最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第428話 ラルグ魔国王とルードリヒ国王
ルードリヒの城の中を案内されながらソフィ達は歩いていく。
ソフィの姿と名は『ミールガルド』大陸中に知れ渡っている為、すれ違う度に兵士達は足を止めてソフィを見るのだった。
「来た事のない土地でこうも注目されると流石に違和感というモノがあるな」
「ハハハ。今やソフィは冒険者というよりは『ミールガルド』大陸を攻めてきた魔族達から、大陸を救った英雄だから当然だな」
「我自身も魔族だというのにな。そこらへんは気にならぬのか」
「魔族だから恐れられているのではなく、悪い事をする魔族を人間達は嫌悪しているのであって、その悪い魔族達から人間を救ったソフィのことは、魔族だろうと人間だろうとこの大陸の多くの者達は気にはしてないのだろうさ」
そこが『アレルバレル』の人間の大陸と、この『リラリオ』の人間たちとの違いなのかもしれないとソフィは思うのだった。
そしてこの城を案内してくれていた兵士が、立ち止まってこちらを振り返るのだった。
「ソフィ殿。リマルカ殿。王はこの部屋にあらせられます」
「うむ。ここまでの案内感謝するぞ」
英雄である『ソフィ』にそう言われた兵士は嬉しそうに頭を下げた。
「それではソフィ。入るとしようか」
「うむ」
リマルカがソフィの返事を確認した後、部屋の扉を開けた。
まずソフィの目に入ったのは、煌びやかな玉座に腰掛けて大臣と話をしているルードリヒ国王であった。
そして国王もソフィの姿が見えた途端に会話を止めて笑みを浮かべた。
「おお……! よくぞ参られた! 英雄ソフィ殿」
玉座から立ち上がった『ルードリヒ』の国王はソフィを嬉しそうに迎える。
「いやはや……。こういう形で呼びたててしまい、誠にすまぬなソフィ殿!」
「ルードリヒ国王。本日はお招き頂き感謝する。我がラルグ魔国王となったソフィである」
ソフィの挨拶を受けてルードリヒ国王はソフィの元まで歩いてきた。
ソフィは物腰柔らかな態度のルードリヒ国王に、少しばかり思い描いていた印象が変わる。
ルードリヒ王国は軍隊至上主義で、影忍の里の話を聞いていた事もあって、戦争を好む国でその国家の王であれば、もっと不遜な態度で接してくるとばかりソフィは思っていたのだった。
「余がルードリヒの国王『ルードリヒ・ビスタ・エイル』じゃ。お主であれば親しみの意味を兼ねて『エイル』と呼んでくれても構わんぞ。ソフィ殿!」
そう言ってガハハと豪快に笑う国王エイルであった。
年相応に白髪や皺が目立つルードリヒ国王だが、ソフィが一番に着目したのは、その特徴的な長い髭だった。
(どこかディアトロスに似ておるな)
長い髭も相まって見た目がディアトロスに少しだけ似ていると思うソフィであった。
ソフィを見ていたルードリヒ国王エイルは、ちらりと視線を横に移す。
「お主は……?」
エイルがユファを見て言葉を掛けてきたため、ユファも返事をする。
「初めましてルードリヒ国王。私は『ユファ・フィクス』。レイズ魔国の『宰相』の立場に居る者にして、ソフィ様の直属の配下です。以後お見知りおきを」
「ヴェルマー大陸の大国『レイズ』魔国の宰相殿か。いやはやこれは驚いたぞ」
ソフィとユファを交互に見て、エイルは心の底から驚いたというような表情を浮かべる。
「『ユファ・フィクス』殿もよくぞ来てくれた」
そう言ってエイルは頭を下げるのだった
そしてそこでようやく跪いて頭を下げ続けているAランク冒険者である『リマルカ』に声を掛ける国王エイル。
「冒険者『リマルカ』よ。余の依頼を見事果たしてくれて感謝する! まことに大儀であった!」
「ははっ!」
「報酬は後日『ギルド』に届けさせる。此度はもう下がってよいぞ」
「ははっ! ありがとうございます国王様!」
リマルカは立ち上がるとソフィに視線を向ける。
ソフィが頷くとリマルカは笑みを浮かべた後に、そのまま部屋を出ていった。
その様子を窺っていたエイルは、リマルカが出ていったのを確認した後にソフィに口を開いた。
「今回どうしても余は、ソフィ殿に大事な話がしたかったのだ。ひとまず宴の準備をさせてあるのだが、構わぬだろうか?」
エイルがそう言うのでソフィは頷いた。
嬉しそうにエイルは頷いたかと思うと、振り返って大臣に向けて言葉をかける。
「すぐに用意させていた部屋に案内せよ」
「御意」
大臣は側近の者に視線を向ける。
「それでは『ソフィ』様『ユファ』様。どうぞこちらへ」
