最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第706話 遅すぎる決断
エイネの射程圏内に入った『シェイザー』王子や同盟国の龍族達。
そしてさらにはイルベキアの『個別軍隊』と戦っていた『コープパルス・ドラゴン』達も『シェイザー』王子と合流するつもりなのだろう。こちらへその軍勢が向かってきていた。
どうやら『個別の軍隊』達も全員が絶命まではしてはいないのだろうが、倒れ伏しており、戦力としてはもう見られない。
こちらの戦力はもうほとんど残っていないといっていい。さらにはエイネの背後で意識を失っているヴァルーザ龍王と、その近くで同じように倒れているシェアーザを守りながら戦わなくてはならない。
これだけの好条件を持っている『シェイザー』王子からしてみれば、確かに魔族エイネが如何に強い力を持っていたとしても攻めきれると判断出来たのだろう。
対話をする事でこれ以上の争いを回避出来ると言われても、シェイザー王子からしてみれば、自分の父親や多くの民を殺めた魔族を倒せる機会が訪れているのに、むざむざとその機会を逃す手はないと思えたのだろう。
少しずつエイネの射程へと近づいていく龍族達。
敵はたった一体の魔族。
そして多くの龍族達が一斉に『龍ノ息吹』を吐いてみせる。
だがその場所は既に、彼らをあの世へと誘う死地の上だった。
――絶技、『生命吸鎖』。
射程圏内に入った龍族達全員の首に一斉に鎖が巻き付いたかと思えば、エイネの魔力によって鎖は、意思を持ったかのように発光を始める。
そして鎖伝いに龍族達の生命力は、エイネの鎖に吸われていくかの如く吸収されていく。
このままあと数秒吸い続ければ、対象となった龍族達は全員が死を迎えるだろう。
しかしそこでエイネの目が金色へと変貌していくと、エイネの『生命吸鎖』の生命を奪う力は正確性を増し始める。
龍族達の目の焦点が合わなくなり始めたかと思うと、そのまま射程内の龍族達は、全員空から地へと落ちていく。スベイキア国とその同盟国の軍の兵士は、コープパルス・ドラゴンや、ブルードラゴン等という『龍種の違い』に分け隔てなく、エイネの鎖の対象となり、射程圏内に入った龍族達は、全員がやられるのだった。
シェイザー王子はエイネの射程圏内ギリギリのところでネスコー元帥に、体を当てられて止められたおかげで、エイネの攻撃の圏外へと追い出された。決死のネスコーの行動により、シェイザー王子は救われたのである。
だが、エイネは口振りとは裏腹に元々殺すつもりはなかった為『生命吸鎖』に『金色の目』を使って、コントロールすることによって、全員辛うじて生き残っていた。
だがこのタイミングではシェイザーやネスコー元帥であっても、生死の見分けがついておらず、エイネに全員殺されてしまったと勘違いするのだった。
「こ、こんな馬鹿げた事が……!!」
大勢といた軍の龍族達はエイネの指先一つで全滅させられてしまった。
ようやくシェイザーは、ネスコーが言っていた事を理解した。
――『あの魔族は、我々の常識の外側に居る魔族だ』
認めてしまえばシェイザー王子のそこからの行動は早かった。
もはやシェイザーに争う意思は無くなり、この場から逃げ出そうとする。
「待ちなさい。殺しはしないからその場から動かないでちょうだい」
エイネの目がまだ金色に光っていた。
シェイザーの耳元に声が聞こえたかと思うと、まるで空だというのに地に縫い付けられたかの如く、身体が動かなくなってしまう。
どうやらエイネの『金色の目』によって、身体の支配を奪われたようであった。
「動く事は出来ないけれど、こちらの言葉を聞き理解する事も出来るし、声を出す事も出来る」
「ハァッ……、ハァッ……!」
息を荒くしながらもシェイザー王子はエイネの言葉に耳を傾ける。
そしてそんなシェイザー王子の様子を見ながらネスコー元帥は人型へとなり替わり、シェイザー王子の隣にまで足を運ぶのだった。
「私たちはもう貴方と戦う意思はない。話の続きをお聞かせ願いたい」
「結構」
ネスコー元帥は額に脂汗を浮かばせながらそう告げると、エイネは首を縦に振って、相手の降伏宣言に了承するのだった。
……
