最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第544話 類は友を呼ぶ
(これは驚いた。ボクの力でも相殺出来ないようだ。魔瞳『支配の目』か。恐ろしい魔瞳だね)
心の中でそう思いながらも『スタック』を使用しようとしてみたり、魔力回路に供給出来るか確かめたりと僅かな時間の間に可能な事と不可能な事を分類付けていくエルシスだった。
どうやら口を開いて言葉を話したり『金色の目』などの『魔瞳』は通常通りに使える事を確認した。しかし身体を動かそうとしたり魔力を使った攻撃行動などは、制限されているのが、現状の『エルシス』ようだった。
「一つ聞きたいのだけど、君の任意でボクを動けなくしているのかな? それとも『支配の目』とやら自体を発動すると相手の動きを止める効力が?」
「それは俺がお前を動けなくしようとしているからだ。この『支配の目』自体の力に相手の動きを止めるという効力はない」
リディアの言葉を聞いて、エルシスはある確信に至るのだった。
「成程ね……」
そして『エルシス』は『リディア』の魔瞳を使った後の様子を確かめ始める。
(この子が『魔瞳』を使ってから、明らかに辛そうに汗をかき始めているし説明が少し早口になっている。体力と魔力どちらを消費しているのかは分からないが、現実的に動きを止められる時間は10秒より少し長いくらいかな?)
「確かに凄い『魔瞳』だね。君がそれを戦闘中に自在に使えるなら、かなり相手は脅威に映るだろうね」
もう充分にエルシスに説明が出来ただろうと、そう判断したリディアは目を元に戻すのだった。
リディアの『特異』で『極大魔法』などの魔法を斬る事が出来る上に、格上の相手に対して数秒間でも動きと『魔力回路』ごと『魔力』の使用を封じる事が出来るのであれば、リディアは確かに『大魔王』でさえ相手に、勝利することが出来るようになるだろう。しかしそこまでリディアへの評価を出したエルシスは、懸念点も同時に思い浮かぶのだった。
この子を強くする上で大事なのは、長所を伸ばす事では無く、少ない短所を更に減らす事が、大事だろうと判断するエルシスだった。
「君に力の使い方を教える前に最後の確認をしておきたいのだけど、この『支配の目』は格上の存在に掛けるのと、自分より弱いと判断出来る者に使う時、どちらも同じ負担を君は感じる?」
「そうだな『支配の目』は相手に関係なく、使用すればかなり体力が低下する。戦いの中でこれを使いながら、長期戦をすることは俺には出来そうにないな」
やはりそうだろうなとばかりに、エルシスは納得するのだった。
「その目を詳しく調べない事には分からないけれど。ここぞという時以外は、多様しない方がいいね。どうやら少し休めば回復する類の『魔瞳』ではないかもしれない」
「……」
エルシスの説明を聞いて自分でも思っていた事なのか、リディアは静かに頷いて同意を示すのだった。
(恐らくだけど『金色の目』と違って『支配の目』はその多大な効果を得る事に引き換えて、かなり身体に負担をかけるだろう。それも人間の身では『寿命』を削る程に……)
エルシスはこれまで長く戦闘に身を置いてきた経験から相手を洞察する事には、他の追随を許さない程の『慧眼』を持っている。
その慧眼はあの大魔王『ディアトロス』と肩を並べる程であろう。そんな洞察力を持つ彼は先程のリディアの『支配の目』を使用した僅かな秒数で感じていた疲労感や、一瞬の苦悩の表情。大量に流れ出る汗などから情報を仕入れるのだった。
「しかし『支配の目』はとても重要な役割を持っているね。金色のオーラを最大限活用するのに使えるとボクは感じたよ。ボクが君にその目を有効活用させてあげよう」
そう言ってリディアを見て、ニコリと笑いかけるエルシスだった。
「ふんっ! 成程な……」
リディアはそんなエルシスの笑みを見て少しだけ呆然とした後に、納得をするような顔をするのだった。
「?」
突然リディアが何かを納得したような表情を見せたので、彼は首を傾げながらリディアを見るのだった。
(コイツもまたあのソフィのように、他者の心を無意識に掴む事を容易に出来る存在だ。全くどいつもこいつもアイツの周りに居る奴は、一癖も二癖もありやがる厄介な奴らばかりだな)
『類は友を呼ぶ』ということわざ自体はこの世界にはないが、エルシスとソフィに対してこの諺の意味。その本質を感じさせられたリディアであった。
……
……
……
心の中でそう思いながらも『スタック』を使用しようとしてみたり、魔力回路に供給出来るか確かめたりと僅かな時間の間に可能な事と不可能な事を分類付けていくエルシスだった。
どうやら口を開いて言葉を話したり『金色の目』などの『魔瞳』は通常通りに使える事を確認した。しかし身体を動かそうとしたり魔力を使った攻撃行動などは、制限されているのが、現状の『エルシス』ようだった。
「一つ聞きたいのだけど、君の任意でボクを動けなくしているのかな? それとも『支配の目』とやら自体を発動すると相手の動きを止める効力が?」
「それは俺がお前を動けなくしようとしているからだ。この『支配の目』自体の力に相手の動きを止めるという効力はない」
リディアの言葉を聞いて、エルシスはある確信に至るのだった。
「成程ね……」
そして『エルシス』は『リディア』の魔瞳を使った後の様子を確かめ始める。
(この子が『魔瞳』を使ってから、明らかに辛そうに汗をかき始めているし説明が少し早口になっている。体力と魔力どちらを消費しているのかは分からないが、現実的に動きを止められる時間は10秒より少し長いくらいかな?)
