリディアの事を気に入ったのだろう。
「クックック、お主は余程レアに気に入られたらしいな?」
その様子を見たこの場に居る者達は、普段の孤高の剣士といった存在のリディアが、レアにされるがままになっている事を良しとしている姿に唖然として驚く。
「先祖の忘れ形見だ。もう諦める事にした」
その言葉に再びこの場に居る者達は互いに互いの顔を見る。レアは驚いた様子を見せる者達の中で、シスの顔を見たかと思うと、たたっと駆け出してシスに抱き着き始める。
「もちろん貴方の事もこの私がうんと、うーんと、可愛がってあげるからねぇ? 嫉妬しちゃだめよぉ?」
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「ほらほらレア。シスが困っているから離れなさい」
そう言ってユファは無理矢理レアをシスから引き剥がすと、名残惜しそうにレアはシスに手を伸ばしていたが、そこでソフィがレアに口を開いた。
「クックック、こちらの準備は整った。レアよ、そろそろフルーフに伝えてくれぬか?」
「あれ、もういいんですか? 数日はリーネとゆっくりして頂いていいんですよぉ?」
にやにやといつもの調子で笑うレアだったが、ソフィは首を横に振る。
「気遣いは感謝するが、城にヌーを待たせておるのだ」
「あの魔王の事、まだ生かしてたんですかぁ?」
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