最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第725話 素質と役職
まずは彼らに戦力値を高めてもらい、戦う者同士を選定するソフィだったが、ここに集まった者達の多くは、戦力値100億~150億付近で固まっている事が分かった。
――大魔王中位領域には届かないが、別世界であれば、十分にその存在を示せるといった強さである。
元々の魔王軍の『序列部隊』で比較すれば、彼らは十分に『二桁部隊』に入れる素質を持っていた。
だが、二桁部隊は単純に戦力値が高いから属する事が出来るというワケでは無い。あくまでその資格があるというだけの事である。
そして先程の中位領域付近に居る者達より数は劣るが、ステアの近くで集まっていた者達は驚いた事に、戦力値300億~500億近い程の数値を叩き出していた。
どうやらこの者達はステアを守る側近と呼べる者達であったのだろう。
『煌聖の教団』の本隊と呼ばれる者達と遜色のない力を保有していた。
(……ふむ、オーラ無しの素の戦力値は、50億~80億付近と言ったところか)
ステアの側近達の戦っているところを見てはいない為にまだ結論は出せないが、この『アレルバレル』の世界の『魔界』で長い間『煌聖の教団』の勧誘を断って中立で居られたのには、この者達が居たからだろうとソフィは判断するのだった。
オーラを纏っていない状態で戦力値80億という事であれば、もし彼らが金色の体現者であったならば、戦力値だけでいえば800億に達する。
つまりは大魔王上位領域と呼べる資格を有する事が出来ていたという事であり、余程の研鑽を積んでいたという事が、考えられるからである。
そしてその側近達の中央で、ステアもまた戦力値を高めようとしていた。
(……さて、この世界で中立の者達を纏め上げていた『リーダー』の強さを見せてもらおうか)
ソフィの視線に気づいたのか、ステアはソフィに頭を軽く下げた。
そのステアは深呼吸をした後『青』と『紅』の『二色のオーラ』を周囲に纏い始める。
「ほう……?」
「ふ~ん?」
ステアがオーラを纏い始めた時、ソフィと同じようにステアに注目をしていたイリーガルと、リーシャが同時に声をあげた。同じ施設の会場に居たエイネは、隣に居るミデェールを守るように立つ。
「え、エイネさん?」
「いいから、私の後ろにいなさい」
ブラストの結界があるとはいってもこの場に居る魔族達が万が一に、魔力のコントロールを誤る事があれば、ミデェール程度の上位魔族ではひとたまりもない。
『漏出』は使えないとミデェールは申していたが、それでも『魔力感知』は可能である。
当然ミデェールには、周りの魔族達の魔力を対象に感知する事は禁じてはいる。
この場に居る全員が最低でも『アサ』の世界に生息する最強の龍族、その中でもさらに強い龍種『コープパルス・ドラゴン』でさえ、比較にならない力を有しているからである。
この場所に連れて来るのは時期尚早ではあると思ったが、今後の為に見学をさせるのは必要な事であるとエイネは判断し、自分が彼を守る前提で『ミデェール』をこの選定の場に参列させたのであった。
しかしエイネの懸念とは裏腹に、ステアの魔力コントロールは完璧であった。
それも大魔王最上位領域クラスのコントロール力と言える。
「……クックック! なるほどなるほど」
ソフィもまたこの場に居る他の者達の時には見せた事のない笑みを浮かべる。
――中立の者達を纏め上げていた魔界の魔族ステア。
彼の戦力値は、大魔王の最上位領域である1080億という数値だった。
彼は『金色の体現者』では無い。それにも拘らず、大魔王最上位領域なのである。彼のオーラを纏わない状態での素の戦力値は180億。
戦力値だけでいえば十分に『序列部隊の『一桁』に匹敵する。体現者では無いという事を省みれば、元魔王軍序列部隊の第三位であったバルドより素質は上である。
「……あの魔族、戦い方次第ではここまでくるわね」
エイネはミデェールを守りながらそう呟いた。
エイネもまた金色の体現者では無い。
しかしそれでもエイネは並々ならぬ努力の末、九大魔王まで登り詰めた。
そんなエイネの最大戦力値は1550億。
広範囲の敵を一斉に無力化させる鎖を操り、長い期間、魔王軍の敵となる者の排除に務めてきた。
そんなエイネの言うこことは、魔王軍の最高幹部と呼べる『九大魔王』の階級である。
ソフィの魔王軍を代表する九大魔王だが、最初から九人だったわけではない。
現在行われている選定によって、都度クラス分けが行われて、ソフィに認められた者だけが最高幹部の座に就く事を許される。
当然数年や数十年程度ではクラスは動かないが、一度その役をソフィからもらえば、数百年体は動かない。
――最初は三人。
四、五人と認められた者が増えて行き、現在は最高役が『九人』という事である。
選定の基準はソフィに認められる事であるが、当然戦力値が高いだけで選ばれるわけではない。いくら強いといっても『煌聖の教団』の総帥であった大賢者ミラのような者は決してソフィは認めない。