……
……
そしてさらにはイルベキアの『個別軍隊』と戦っていた『コープパルス・ドラゴン』達も『シェイザー』王子と合流するつもりなのだろう。こちらへその軍勢が向かってきていた。
どうやら『個別の軍隊』達も全員が絶命まではしてはいないのだろうが、倒れ伏しており、戦力としてはもう見られない。
こちらの戦力はもうほとんど残っていないといっていい。さらにはエイネの背後で意識を失っているヴァルーザ龍王と、その近くで同じように倒れているシェアーザを守りながら戦わなくてはならない。
これだけの好条件を持っている『シェイザー』王子からしてみれば、確かに魔族エイネが如何に強い力を持っていたとしても攻めきれると判断出来たのだろう。
対話をする事でこれ以上の争いを回避出来ると言われても、シェイザー王子からしてみれば、自分の父親や多くの民を殺めた魔族を倒せる機会が訪れているのに、むざむざとその機会を逃す手はないと思えたのだろう。
少しずつエイネの射程へと近づいていく龍族達。
敵はたった一体の魔族。
そして多くの龍族達が一斉に『龍ノ息吹』を吐いてみせる。
だがその場所は既に、彼らをあの世へと誘う死地の上だった。
――絶技、『生命吸鎖』。
射程圏内に入った龍族達全員の首に一斉に鎖が巻き付いたかと思えば、エイネの魔力によって鎖は、意思を持ったかのように発光を始める。
そして鎖伝いに龍族達の生命力は、エイネの鎖に吸われていくかの如く吸収されていく。
このままあと数秒吸い続ければ、対象となった龍族達は全員が死を迎えるだろう。
しかしそこでエイネの目が金色へと変貌していくと、エイネの『生命吸鎖』の生命を奪う力は正確性を増し始める。
龍族達の目の焦点が合わなくなり始めたかと思うと、そのまま射程内の龍族達は、全員空から地へと落ちていく。スベイキア国とその同盟国の軍の兵士は、コープパルス・ドラゴンや、ブルードラゴン等という『龍種の違い』に分け隔てなく、エイネの鎖の対象となり、射程圏内に入った龍族達は、全員がやられるのだった。
シェイザー王子はエイネの射程圏内ギリギリのところでネスコー元帥に、体を当てられて止められたおかげで、エイネの攻撃の圏外へと追い出された。決死のネスコーの行動により、シェイザー王子は救われたのである。
だが、エイネは口振りとは裏腹に元々殺すつもりはなかった為『生命吸鎖』に『金色の目』を使って、コントロールすることによって、全員辛うじて生き残っていた。
だがこのタイミングではシェイザーやネスコー元帥であっても、生死の見分けがついておらず、エイネに全員殺されてしまったと勘違いするのだった。
「こ、こんな馬鹿げた事が……!!」
大勢といた軍の龍族達はエイネの指先一つで全滅させられてしまった。
ようやくシェイザーは、ネスコーが言っていた事を理解した。
――『あの魔族は、我々の常識の外側に居る魔族だ』
認めてしまえばシェイザー王子のそこからの行動は早かった。
もはやシェイザーに争う意思は無くなり、この場から逃げ出そうとする。
「待ちなさい。殺しはしないからその場から動かないでちょうだい」
エイネの目がまだ金色に光っていた。
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どうやらエイネの『金色の目』によって、身体の支配を奪われたようであった。
「動く事は出来ないけれど、こちらの言葉を聞き理解する事も出来るし、声を出す事も出来る」
「ハァッ……、ハァッ……!」
息を荒くしながらもシェイザー王子はエイネの言葉に耳を傾ける。
そしてそんなシェイザー王子の様子を見ながらネスコー元帥は人型へとなり替わり、シェイザー王子の隣にまで足を運ぶのだった。
「私たちはもう貴方と戦う意思はない。話の続きをお聞かせ願いたい」
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ネスコー元帥は額に脂汗を浮かばせながらそう告げると、エイネは首を縦に振って、相手の降伏宣言に了承するのだった。
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