最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第294話 新たなラルグ魔国王
「な、なにをバカな事を宣っている!?」
ラルグ王ベイドの前に立っていた側近たちが、ふざけるなとばかりに大声で叫ぶ。
「馬鹿な事ですって……?」
側近の一体の魔族の言葉にレアが反応する。
他の者にとっては馬鹿な発言であってもレアにとっては、誰よりも大事な家族から与えられた何よりも優先される任務である。たとえ大言壮語だと感じても、それをレアの前で言ってはならなかった。
「そうだ! そもそもここをどこだか理解してきているのか? お前如き夢見がちなクソガキがきていい場所じゃないんだよ!」
瞬間――。威勢よく喋っていた側近の魔族の身体が突然燃え始めたかと思うと、木っ端微塵に吹き飛んだ。
『終焉の炎』で燃やされた直後に『万物の爆発』を同時無詠唱で発動させられたのである。
「気が変わった。もうこの国は滅ぼすわ」
キィイインという音と共に、レアの目が『金色』に変わり、恐ろしい魔力がレアを中心にこの場を支配する。ラルグ王は目の前の幼女が脅しではなく、本当にこの国を壊滅させようとしている事を感じ取り焦る。
「ま、待ってくれ! た、頼む、お前の……! い、いや、貴方の言う通りに従う!! だから待ってくれぇ!!」
ラルグ王ベイドはそう言うと玉座からレアの近くまで走っていき、床に跪きながら頭を下げる。
その様子を他の側近やラルグ魔国の魔族達は狼狽しながら見る。
「言葉に気をつけなさいよぉ? 次は容赦せずにこの国を灰に変えるからねぇ?」
レアがそう言うとこの国の王は何度も頷く。ようやくレアは纏っていた『青のオーラ』を解除して、跪いているベイドの前に立つ。
「もう頭をあげていいわよぉ。じゃあこれからよろしくねぇ?」
そういったレアは幼い子供とは思えない程、蠱惑的な笑みを見せるのだった。
こうしてたった一日で『ラルグ』魔国の支配者が入れ替わるという、前代未聞の異例の事態が現実のものとなるのだった。
そしてそれからは怒涛の展開がレアにとって引き起こされた。
レアがラルグの王となった事をラルグ魔国の民たちに認知させる為、ラルグ城に隣接している城下町でセレモニーを行った。
だが当然レアがこの国の王となることに対して、否定的な感情を持つ魔族は存在する。
そしてそんな連中が数人掛かりでレアに対して野次を飛ばした。
――それもその筈。彼らにとっては目の前の子供が、ラルグ魔国にいきなり攻めてきたかと思えば、強引に前王であったベイドを脅して王の座を奪い取った侵略者なのである。当然といえば当然と言えた。
しかしまさか野次を飛ばしたくらいでは、何もしてこないだろうと高を括っていたこの魔族達は、他の民たちが見ている前で、無残な死を遂げる事となった。
レア自らが魔族達に魔法を放ちその場で処刑をしたのである。その余りの横暴さに他の者たちが絶句していると、何事もなくレアはセレモニーの挨拶に戻り、挨拶の最後に民達に理解させるように言い放つ。
「私がこの世界の王となって、魔族をこの世界で一番偉い種族にしてあげるわよぉ? そうなればお前たちは世界で一番地位のある種族となるの。素晴らしいでしょう?」
目の前で野次を飛ばした者たちをあっさりと処刑した後、とんでもない事を言い出す『レア』新ラルグ魔国王。
「だからお前たちは私の言う事に従いなさぁい。分かっていると思うけど逆らえば殺すわよぉ?」
ニコニコと笑いながらそう挨拶を締めくくるレア新魔国王であった。
誰も称えるような声をあげないが、その代わり誰も反対する声もあげなかった。ただラルグの魔族達は、レアという新たな自分達の王を畏怖の対象と認めて怯えながら視線を送るのであった。
近々『ベイド』前魔国王が『レイズ』魔国の女王である『エリス』と会合を行う予定があったという事を知ったレアは、こうしてラルグ魔国の王が入れ替わった事と、予定通り会合を希望する事を使者を通してレイズ魔国の『エリス』女王に伝えるのだった。
この知らせを受けたレイズ魔国の女王『エリス』は驚愕するが、新しくラルグの魔国王が話し合いの場を設けると告げてきた以上は、渋々とではあるが了承するのだった。
そして会合の日。ラルグ魔国領にレイズ魔国の女王『エリス』が自分の信頼する親衛隊のみを引き連れて到着した。
エリスが国のNo.2である『フィクス』や、No.3 である『ビデス』を伴わずに来たのには理由がある。
新しく王となったラルグ魔国の女王『レア』という存在がどういう者なのか、それがまだ分からない以上は女王の身に何かあった場合に、直ぐに指示を出せる者を『レイズ』魔国に残す事を目的としたのであった。
そしてエリス女王のその考えは正しかった――。
「ラルグの新しい王……。これは一体どういう事なのでしょうか?」
ラルグに到着したエリス達は、レアの命令をきいたラルグ兵達に囲まれており、まるで敵対者を捕らえるような扱いを受けていた。
「貴方がレイズとやらの国の女王で間違いないようねぇ? 貴方達の国は、今日からこの国の属国となってもらうからよろしくねぇ?」