いずれもソフィが興味を持ち、独自の評価基準を満たせる者だけが『役』に選ばれる。
当然ソフィに選ばれたからと言っても強制では無く『役』を拒否する事も出来るが、今までソフィの選定結果を辞退した者は居ない。というよりもソフィの決定に対して拒否を選択する者であれば魔王軍に属していない。
――つまり、ソフィがこの魔王軍の最高幹部という『役』に選んだ時点で、席に就く事になるのだった。
――大魔王中位領域には届かないが、別世界であれば、十分にその存在を示せるといった強さである。
元々の魔王軍の『序列部隊』で比較すれば、彼らは十分に『二桁部隊』に入れる素質を持っていた。
だが、二桁部隊は単純に戦力値が高いから属する事が出来るというワケでは無い。あくまでその資格があるというだけの事である。
そして先程の中位領域付近に居る者達より数は劣るが、ステアの近くで集まっていた者達は驚いた事に、戦力値300億~500億近い程の数値を叩き出していた。
どうやらこの者達はステアを守る側近と呼べる者達であったのだろう。
『煌聖の教団』の本隊と呼ばれる者達と遜色のない力を保有していた。
(……ふむ、オーラ無しの素の戦力値は、50億~80億付近と言ったところか)
ステアの側近達の戦っているところを見てはいない為にまだ結論は出せないが、この『アレルバレル』の世界の『魔界』で長い間『煌聖の教団』の勧誘を断って中立で居られたのには、この者達が居たからだろうとソフィは判断するのだった。
オーラを纏っていない状態で戦力値80億という事であれば、もし彼らが金色の体現者であったならば、戦力値だけでいえば800億に達する。
つまりは大魔王上位領域と呼べる資格を有する事が出来ていたという事であり、余程の研鑽を積んでいたという事が、考えられるからである。
そしてその側近達の中央で、ステアもまた戦力値を高めようとしていた。
(……さて、この世界で中立の者達を纏め上げていた『リーダー』の強さを見せてもらおうか)
ソフィの視線に気づいたのか、ステアはソフィに頭を軽く下げた。
そのステアは深呼吸をした後『青』と『紅』の『二色のオーラ』を周囲に纏い始める。
「ほう……?」
「ふ~ん?」
ステアがオーラを纏い始めた時、ソフィと同じようにステアに注目をしていたイリーガルと、リーシャが同時に声をあげた。同じ施設の会場に居たエイネは、隣に居るミデェールを守るように立つ。
「え、エイネさん?」
「いいから、私の後ろにいなさい」
ブラストの結界があるとはいってもこの場に居る魔族達が万が一に、魔力のコントロールを誤る事があれば、ミデェール程度の上位魔族ではひとたまりもない。
『漏出』は使えないとミデェールは申していたが、それでも『魔力感知』は可能である。
当然ミデェールには、周りの魔族達の魔力を対象に感知する事は禁じてはいる。
この場に居る全員が最低でも『アサ』の世界に生息する最強の龍族、その中でもさらに強い龍種『コープパルス・ドラゴン』でさえ、比較にならない力を有しているからである。
この場所に連れて来るのは時期尚早ではあると思ったが、今後の為に見学をさせるのは必要な事であるとエイネは判断し、自分が彼を守る前提で『ミデェール』をこの選定の場に参列させたのであった。
しかしエイネの懸念とは裏腹に、ステアの魔力コントロールは完璧であった。
それも大魔王最上位領域クラスのコントロール力と言える。
「……クックック! なるほどなるほど」
ソフィもまたこの場に居る他の者達の時には見せた事のない笑みを浮かべる。
――中立の者達を纏め上げていた魔界の魔族ステア。
彼の戦力値は、大魔王の最上位領域である1080億という数値だった。
彼は『金色の体現者』では無い。それにも拘らず、大魔王最上位領域なのである。彼のオーラを纏わない状態での素の戦力値は180億。
戦力値だけでいえば十分に『序列部隊の『一桁』に匹敵する。体現者では無いという事を省みれば、元魔王軍序列部隊の第三位であったバルドより素質は上である。
「……あの魔族、戦い方次第ではここまでくるわね」
エイネはミデェールを守りながらそう呟いた。
エイネもまた金色の体現者では無い。
しかしそれでもエイネは並々ならぬ努力の末、九大魔王まで登り詰めた。
そんなエイネの最大戦力値は1550億。
広範囲の敵を一斉に無力化させる鎖を操り、長い期間、魔王軍の敵となる者の排除に務めてきた。
そんなエイネの言うこことは、魔王軍の最高幹部と呼べる『九大魔王』の階級である。
ソフィの魔王軍を代表する九大魔王だが、最初から九人だったわけではない。
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当然数年や数十年程度ではクラスは動かないが、一度その役をソフィからもらえば、数百年体は動かない。
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