最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第431話 新たな冒険者パーティー
「では組むパーティは我とラルフ、リーネ、レアの四人でいいな?」
ソフィがそう言うと呼ばれた三人は頷く。
「よし。ではユファ達は我の留守中を頼むぞ?」
「分かりました」
「分かったぜ、ソフィ様!」
「お任せ下さい。この屋敷に近づく者を全て灰にしてご覧に入れましょう」
「いや、それは見たくはないな。ユファよ、ブラストの手綱をしっかりと握るのだぞ?」
ユファは苦笑いを浮かべながら、ソフィに手を上げて了解を示した。
「依頼内容は先程伝えた通りだが、指定の魔物とやらを殺すような真似はせずにな?」
ソフィがそう言うと、パーティを組んだ者達は頷く。
「ねぇソフィ。この依頼って『ルードリヒ』国王からの指名依頼なのよね? クエストの達成の報告は、直接ルードリヒ王にするの?」
リーネがそう言うとソフィは首を横に振った。
「いや、一応の報告はエイルにもするつもりだが、この依頼内容の魔物は『クッケ』と『リルバーグ』のギルドで『ギルド指定A級討伐依頼』となっておるようだから、魔物を気絶させた後はそのどちらかのギルドに報告をするつもりだ」
リーネは少し考える素振りを見せた後、ソフィの顔を見る。
「成程ね。じゃ出来ればクエスト達成の報告は『クッケ』で行いたいのだけど構わない?」
少し不安そうにリーネがそう言うと、ソフィは『リルバーグ』の町が元々はリーネの所属していたギルドで更には『影忍の里』出身だという事を脳裏に浮かべて納得をするのだった。
「うむ。では報告は『クッケ』にしよう。それではリーネ、街への案内は頼んだぞ?」
ソフィの言葉に嬉しそうな笑みを浮かべて、大きく頷くリーネだった。
「では、行ってくる」
ソフィが屋敷に残る者達にそう告げると、まず『高等移動呪文』で『ルードリヒ王国』へ移動するのだった。
ソフィの姿が見えなくなった後にブラストは、膨大な魔力を自身の魔力回路に注ぐ込み屋敷に『結界』を張るのだった。
次の瞬間ユファとキーリは、ブラストの魔力に包まれた感覚を味わうのだった。
「ねぇちょっとブラスト。今アンタ、一体何をしたの?」
「何を言っている? 単にこの屋敷に『結界』を張っただけだが」
淡々と当たり前のようにブラストが告げる。
「どういう『結界』か聞いても構わない?」
ユファが顔を引きつらせながらブラストに質問すると、邪悪な笑みを浮かべながらブラストは答える。
「主に魔力感知と攻撃無効化だが?」
「……詳細は?」
「戦力値10億未満までの存在の攻撃を完全無力化。更に相手の攻撃を察知した瞬間に即座に『逆探知』を行えるようにした」
「まるで『聖域結界』ね」
(※聖域結界とは、世界の崩壊を感知した時に現れる魔神が、世界を防衛する為に使う結界)。
ユファは自身の結界との差を聞かされて溜息を吐いた。
「お、おいおい! お前、その結界をずっと維持し続けるつもりなのか?」
キーリは冗談だろうと言いたげな表情を浮かべながら、この結界を張った『ブラスト』に尋ねる。
「ソフィ様に留守を頼まれた以上当然だろう?」
何を当たり前の事をと言い残して、そのままブラストは自室へと戻っていった。
「戦力値10億未満までの攻撃を無力化ってまじかよ? そ、そんな簡単に行えるものなのか?」
それはキーリを除いた『龍族』達が全員で一斉攻撃をしたところで、この屋敷には手を出せないという事と同義であった。
「それもずっと維持をし続けられると判断した状態で、戦力値10億未満の攻撃無効化よ? 数時間程であればあいつはきっと、それ以上の戦力値を持つ者でも無力化出来る結界を張れる筈ね。アレルバレル出身の大魔王は、私達の世界の常識で物事を考えたら駄目ね」
『レパート』の世界では『災厄の大魔法使い』として恐れられた大魔王ユファと、『リラリオ』の世界で最強の種族として、永きに渡り世界の頂点に君臨した始祖龍キーリだったが『アレルバレル』の世界の魔族の異常さを、再び思い知らされるのだった。
……
……
……
その頃ソフィ達一行は『高等移動呪文』で再びルードリヒ王国へ戻ってきた。
「それじゃまずは『トータル山脈』とやらに向かうとするか」
「道案内は私に任せて! と言いたいところだけど、まだここ『ルードリヒ』からはちょっとだけ歩くけどね」
リーネがそう言うとレアが首を傾げる。
「ねぇリーネ。空を飛んで行ったら駄目なの?」
「レアさん。私達人間はね、空を飛べないのよ」
「私達が運べば問題ないわよぉ、ねぇソフィ様?」
同意を求めるようにレアは、ソフィの方を振り返る。
「そうだな。ではリーネは我に掴まるがよい。レアよお主はラルフを運んでくれるか?」
「分かったわぁ! ラルフちゃんって言ったかしら? 私の腰元をしっかり掴んでてねぇ? あっ! でもドサクサに紛れて私の可愛いお尻を触ったら振り落とすからねぇ?」
そう言ってにやにや笑いながら、レアはラルフの反応を見る。
「分かりました。ではレアさん。よろしくお願いします」
「ノリが悪いわねぇ」
ぼそりと呟くとレアはそのまま空に浮き始めた後に、一気に空に浮上するのだった。
「では我らも行くとしようかリーネよ」
「うん!」
