最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第450話 レアのお節介
レアは『金色の目』を使って完全に動きを止めたシスを掴んだまま空を移動していく。
そしてレアは昔の記憶を頼りに『レイズ』魔国と『ラルグ』魔国の真ん中辺りに位置する荒野に降り立つのだった。
レアは放り投げるような真似をせず、丁重にその場にシスを降ろすと束縛から解放する。
「『魔王』レア。一体どういうつもりなのよ?」
魔力の暴走をもう抑えられるか怪しくなってきたシスは、息も絶え絶えに怒りを込めてレアに視線を送る。
「女王『シス』。いいからさっさと魔力を暴走させなさい? この私が見ててあげるから」
「何ですって!? そ、そんな事が出来るわけが無いでしょう!」
そう言ってシスは今からでもと暴走をしないようにと、ざわざわと波打つ自身の魔力を抑えようとする。
しかしシスが魔力回路に暴走しそうになる魔力を少しずつ供給しようとしたが、その瞬間に再びレアが妨害を始める。
「ねぇ? 私は魔力を暴走させなさいと言ったわよ? 何で貴方は逆に抑えようとしているのかしら?」
再びレアはシスに暴走を促すような事を口にする。
「あ、貴方は知らないでしょうけど、暴走を始めたら自我を失って私自身何をするか分からないのよ!?」
ここで初めてシスは、自分の気にしている一面をレアに晒す。
自分の魔力さえコントロール出来ない上に、魔力に飲まれて好き勝手に暴れてしまう、みっともない自分が出来てしまうと吐露をする。
シスは情けない事をレアに言ってしまったと思い目に涙を浮かべるが――。
「だーかーら! それでいいと私は言っているのよぉ! 自分の魔力に飲まれる事は恥ずかしい事じゃないわよぉ! むしろそれ程自分に膨大な魔力が眠っている事を誇りなさい! 貴方はねぇ? この世界で『最初の魔王』という立場にたった、魔王『エリス』の尊い血を引く選ばれた魔族なのよぉ!?」
「!!」
シスは自分の祖母の名をあげながら『尊い血』と告げたレアを見て、驚きながら目を丸くする。
「むしろ私に貴方の抑えられない程あるといった魔力の底を見せなさい。貴方のお母さんに『理』を教えたのも、貴方のお祖母ちゃんに『魔』を教えたのも私なのよぉ? だったら貴方にも『魔力』の使い方を教えてあげるのも私の役目でしょう?」
そう言うとレアは、金色のオーラを纏い始めた。
「全て私に委ねなさい? 貴方がどんな醜態を晒そうが、私が優しく受け止めてあげるから」
「分かった。そこまで言うなら……。でも本当にどうなっても知らないからね?」
レアの言葉を受けたシスは、抑え込もうとしていた自身の中の荒れ狂う魔力の制御をやめた。
その瞬間に胸がバクバクと動悸を起こしたかと思うと、シスの意識は闇に呑まれて消えていった。
「意識がなくなったわねぇ? さて測らせてもらうわよぉ?」
レアがその言葉を発した瞬間、普段のシスの魔力とは違う魔力を検知する。
【種族:魔族 名前:シス(通常) 年齢:3221歳
魔力値:1300万 戦力値:4800万 所属:レイズ魔国】。
↓
【種族:魔族 名前:シス(完全なる大魔王化) 年齢:3221歳
魔力値:1億400万 戦力値:3億8400万 所属:レイズ魔国】。
シスの中で暴れまわっていた魔力が、周囲に余波をまき散らしながらその力を表に出し始める。
そして気を失っていたシスの目に光が宿り始めたかと思うと、辺りを見回し始めるのだった。
そこでレアの姿を視界に留めた瞬間。口角を吊り上げてシスは嗤う。
「さて……。予想以上にとんでもない『力』が出てきちゃったわねぇ? これがユファの言っていた『魔』の天才か」
『青』も『二色の併用』も纏ってはいないというのに、シスの魔力は確かに凄まじいモノがあった。
レアの本来の身体の通常状態の魔力は6100万程であり、目の前に居る自分より遥かに若い魔族である『シス』は、そんなレアを凌駕する魔力を持っていた。
「でもねぇシスちゃん。安心しなさいねぇ? その力をいつでも出せるようにしてあげるからねぇ?」
【種族:魔族 名前:レア(代替身体) 状態:(通常)
魔力値:610万 戦力値:4200万 所属:大魔王フルーフの配下】。
↓
【種族:魔族 名前:レア(代替身体) 状態:『金色のオーラ』
魔力値:6100万 戦力値:4億2200万 所属:大魔王フルーフの配下】。
レアは過去にシスの祖母である『エリス』に『力の使い方』を教えていた時を思い出して、その面影を感じる『シス』を見て笑顔を浮かべる。