……
……
……
ラルグ王ベイドの前に立っていた側近たちが、ふざけるなとばかりに大声で叫ぶ。
「馬鹿な事ですって……?」
側近の一体の魔族の言葉にレアが反応する。
他の者にとっては馬鹿な発言であってもレアにとっては、誰よりも大事な家族から与えられた何よりも優先される任務である。たとえ大言壮語だと感じても、それをレアの前で言ってはならなかった。
「そうだ! そもそもここをどこだか理解してきているのか? お前如き夢見がちなクソガキがきていい場所じゃないんだよ!」
瞬間――。威勢よく喋っていた側近の魔族の身体が突然燃え始めたかと思うと、木っ端微塵に吹き飛んだ。
『終焉の炎』で燃やされた直後に『万物の爆発』を同時無詠唱で発動させられたのである。
「気が変わった。もうこの国は滅ぼすわ」
キィイインという音と共に、レアの目が『金色』に変わり、恐ろしい魔力がレアを中心にこの場を支配する。ラルグ王は目の前の幼女が脅しではなく、本当にこの国を壊滅させようとしている事を感じ取り焦る。
「ま、待ってくれ! た、頼む、お前の……! い、いや、貴方の言う通りに従う!! だから待ってくれぇ!!」
ラルグ王ベイドはそう言うと玉座からレアの近くまで走っていき、床に跪きながら頭を下げる。
その様子を他の側近やラルグ魔国の魔族達は狼狽しながら見る。
「言葉に気をつけなさいよぉ? 次は容赦せずにこの国を灰に変えるからねぇ?」
レアがそう言うとこの国の王は何度も頷く。ようやくレアは纏っていた『青のオーラ』を解除して、跪いているベイドの前に立つ。
「もう頭をあげていいわよぉ。じゃあこれからよろしくねぇ?」
そういったレアは幼い子供とは思えない程、蠱惑的な笑みを見せるのだった。
こうしてたった一日で『ラルグ』魔国の支配者が入れ替わるという、前代未聞の異例の事態が現実のものとなるのだった。
そしてそれからは怒涛の展開がレアにとって引き起こされた。
レアがラルグの王となった事をラルグ魔国の民たちに認知させる為、ラルグ城に隣接している城下町でセレモニーを行った。
だが当然レアがこの国の王となることに対して、否定的な感情を持つ魔族は存在する。
そしてそんな連中が数人掛かりでレアに対して野次を飛ばした。
――それもその筈。彼らにとっては目の前の子供が、ラルグ魔国にいきなり攻めてきたかと思えば、強引に前王であったベイドを脅して王の座を奪い取った侵略者なのである。当然といえば当然と言えた。
しかしまさか野次を飛ばしたくらいでは、何もしてこないだろうと高を括っていたこの魔族達は、他の民たちが見ている前で、無残な死を遂げる事となった。
レア自らが魔族達に魔法を放ちその場で処刑をしたのである。その余りの横暴さに他の者たちが絶句していると、何事もなくレアはセレモニーの挨拶に戻り、挨拶の最後に民達に理解させるように言い放つ。
「私がこの世界の王となって、魔族をこの世界で一番偉い種族にしてあげるわよぉ? そうなればお前たちは世界で一番地位のある種族となるの。素晴らしいでしょう?」
目の前で野次を飛ばした者たちをあっさりと処刑した後、とんでもない事を言い出す『レア』新ラルグ魔国王。
「だからお前たちは私の言う事に従いなさぁい。分かっていると思うけど逆らえば殺すわよぉ?」
ニコニコと笑いながらそう挨拶を締めくくるレア新魔国王であった。
誰も称えるような声をあげないが、その代わり誰も反対する声もあげなかった。ただラルグの魔族達は、レアという新たな自分達の王を畏怖の対象と認めて怯えながら視線を送るのであった。
近々『ベイド』前魔国王が『レイズ』魔国の女王である『エリス』と会合を行う予定があったという事を知ったレアは、こうしてラルグ魔国の王が入れ替わった事と、予定通り会合を希望する事を使者を通してレイズ魔国の『エリス』女王に伝えるのだった。
この知らせを受けたレイズ魔国の女王『エリス』は驚愕するが、新しくラルグの魔国王が話し合いの場を設けると告げてきた以上は、渋々とではあるが了承するのだった。
そして会合の日。ラルグ魔国領にレイズ魔国の女王『エリス』が自分の信頼する親衛隊のみを引き連れて到着した。
エリスが国のNo.2である『フィクス』や、No.3 である『ビデス』を伴わずに来たのには理由がある。
新しく王となったラルグ魔国の女王『レア』という存在がどういう者なのか、それがまだ分からない以上は女王の身に何かあった場合に、直ぐに指示を出せる者を『レイズ』魔国に残す事を目的としたのであった。
そしてエリス女王のその考えは正しかった――。
「ラルグの新しい王……。これは一体どういう事なのでしょうか?」
ラルグに到着したエリス達は、レアの命令をきいたラルグ兵達に囲まれており、まるで敵対者を捕らえるような扱いを受けていた。
「貴方がレイズとやらの国の女王で間違いないようねぇ? 貴方達の国は、今日からこの国の属国となってもらうからよろしくねぇ?」
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