最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第733話 ミデェールの素質と可能性
エイネとソフィは同時にミデェールの方を見る。何故なら先程のミデェールの呟きの通り、リーシャは横から手を伸ばしていた魔族に気をとられていて、前から向かってきていた者からの対応が遅れていた。オーラを纏っていない今のリーシャであれば、触れていても可笑しくは無いタイミングだった。
余裕のあるように見えているが、試験が始まった頃の速度に戻ってからリーシャは、こうした危なっかしい動きが幾度と無く見られるようになっている。
どうやら試験終了までに合格者を出さないようにしようという決意の表れか、速度を上げた事によって動きが、荒くなっているのである。
しかしそれを見極められるのは、最低でもAクラスに抜擢された者達や、今こうして観戦をしているソフィ達だからこそ、気づける程のものであり、実際に戦っている戦力値200億付近のBクラスの者達では気づける確率は低く、ましてや上位魔族程度の力しか持たない『ミデェール』では目にも映らない速度の筈である。
だが、そのミデェールは的確にリーシャの些細なミスに気づき、その前に居た魔族が触れられそうになっているところを見極められたのである。
「ミデェール。貴方リーシャの動きが見えているの?」
「えっ? は、はいソフィ様に言われた通り『紅い目』を使ってよく見れば、動きが遅く見えるようになったので……」
当然、ミデェールの魔瞳である『紅い目』自体の効力で『リーシャ』やBクラス達の動きを見極められたのでは無いだろう。
先程ミデェールの言っていた特異の力が『金色のオーラ』を集約する力を『紅い目』によって最適化された事により発動されたのだろう。
エイネは既にミデェールの『特異の力』を、アサの世界で一度見ている。ハイウルキアの龍王である『ガウル』との戦いでミデェールは、今と同じように特異を用いて、相手の動きを完全に見極めて躱せていた。
しかし金色を纏っておらず、全然本気では無いとはいっても、ガウル龍王とリーシャとでは強さを比較してみても数値上の意味であっても桁違いなのである。
エイネは体現者では無い為に特異の凄さについては、よく分かってはいない。しかし自身が体現者であり、数多くの特異を見てきた大魔王ソフィは違う。
金色のオーラで増幅された力のコントロールが安定せず、特異の力を上手く使えないという事で『紅い目』を使っての特異をコントロールさせる術は教えたが、まさかその『紅い目』でリーシャの動きを捕捉して見せる程とは思わなかった。
特異は金色のオーラを体現した者にしか身に宿る事は無い。
まさに先天性の贈り物というべきモノである。
当然その特異の力は、魔瞳を扱う事によって増幅されるモノではあるが、特異の力の上昇は『紅い目』程度では微々たる効果の上昇しか及ぼさず『金色の目』を用いて、ようやく力の増幅が行われるのである。
しかし試験を行っているリーシャは『大魔王中位領域程』まで力を引き出している。そのリーシャの動きがみえているというのであれば、ミデェールの特異はとんでもない力を秘めている可能性があるのだった。
そしてソフィは先程のミデェールの言葉を思い出す。
ミデェールは、リーシャの動きが遅く見えていると言っていた。
つまり現在の上位魔族のミデェールは、大魔王中位領域程の力を展開しているリーシャの動きが単に見えているのではなく『遅く見えている』という事になる。
もし現実にそうなのであれば、この試験にミデェールが出場出来ていれば、試験に合格して序列入りが可能だったかもしれない。
当然それだけで序列入りを果たしたところで、相手の攻撃に対する対応力が乏しい為に、ミデェールはあっさりと格上の魔族達にやられてしまうだろう。
しかしミデェールが力をつけて大魔王領域まで育ちあらゆる研鑽を積んだ後『金色の目』まで開眼せしめてしまえば、この恐ろしい特異を持ったミデェールは序列部隊どころか、ソフィの認める最高幹部まで、昇りつめる事も可能かもしれない。
ここまで強力な特異は、元序列部隊一桁で、第三位まで登り詰めた『バルド』のクラスの特異に匹敵している。
『紅い目』でようやく『特異』の力をコントロール出来ている状態である為、
まだ何とも言えないが、もし『金色の目』で『特異』の力が増幅するような事であれば、あの『レキ』の持っていた『魔瞳』である『支配の目』に匹敵するようになるかもしれないと密かにソフィは、ミデェールの可能性をそこまで考えて推し量り始める。
しかし当然ながら『支配の目』は、魔人族の遺伝子が無ければ開眼する事は無い為『紅い目』や『金色の目』を開眼した魔族であっても『支配の目』を扱う事は出来ない。
