最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第779話 妖魔と戦う人間達の世界
ソフィがエルシスの元まで行くが、既にエルシスは姿を消してシスに戻っていた。
ここはレア達を残してあげましょうとばかりに、シスはソフィ達に視線を送ると、その視線に頷きながらもソフィは、心配そうにレアを見つめるキーリが視界に入る。
(後はお主に任せる)
そうキーリに『念話』を送るとキーリは、ちらりとソフィの方を見て頷いた。その頷きを確認した後、ソフィ達はレイズ城の中へと入っていくのだった。
レイズ城の最上階を目指しながらソフィは、横に歩くサイヨウに声を掛ける。
「先程の鬼はお主の使役した魔物なのか?」
「それは『紅羽』の事か? まぁ厳密には魔物では無く妖魔の類だ。小生の国に現れた鬼人の妖魔という者達だ」
「ほう……。妖魔というのか。お主は人間だと我は思っておるのだが、先程の『紅羽』と言ったか? その妖魔をあっさりと使役するお主はやはり強いのだな」
アレルバレルの世界やリラリオの世界でも当然強い人間は居る。大賢者と呼ばれる程まで、強くなったエルシスやミラ。このリラリオの世界でも、才ある者は魔法使いや剣士でも居た。先程その『紅羽』を倒して見せたリディアや、ソフィの配下であるラルフも日々強くなっている。
しかしその『紅羽』という妖魔を使役して見せたサイヨウだけは、ソフィから見ても底が見えないと思わせる程の強さを持っているように見受けられる。
「そう言ってもらえると嬉しいものだがな、ソフィ殿。我が国には小生より強い者はまだまだおるでな。この程度では自慢は出来ぬよ」
そのサイヨウの言葉に、ソフィ達の後をついてきていたラルフは驚いて顔をあげた。実際にサイヨウと戦っていないソフィよりも、直接修行をつけてもらっているラルフ達の方が、驚きとショックが大きかったようである。
当然主であるソフィやエルシス、そして九大魔王と呼ばれる者達より、サイヨウの方が強いとまでは言わないが、同じ人間としてラルフから見れば、サイヨウは上から数えた方が早い程の力量を持っていると確信していた。しかしそれがまさかサイヨウの居た国では、サイヨウ程の強さの人間がまだまだいると聞かされて、驚くなという方が無理があるのであった。
「小生の国では生まれた時から特別な鑑定を受けて、魔力に見込みがあると判断された者は戦士として育てられるのだが、その戦士にも二種類のタイプがあってな、小生のようなタイプが『妖魔召士』。そして、もう一方が『妖魔退魔師』と呼ばれるのだ」
「ふむ『妖魔召士』と『妖魔退魔師』か」
「小生達のような『妖魔召士』は本来、悪に染まった妖魔たちを一度捕縛し、徳を積ませて善へ魂を洗浄させて、次世では良い生を歩ませる事を目的とするのだ」
ソフィはかつてサイヨウが『ミールガルド』大陸で。ソフィに説法を施した時に、ある程度は聞いたことがあるなと頷いてみせる。
「次に小生とは違うタイプの戦士たちの『妖魔退魔師』だが、こちらは妖魔達を処理する事に重きを置く者達であり『妖魔退魔師』は『妖魔召士』より戦力値が遥かに高く、その『妖魔退魔師』になれる者も限られておるのだ」
「待ってくださいサイヨウさん。 貴方も信じられない程に強い人間だと思うのですが『妖魔退魔師』は、サイヨウさんより強いというのですか?」
ソフィ達の後ろを歩いていたラルフは、流石にこれ以上は質問を我慢できなかったようで話の途中だというのに、サイヨウの言葉の間に割り込ませるのであった。
「まぁ、若い『妖魔退魔師』達であれば、小生もやられる事は無いと思うが、熟練された『妖魔退魔師』が相手であれば、小生など数秒も持たぬだろうな」
サイヨウは過去を思うように何処か遠い目をしながらそう口にするのだった。
「!?」
「何と、お主がか……?」
「「……」」
ラルフだけでは無く、聞き耳を立てていたシスやユファもまた、サイヨウの言葉に愕然とする。
「因みになのですが、先程リディアが相手をしていた『鬼』は、相当に強いと思われますが、サイヨウさんであれば勝てるのでしょう?」
「うむ『紅羽』であれば小生でも問題なく勝てる」
その言葉に質問をしたラルフよりも、ユファの方がショックを受けていた。
『紅』と『青』の『二色の併用』をようやく使いこなすことが出来るようになり、魔族としてやっとスタートラインに立てたと思っていたユファだが、それでも先程の『紅羽』と呼ばれる鬼人の妖魔には勝てるとは思えなかった。
しかしそんな『紅羽』でさえ『妖魔召士』の彼だとあっさりと倒せるのだというのだ。ではそんなサイヨウよりも強いという『妖魔退魔師』は、一体どれ程の強さなのだろうか。
「我は人間がその気になれば、無限の可能性があると信じておった。しかしそれは人間だけでは無く、魔族や精霊、魔人族であっても同じことなのだ。才能も勿論大事な事だが、いくら才能を持っていたとしても努力をしなければ強くはなれない。ユファにラルフよ、お主達が努力をかかさず研鑽を続けて行けば、いずれは必ず強くなれるのだ。だから今の自分より、強い者の話を聞いたからといって、決して諦めてはならぬぞ」
「は、はい!」
「ぞ、存じております!」
絶望を感じていたラルフとその師であるユファもソフィの言葉に頷き、自分を信じなければ、誰が信じてくれるというのだと思いなおすのであった。
「しかしお主は『ミールガルド』大陸出身の人間ではないだろう? 先程の話では、妖魔という存在が出てきたが、我はこの世界でそのような者は見たことがない」