「安心しなさいねぇ。私のセレスちゃんの大事な大事な忘れ形見。そして貴方たち家族はこの魔王レアが責任をもって『全員一人前』にしてあげるわよぉ!」
そしてレアは昔の記憶を頼りに『レイズ』魔国と『ラルグ』魔国の真ん中辺りに位置する荒野に降り立つのだった。
レアは放り投げるような真似をせず、丁重にその場にシスを降ろすと束縛から解放する。
「『魔王』レア。一体どういうつもりなのよ?」
魔力の暴走をもう抑えられるか怪しくなってきたシスは、息も絶え絶えに怒りを込めてレアに視線を送る。
「女王『シス』。いいからさっさと魔力を暴走させなさい? この私が見ててあげるから」
「何ですって!? そ、そんな事が出来るわけが無いでしょう!」
そう言ってシスは今からでもと暴走をしないようにと、ざわざわと波打つ自身の魔力を抑えようとする。
しかしシスが魔力回路に暴走しそうになる魔力を少しずつ供給しようとしたが、その瞬間に再びレアが妨害を始める。
「ねぇ? 私は魔力を暴走させなさいと言ったわよ? 何で貴方は逆に抑えようとしているのかしら?」
再びレアはシスに暴走を促すような事を口にする。
「あ、貴方は知らないでしょうけど、暴走を始めたら自我を失って私自身何をするか分からないのよ!?」
ここで初めてシスは、自分の気にしている一面をレアに晒す。
自分の魔力さえコントロール出来ない上に、魔力に飲まれて好き勝手に暴れてしまう、みっともない自分が出来てしまうと吐露をする。
シスは情けない事をレアに言ってしまったと思い目に涙を浮かべるが――。
「だーかーら! それでいいと私は言っているのよぉ! 自分の魔力に飲まれる事は恥ずかしい事じゃないわよぉ! むしろそれ程自分に膨大な魔力が眠っている事を誇りなさい! 貴方はねぇ? この世界で『最初の魔王』という立場にたった、魔王『エリス』の尊い血を引く選ばれた魔族なのよぉ!?」
「!!」
シスは自分の祖母の名をあげながら『尊い血』と告げたレアを見て、驚きながら目を丸くする。
「むしろ私に貴方の抑えられない程あるといった魔力の底を見せなさい。貴方のお母さんに『理』を教えたのも、貴方のお祖母ちゃんに『魔』を教えたのも私なのよぉ? だったら貴方にも『魔力』の使い方を教えてあげるのも私の役目でしょう?」
そう言うとレアは、金色のオーラを纏い始めた。
「全て私に委ねなさい? 貴方がどんな醜態を晒そうが、私が優しく受け止めてあげるから」
「分かった。そこまで言うなら……。でも本当にどうなっても知らないからね?」
レアの言葉を受けたシスは、抑え込もうとしていた自身の中の荒れ狂う魔力の制御をやめた。
その瞬間に胸がバクバクと動悸を起こしたかと思うと、シスの意識は闇に呑まれて消えていった。
「意識がなくなったわねぇ? さて測らせてもらうわよぉ?」
レアがその言葉を発した瞬間、普段のシスの魔力とは違う魔力を検知する。
【種族:魔族 名前:シス(通常) 年齢:3221歳
魔力値:1300万 戦力値:4800万 所属:レイズ魔国】。
↓
【種族:魔族 名前:シス(完全なる大魔王化) 年齢:3221歳
魔力値:1億400万 戦力値:3億8400万 所属:レイズ魔国】。
シスの中で暴れまわっていた魔力が、周囲に余波をまき散らしながらその力を表に出し始める。
そして気を失っていたシスの目に光が宿り始めたかと思うと、辺りを見回し始めるのだった。
そこでレアの姿を視界に留めた瞬間。口角を吊り上げてシスは嗤う。
「さて……。予想以上にとんでもない『力』が出てきちゃったわねぇ? これがユファの言っていた『魔』の天才か」
『青』も『二色の併用』も纏ってはいないというのに、シスの魔力は確かに凄まじいモノがあった。
レアの本来の身体の通常状態の魔力は6100万程であり、目の前に居る自分より遥かに若い魔族である『シス』は、そんなレアを凌駕する魔力を持っていた。
「でもねぇシスちゃん。安心しなさいねぇ? その力をいつでも出せるようにしてあげるからねぇ?」
【種族:魔族 名前:レア(代替身体) 状態:(通常)
魔力値:610万 戦力値:4200万 所属:大魔王フルーフの配下】。
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【種族:魔族 名前:レア(代替身体) 状態:『金色のオーラ』
魔力値:6100万 戦力値:4億2200万 所属:大魔王フルーフの配下】。
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