最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第642話 未来絵図を描く
魔人達の大陸にある『カストロL・K』地域に用意されている『エイネ』のコテージのベッドの上でフルーフは『映見接続』の『魔法』で映し出された『スベイキア城』の様子とエイネの姿を見て感嘆の声をあげるのだった。
「相手の結界を利用して城の中だけを魔法で吹き飛ばすか。魔力値自体は大した事はないが、エイネ殿の『魔力コントロール』は並外れた物を持っておるな……」
『レパート』の世界の『魔』を極めた大魔王フルーフは、街を破壊せずに相手の結界内のみに絞り、自身の魔法を最大限コントロールして、見事に敵を葬ってみせた『エイネ』の魔法にそう感想を述べるのだった。
「それだけに惜しい、惜しいな。あれだけの『魔力コントロール』が出来るならば『透過』を覚えさえすれば更に化けるのだが」
再びエイネを見る目が変わり、今度は『魔』について色々と教授してやりたいと考えるフルーフであった。
……
……
……
大混乱に陥っているスベイキア国を横目にエイネは、ここまで来た空の道を辿って『スベイキア』から少しずつ離れていく。
そしてイルベキアとスベイキアの国境付近の空の上でエイネは、前方に居る龍の群れの姿を見て立ち止まった。
「貴方は恐ろしい……。我ら龍族よりも強いかもしれないと思っていたが、そんなどころではなかったようだ」
国境付近の空の上に居たのは『龍達』を束ねる『イルベキア』の王の『ヴァルーザ』龍王であった。
「最初に約束した通りに貴方や、ここに居る貴方の国の兵士は生かしてあげる」
無表情のままそう言うエイネに聞かずにはいられないとばかりに『ヴァルーザ』龍王は口を開いた。
「こ、今後、我々をどうしようというのだ?」
「さっきのイーサとかいう龍王の代わりに、貴方が龍族達の王になりなさい」
「!?」
エイネの言葉を聞いていたヴァルーザ龍王と、その部下の兵達も目を丸くして驚く。
「な、何だって? どういう事か説明を要求する」
「貴方『イーサ』龍王のやり方に不満を抱いていたでしょう?」
エイネの言葉に再びヴァルーザ龍王は、目を丸くして驚く。
「大方同じ龍族でも『龍種の違い』とやらが影響していると私は見ているけど、まぁそれは今はどうでもいいわね」
ゆっくりとではあるが『エイネ』は、魔人達の大陸の方がへ向けて進み始める。そしてヴァルーザ龍王や、イルベキアの兵達も後をついてくるのだった。
「最初に私が言った通り、貴方が龍族の王となった後に、魔人達の大陸に居る『魔族』達を保護しなさい」
「!」
「いつの日かこの世界の魔族達が、自分達で歩き始める準備が出来るまで構わない。その後の事はこの世界の者達が好きに決めていい。でもそれまでは、この世界を貴方が導く王となりなさい『ヴァルーザ』龍王」
エイネはまだこの世界に生きる人間や、精霊族といった種族をその目で確かめては居ないが、魔人達に従っているという話を聞いている。つまりこの世界は魔人族と龍族が、主権を握る世界だと正しく理解していた。その上で『イーサ』龍王の代わりに『ヴァルーザ』を龍族達の王へとのし上がらせて、魔人達との戦争を終結させた後、魔族達の面倒を見させようというのであった。
どうやらエイネは最初に告げた通り、暴れるだけ暴れて無責任に世界を放置するのではなく、あくまでその世界の後の事を考えて世界の辻褄が合うように『起こり得る歴史』の代替案を提示して見せたのである。
「わ、分かった。まずはイルベキアに戻り、話を纏める時間をくれないだろうか?」
「ええ。もちろん構わない。その間にこちらも魔人達と話し合いを終わらせておくわ。そしてその後にまた魔族達を連れて『イルベキア』の国の貴方の元へ向かうわ」
「了解した。魔族エイネ」
この瞬間――。
『アサ』世界に新たな歴史の一ページが、更新されるのであった。
……
……
……
「な、何て事だ! イーサ龍王が……! あ、あのヴァルーザの奴が『魔族』と組んで反逆を企てていたというのか!?」
エイネとヴァルーザが締結の話をしている頃。イーサ龍王の命令によって、スベイキアまで戻ってきていた『ハイウルキア』国の王『ガウル』龍王は、スベイキア城があった場所が吹き飛ばされるところを目撃した。
そして『ヴァルーザ』と『エイネ』が一緒に話をしているところを確認し『ヴァルーザ』が、スベイキア大国を相手にクーデターを起こしたのだと勘違いするのだった。
そして『ガウル』龍王はこの場を後にして『とある目的』の為に、急いで自国の『ハイウルキア』へと向かうのだった。
……