こうして『ルードリヒ』から空を飛んで『トータル』山脈へ向かうソフィ達だった。
ソフィがそう言うと呼ばれた三人は頷く。
「よし。ではユファ達は我の留守中を頼むぞ?」
「分かりました」
「分かったぜ、ソフィ様!」
「お任せ下さい。この屋敷に近づく者を全て灰にしてご覧に入れましょう」
「いや、それは見たくはないな。ユファよ、ブラストの手綱をしっかりと握るのだぞ?」
ユファは苦笑いを浮かべながら、ソフィに手を上げて了解を示した。
「依頼内容は先程伝えた通りだが、指定の魔物とやらを殺すような真似はせずにな?」
ソフィがそう言うと、パーティを組んだ者達は頷く。
「ねぇソフィ。この依頼って『ルードリヒ』国王からの指名依頼なのよね? クエストの達成の報告は、直接ルードリヒ王にするの?」
リーネがそう言うとソフィは首を横に振った。
「いや、一応の報告はエイルにもするつもりだが、この依頼内容の魔物は『クッケ』と『リルバーグ』のギルドで『ギルド指定A級討伐依頼』となっておるようだから、魔物を気絶させた後はそのどちらかのギルドに報告をするつもりだ」
リーネは少し考える素振りを見せた後、ソフィの顔を見る。
「成程ね。じゃ出来ればクエスト達成の報告は『クッケ』で行いたいのだけど構わない?」
少し不安そうにリーネがそう言うと、ソフィは『リルバーグ』の町が元々はリーネの所属していたギルドで更には『影忍の里』出身だという事を脳裏に浮かべて納得をするのだった。
「うむ。では報告は『クッケ』にしよう。それではリーネ、街への案内は頼んだぞ?」
ソフィの言葉に嬉しそうな笑みを浮かべて、大きく頷くリーネだった。
「では、行ってくる」
ソフィが屋敷に残る者達にそう告げると、まず『高等移動呪文』で『ルードリヒ王国』へ移動するのだった。
ソフィの姿が見えなくなった後にブラストは、膨大な魔力を自身の魔力回路に注ぐ込み屋敷に『結界』を張るのだった。
次の瞬間ユファとキーリは、ブラストの魔力に包まれた感覚を味わうのだった。
「ねぇちょっとブラスト。今アンタ、一体何をしたの?」
「何を言っている? 単にこの屋敷に『結界』を張っただけだが」
淡々と当たり前のようにブラストが告げる。
「どういう『結界』か聞いても構わない?」
ユファが顔を引きつらせながらブラストに質問すると、邪悪な笑みを浮かべながらブラストは答える。
「主に魔力感知と攻撃無効化だが?」
「……詳細は?」
「戦力値10億未満までの存在の攻撃を完全無力化。更に相手の攻撃を察知した瞬間に即座に『逆探知』を行えるようにした」
「まるで『聖域結界』ね」
(※聖域結界とは、世界の崩壊を感知した時に現れる魔神が、世界を防衛する為に使う結界)。
ユファは自身の結界との差を聞かされて溜息を吐いた。
「お、おいおい! お前、その結界をずっと維持し続けるつもりなのか?」
キーリは冗談だろうと言いたげな表情を浮かべながら、この結界を張った『ブラスト』に尋ねる。
「ソフィ様に留守を頼まれた以上当然だろう?」
何を当たり前の事をと言い残して、そのままブラストは自室へと戻っていった。
「戦力値10億未満までの攻撃を無力化ってまじかよ? そ、そんな簡単に行えるものなのか?」
それはキーリを除いた『龍族』達が全員で一斉攻撃をしたところで、この屋敷には手を出せないという事と同義であった。
「それもずっと維持をし続けられると判断した状態で、戦力値10億未満の攻撃無効化よ? 数時間程であればあいつはきっと、それ以上の戦力値を持つ者でも無力化出来る結界を張れる筈ね。アレルバレル出身の大魔王は、私達の世界の常識で物事を考えたら駄目ね」
『レパート』の世界では『災厄の大魔法使い』として恐れられた大魔王ユファと、『リラリオ』の世界で最強の種族として、永きに渡り世界の頂点に君臨した始祖龍キーリだったが『アレルバレル』の世界の魔族の異常さを、再び思い知らされるのだった。
……
……
……
その頃ソフィ達一行は『高等移動呪文』で再びルードリヒ王国へ戻ってきた。
「それじゃまずは『トータル山脈』とやらに向かうとするか」
「道案内は私に任せて! と言いたいところだけど、まだここ『ルードリヒ』からはちょっとだけ歩くけどね」
リーネがそう言うとレアが首を傾げる。
「ねぇリーネ。空を飛んで行ったら駄目なの?」
「レアさん。私達人間はね、空を飛べないのよ」
「私達が運べば問題ないわよぉ、ねぇソフィ様?」
同意を求めるようにレアは、ソフィの方を振り返る。
「そうだな。ではリーネは我に掴まるがよい。レアよお主はラルフを運んでくれるか?」
「分かったわぁ! ラルフちゃんって言ったかしら? 私の腰元をしっかり掴んでてねぇ? あっ! でもドサクサに紛れて私の可愛いお尻を触ったら振り落とすからねぇ?」
そう言ってにやにや笑いながら、レアはラルフの反応を見る。
「分かりました。ではレアさん。よろしくお願いします」
「ノリが悪いわねぇ」
ぼそりと呟くとレアはそのまま空に浮き始めた後に、一気に空に浮上するのだった。
「では我らも行くとしようかリーネよ」
「うん!」
こうして『ルードリヒ』から空を飛んで『トータル』山脈へ向かうソフィ達だった。
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