大臣に促されたエイルの側近の兵は、先導してソフィ達を案内するのだった。
……
……
……
ソフィの姿と名は『ミールガルド』大陸中に知れ渡っている為、すれ違う度に兵士達は足を止めてソフィを見るのだった。
「来た事のない土地でこうも注目されると流石に違和感というモノがあるな」
「ハハハ。今やソフィは冒険者というよりは『ミールガルド』大陸を攻めてきた魔族達から、大陸を救った英雄だから当然だな」
「我自身も魔族だというのにな。そこらへんは気にならぬのか」
「魔族だから恐れられているのではなく、悪い事をする魔族を人間達は嫌悪しているのであって、その悪い魔族達から人間を救ったソフィのことは、魔族だろうと人間だろうとこの大陸の多くの者達は気にはしてないのだろうさ」
そこが『アレルバレル』の人間の大陸と、この『リラリオ』の人間たちとの違いなのかもしれないとソフィは思うのだった。
そしてこの城を案内してくれていた兵士が、立ち止まってこちらを振り返るのだった。
「ソフィ殿。リマルカ殿。王はこの部屋にあらせられます」
「うむ。ここまでの案内感謝するぞ」
英雄である『ソフィ』にそう言われた兵士は嬉しそうに頭を下げた。
「それではソフィ。入るとしようか」
「うむ」
リマルカがソフィの返事を確認した後、部屋の扉を開けた。
まずソフィの目に入ったのは、煌びやかな玉座に腰掛けて大臣と話をしているルードリヒ国王であった。
そして国王もソフィの姿が見えた途端に会話を止めて笑みを浮かべた。
「おお……! よくぞ参られた! 英雄ソフィ殿」
玉座から立ち上がった『ルードリヒ』の国王はソフィを嬉しそうに迎える。
「いやはや……。こういう形で呼びたててしまい、誠にすまぬなソフィ殿!」
「ルードリヒ国王。本日はお招き頂き感謝する。我がラルグ魔国王となったソフィである」
ソフィの挨拶を受けてルードリヒ国王はソフィの元まで歩いてきた。
ソフィは物腰柔らかな態度のルードリヒ国王に、少しばかり思い描いていた印象が変わる。
ルードリヒ王国は軍隊至上主義で、影忍の里の話を聞いていた事もあって、戦争を好む国でその国家の王であれば、もっと不遜な態度で接してくるとばかりソフィは思っていたのだった。
「余がルードリヒの国王『ルードリヒ・ビスタ・エイル』じゃ。お主であれば親しみの意味を兼ねて『エイル』と呼んでくれても構わんぞ。ソフィ殿!」
そう言ってガハハと豪快に笑う国王エイルであった。
年相応に白髪や皺が目立つルードリヒ国王だが、ソフィが一番に着目したのは、その特徴的な長い髭だった。
(どこかディアトロスに似ておるな)
長い髭も相まって見た目がディアトロスに少しだけ似ていると思うソフィであった。
ソフィを見ていたルードリヒ国王エイルは、ちらりと視線を横に移す。
「お主は……?」
エイルがユファを見て言葉を掛けてきたため、ユファも返事をする。
「初めましてルードリヒ国王。私は『ユファ・フィクス』。レイズ魔国の『宰相』の立場に居る者にして、ソフィ様の直属の配下です。以後お見知りおきを」
「ヴェルマー大陸の大国『レイズ』魔国の宰相殿か。いやはやこれは驚いたぞ」
ソフィとユファを交互に見て、エイルは心の底から驚いたというような表情を浮かべる。
「『ユファ・フィクス』殿もよくぞ来てくれた」
そう言ってエイルは頭を下げるのだった
そしてそこでようやく跪いて頭を下げ続けているAランク冒険者である『リマルカ』に声を掛ける国王エイル。
「冒険者『リマルカ』よ。余の依頼を見事果たしてくれて感謝する! まことに大儀であった!」
「ははっ!」
「報酬は後日『ギルド』に届けさせる。此度はもう下がってよいぞ」
「ははっ! ありがとうございます国王様!」
リマルカは立ち上がるとソフィに視線を向ける。
ソフィが頷くとリマルカは笑みを浮かべた後に、そのまま部屋を出ていった。
その様子を窺っていたエイルは、リマルカが出ていったのを確認した後にソフィに口を開いた。
「今回どうしても余は、ソフィ殿に大事な話がしたかったのだ。ひとまず宴の準備をさせてあるのだが、構わぬだろうか?」
エイルがそう言うのでソフィは頷いた。
嬉しそうにエイルは頷いたかと思うと、振り返って大臣に向けて言葉をかける。
「すぐに用意させていた部屋に案内せよ」
「御意」
大臣は側近の者に視線を向ける。
「それでは『ソフィ』様『ユファ』様。どうぞこちらへ」
大臣に促されたエイルの側近の兵は、先導してソフィ達を案内するのだった。
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