だが、その事を知らないソフィにとっては『相手の動きが遅く見える』というレキの『支配の目』と疑似的な効力を持ったミデェールの『特異の力』に興味を持ち始めるのだった。
余裕のあるように見えているが、試験が始まった頃の速度に戻ってからリーシャは、こうした危なっかしい動きが幾度と無く見られるようになっている。
どうやら試験終了までに合格者を出さないようにしようという決意の表れか、速度を上げた事によって動きが、荒くなっているのである。
しかしそれを見極められるのは、最低でもAクラスに抜擢された者達や、今こうして観戦をしているソフィ達だからこそ、気づける程のものであり、実際に戦っている戦力値200億付近のBクラスの者達では気づける確率は低く、ましてや上位魔族程度の力しか持たない『ミデェール』では目にも映らない速度の筈である。
だが、そのミデェールは的確にリーシャの些細なミスに気づき、その前に居た魔族が触れられそうになっているところを見極められたのである。
「ミデェール。貴方リーシャの動きが見えているの?」
「えっ? は、はいソフィ様に言われた通り『紅い目』を使ってよく見れば、動きが遅く見えるようになったので……」
当然、ミデェールの魔瞳である『紅い目』自体の効力で『リーシャ』やBクラス達の動きを見極められたのでは無いだろう。
先程ミデェールの言っていた特異の力が『金色のオーラ』を集約する力を『紅い目』によって最適化された事により発動されたのだろう。
エイネは既にミデェールの『特異の力』を、アサの世界で一度見ている。ハイウルキアの龍王である『ガウル』との戦いでミデェールは、今と同じように特異を用いて、相手の動きを完全に見極めて躱せていた。
しかし金色を纏っておらず、全然本気では無いとはいっても、ガウル龍王とリーシャとでは強さを比較してみても数値上の意味であっても桁違いなのである。
エイネは体現者では無い為に特異の凄さについては、よく分かってはいない。しかし自身が体現者であり、数多くの特異を見てきた大魔王ソフィは違う。
金色のオーラで増幅された力のコントロールが安定せず、特異の力を上手く使えないという事で『紅い目』を使っての特異をコントロールさせる術は教えたが、まさかその『紅い目』でリーシャの動きを捕捉して見せる程とは思わなかった。
特異は金色のオーラを体現した者にしか身に宿る事は無い。
まさに先天性の贈り物というべきモノである。
当然その特異の力は、魔瞳を扱う事によって増幅されるモノではあるが、特異の力の上昇は『紅い目』程度では微々たる効果の上昇しか及ぼさず『金色の目』を用いて、ようやく力の増幅が行われるのである。
しかし試験を行っているリーシャは『大魔王中位領域程』まで力を引き出している。そのリーシャの動きがみえているというのであれば、ミデェールの特異はとんでもない力を秘めている可能性があるのだった。
そしてソフィは先程のミデェールの言葉を思い出す。
ミデェールは、リーシャの動きが遅く見えていると言っていた。
つまり現在の上位魔族のミデェールは、大魔王中位領域程の力を展開しているリーシャの動きが単に見えているのではなく『遅く見えている』という事になる。
もし現実にそうなのであれば、この試験にミデェールが出場出来ていれば、試験に合格して序列入りが可能だったかもしれない。
当然それだけで序列入りを果たしたところで、相手の攻撃に対する対応力が乏しい為に、ミデェールはあっさりと格上の魔族達にやられてしまうだろう。
しかしミデェールが力をつけて大魔王領域まで育ちあらゆる研鑽を積んだ後『金色の目』まで開眼せしめてしまえば、この恐ろしい特異を持ったミデェールは序列部隊どころか、ソフィの認める最高幹部まで、昇りつめる事も可能かもしれない。
ここまで強力な特異は、元序列部隊一桁で、第三位まで登り詰めた『バルド』のクラスの特異に匹敵している。
『紅い目』でようやく『特異』の力をコントロール出来ている状態である為、
まだ何とも言えないが、もし『金色の目』で『特異』の力が増幅するような事であれば、あの『レキ』の持っていた『魔瞳』である『支配の目』に匹敵するようになるかもしれないと密かにソフィは、ミデェールの可能性をそこまで考えて推し量り始める。
しかし当然ながら『支配の目』は、魔人族の遺伝子が無ければ開眼する事は無い為『紅い目』や『金色の目』を開眼した魔族であっても『支配の目』を扱う事は出来ない。
だが、その事を知らないソフィにとっては『相手の動きが遅く見える』というレキの『支配の目』と疑似的な効力を持ったミデェールの『特異の力』に興味を持ち始めるのだった。
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