リラリオの世界の全てを知っているわけでは無いが、それでもソフィは一年という年月をこの世界で過ごし、組織の者達や『レキ』という存在を知った今でも『妖魔』といった類のものは、先程リディアが戦っていた者しか見たことがない。
「うむ。小生はこの世界の者ではない。お主と同じく別世界から来た者だ」
……
……
……
ここはレア達を残してあげましょうとばかりに、シスはソフィ達に視線を送ると、その視線に頷きながらもソフィは、心配そうにレアを見つめるキーリが視界に入る。
(後はお主に任せる)
そうキーリに『念話』を送るとキーリは、ちらりとソフィの方を見て頷いた。その頷きを確認した後、ソフィ達はレイズ城の中へと入っていくのだった。
レイズ城の最上階を目指しながらソフィは、横に歩くサイヨウに声を掛ける。
「先程の鬼はお主の使役した魔物なのか?」
「それは『紅羽』の事か? まぁ厳密には魔物では無く妖魔の類だ。小生の国に現れた鬼人の妖魔という者達だ」
「ほう……。妖魔というのか。お主は人間だと我は思っておるのだが、先程の『紅羽』と言ったか? その妖魔をあっさりと使役するお主はやはり強いのだな」
アレルバレルの世界やリラリオの世界でも当然強い人間は居る。大賢者と呼ばれる程まで、強くなったエルシスやミラ。このリラリオの世界でも、才ある者は魔法使いや剣士でも居た。先程その『紅羽』を倒して見せたリディアや、ソフィの配下であるラルフも日々強くなっている。
しかしその『紅羽』という妖魔を使役して見せたサイヨウだけは、ソフィから見ても底が見えないと思わせる程の強さを持っているように見受けられる。
「そう言ってもらえると嬉しいものだがな、ソフィ殿。我が国には小生より強い者はまだまだおるでな。この程度では自慢は出来ぬよ」
そのサイヨウの言葉に、ソフィ達の後をついてきていたラルフは驚いて顔をあげた。実際にサイヨウと戦っていないソフィよりも、直接修行をつけてもらっているラルフ達の方が、驚きとショックが大きかったようである。
当然主であるソフィやエルシス、そして九大魔王と呼ばれる者達より、サイヨウの方が強いとまでは言わないが、同じ人間としてラルフから見れば、サイヨウは上から数えた方が早い程の力量を持っていると確信していた。しかしそれがまさかサイヨウの居た国では、サイヨウ程の強さの人間がまだまだいると聞かされて、驚くなという方が無理があるのであった。
「小生の国では生まれた時から特別な鑑定を受けて、魔力に見込みがあると判断された者は戦士として育てられるのだが、その戦士にも二種類のタイプがあってな、小生のようなタイプが『妖魔召士』。そして、もう一方が『妖魔退魔師』と呼ばれるのだ」
「ふむ『妖魔召士』と『妖魔退魔師』か」
「小生達のような『妖魔召士』は本来、悪に染まった妖魔たちを一度捕縛し、徳を積ませて善へ魂を洗浄させて、次世では良い生を歩ませる事を目的とするのだ」
ソフィはかつてサイヨウが『ミールガルド』大陸で。ソフィに説法を施した時に、ある程度は聞いたことがあるなと頷いてみせる。
「次に小生とは違うタイプの戦士たちの『妖魔退魔師』だが、こちらは妖魔達を処理する事に重きを置く者達であり『妖魔退魔師』は『妖魔召士』より戦力値が遥かに高く、その『妖魔退魔師』になれる者も限られておるのだ」
「待ってくださいサイヨウさん。 貴方も信じられない程に強い人間だと思うのですが『妖魔退魔師』は、サイヨウさんより強いというのですか?」
ソフィ達の後ろを歩いていたラルフは、流石にこれ以上は質問を我慢できなかったようで話の途中だというのに、サイヨウの言葉の間に割り込ませるのであった。
「まぁ、若い『妖魔退魔師』達であれば、小生もやられる事は無いと思うが、熟練された『妖魔退魔師』が相手であれば、小生など数秒も持たぬだろうな」
サイヨウは過去を思うように何処か遠い目をしながらそう口にするのだった。
「!?」
「何と、お主がか……?」
「「……」」
ラルフだけでは無く、聞き耳を立てていたシスやユファもまた、サイヨウの言葉に愕然とする。
「因みになのですが、先程リディアが相手をしていた『鬼』は、相当に強いと思われますが、サイヨウさんであれば勝てるのでしょう?」
「うむ『紅羽』であれば小生でも問題なく勝てる」
その言葉に質問をしたラルフよりも、ユファの方がショックを受けていた。
『紅』と『青』の『二色の併用』をようやく使いこなすことが出来るようになり、魔族としてやっとスタートラインに立てたと思っていたユファだが、それでも先程の『紅羽』と呼ばれる鬼人の妖魔には勝てるとは思えなかった。
しかしそんな『紅羽』でさえ『妖魔召士』の彼だとあっさりと倒せるのだというのだ。ではそんなサイヨウよりも強いという『妖魔退魔師』は、一体どれ程の強さなのだろうか。
「我は人間がその気になれば、無限の可能性があると信じておった。しかしそれは人間だけでは無く、魔族や精霊、魔人族であっても同じことなのだ。才能も勿論大事な事だが、いくら才能を持っていたとしても努力をしなければ強くはなれない。ユファにラルフよ、お主達が努力をかかさず研鑽を続けて行けば、いずれは必ず強くなれるのだ。だから今の自分より、強い者の話を聞いたからといって、決して諦めてはならぬぞ」
「は、はい!」
「ぞ、存じております!」
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