「確かに凄い『魔瞳』だね。君がそれを戦闘中に自在に使えるなら、かなり相手は脅威に映るだろうね」
もう充分にエルシスに説明が出来ただろうと、そう判断したリディアは目を元に戻すのだった。
リディアの『特異』で『極大魔法』などの魔法を斬る事が出来る上に、格上の相手に対して数秒間でも動きと『魔力回路』ごと『魔力』の使用を封じる事が出来るのであれば、リディアは確かに『大魔王』でさえ相手に、勝利することが出来るようになるだろう。しかしそこまでリディアへの評価を出したエルシスは、懸念点も同時に思い浮かぶのだった。
この子を強くする上で大事なのは、長所を伸ばす事では無く、少ない短所を更に減らす事が、大事だろうと判断するエルシスだった。
「君に力の使い方を教える前に最後の確認をしておきたいのだけど、この『支配の目』は格上の存在に掛けるのと、自分より弱いと判断出来る者に使う時、どちらも同じ負担を君は感じる?」
「そうだな『支配の目』は相手に関係なく、使用すればかなり体力が低下する。戦いの中でこれを使いながら、長期戦をすることは俺には出来そうにないな」
やはりそうだろうなとばかりに、エルシスは納得するのだった。
「その目を詳しく調べない事には分からないけれど。ここぞという時以外は、多様しない方がいいね。どうやら少し休めば回復する類の『魔瞳』ではないかもしれない」
「……」
エルシスの説明を聞いて自分でも思っていた事なのか、リディアは静かに頷いて同意を示すのだった。
(恐らくだけど『金色の目』と違って『支配の目』はその多大な効果を得る事に引き換えて、かなり身体に負担をかけるだろう。それも人間の身では『寿命』を削る程に……)
エルシスはこれまで長く戦闘に身を置いてきた経験から相手を洞察する事には、他の追随を許さない程の『慧眼』を持っている。
その慧眼はあの大魔王『ディアトロス』と肩を並べる程であろう。そんな洞察力を持つ彼は先程のリディアの『支配の目』を使用した僅かな秒数で感じていた疲労感や、一瞬の苦悩の表情。大量に流れ出る汗などから情報を仕入れるのだった。
「しかし『支配の目』はとても重要な役割を持っているね。金色のオーラを最大限活用するのに使えるとボクは感じたよ。ボクが君にその目を有効活用させてあげよう」
そう言ってリディアを見て、ニコリと笑いかけるエルシスだった。
「ふんっ! 成程な……」
リディアはそんなエルシスの笑みを見て少しだけ呆然とした後に、納得をするような顔をするのだった。
「?」
突然リディアが何かを納得したような表情を見せたので、彼は首を傾げながらリディアを見るのだった。
(コイツもまたあのソフィのように、他者の心を無意識に掴む事を容易に出来る存在だ。全くどいつもこいつもアイツの周りに居る奴は、一癖も二癖もありやがる厄介な奴らばかりだな)
『類は友を呼ぶ』ということわざ自体はこの世界にはないが、エルシスとソフィに対してこの諺の意味。その本質を感じさせられたリディアであった。
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