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「相手の結界を利用して城の中だけを魔法で吹き飛ばすか。魔力値自体は大した事はないが、エイネ殿の『魔力コントロール』は並外れた物を持っておるな……」
『レパート』の世界の『魔』を極めた大魔王フルーフは、街を破壊せずに相手の結界内のみに絞り、自身の魔法を最大限コントロールして、見事に敵を葬ってみせた『エイネ』の魔法にそう感想を述べるのだった。
「それだけに惜しい、惜しいな。あれだけの『魔力コントロール』が出来るならば『透過』を覚えさえすれば更に化けるのだが」
再びエイネを見る目が変わり、今度は『魔』について色々と教授してやりたいと考えるフルーフであった。
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大混乱に陥っているスベイキア国を横目にエイネは、ここまで来た空の道を辿って『スベイキア』から少しずつ離れていく。
そしてイルベキアとスベイキアの国境付近の空の上でエイネは、前方に居る龍の群れの姿を見て立ち止まった。
「貴方は恐ろしい……。我ら龍族よりも強いかもしれないと思っていたが、そんなどころではなかったようだ」
国境付近の空の上に居たのは『龍達』を束ねる『イルベキア』の王の『ヴァルーザ』龍王であった。
「最初に約束した通りに貴方や、ここに居る貴方の国の兵士は生かしてあげる」
無表情のままそう言うエイネに聞かずにはいられないとばかりに『ヴァルーザ』龍王は口を開いた。
「こ、今後、我々をどうしようというのだ?」
「さっきのイーサとかいう龍王の代わりに、貴方が龍族達の王になりなさい」
「!?」
エイネの言葉を聞いていたヴァルーザ龍王と、その部下の兵達も目を丸くして驚く。
「な、何だって? どういう事か説明を要求する」
「貴方『イーサ』龍王のやり方に不満を抱いていたでしょう?」
エイネの言葉に再びヴァルーザ龍王は、目を丸くして驚く。
「大方同じ龍族でも『龍種の違い』とやらが影響していると私は見ているけど、まぁそれは今はどうでもいいわね」
ゆっくりとではあるが『エイネ』は、魔人達の大陸の方がへ向けて進み始める。そしてヴァルーザ龍王や、イルベキアの兵達も後をついてくるのだった。
「最初に私が言った通り、貴方が龍族の王となった後に、魔人達の大陸に居る『魔族』達を保護しなさい」
「!」
「いつの日かこの世界の魔族達が、自分達で歩き始める準備が出来るまで構わない。その後の事はこの世界の者達が好きに決めていい。でもそれまでは、この世界を貴方が導く王となりなさい『ヴァルーザ』龍王」
エイネはまだこの世界に生きる人間や、精霊族といった種族をその目で確かめては居ないが、魔人達に従っているという話を聞いている。つまりこの世界は魔人族と龍族が、主権を握る世界だと正しく理解していた。その上で『イーサ』龍王の代わりに『ヴァルーザ』を龍族達の王へとのし上がらせて、魔人達との戦争を終結させた後、魔族達の面倒を見させようというのであった。
どうやらエイネは最初に告げた通り、暴れるだけ暴れて無責任に世界を放置するのではなく、あくまでその世界の後の事を考えて世界の辻褄が合うように『起こり得る歴史』の代替案を提示して見せたのである。
「わ、分かった。まずはイルベキアに戻り、話を纏める時間をくれないだろうか?」
「ええ。もちろん構わない。その間にこちらも魔人達と話し合いを終わらせておくわ。そしてその後にまた魔族達を連れて『イルベキア』の国の貴方の元へ向かうわ」
「了解した。魔族エイネ」
この瞬間――。
『アサ』世界に新たな歴史の一ページが、更新されるのであった。
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「な、何て事だ! イーサ龍王が……! あ、あのヴァルーザの奴が『魔族』と組んで反逆を企てていたというのか!?」
エイネとヴァルーザが締結の話をしている頃。イーサ龍王の命令によって、スベイキアまで戻ってきていた『ハイウルキア』国の王『ガウル』龍王は、スベイキア城があった場所が吹き飛ばされるところを目撃した。
そして『ヴァルーザ』と『エイネ』が一緒に話をしているところを確認し『ヴァルーザ』が、スベイキア大国を相手にクーデターを起こしたのだと勘違いするのだった。
そして『ガウル』龍王はこの場を後にして『とある目的』の為に、急いで自国の『ハイウルキア』へと向かうのだった。
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