最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第179話 直轄司令ベア
ソフィ達がリーゼと話をしていた頃、ヴェルマー大陸全土に駐屯しているラルグ魔国の偵察兵達が、レイズ魔国の周りに多くの魔物が居る事に気づいた。
「なんだ、あいつらは?」
「この辺では見ない魔物達ですが、何処の部隊でしょうね?」
「しかし相当な数ですね。シーマ様達の直属のラルグ魔国部隊は『ミールガルド』大陸にいる筈ですよね」
ソフィの魔物の配下400体程を見た『レヴトン』はどうするかと悩んだ。
ラルグ魔国が『ヴェルマー』大陸を統一した後、新たに三大魔国以外の国の魔族達を配下に加えていった。その魔族達を纏める役にこの『レヴトン』が選ばれたのである。
そしてラルグ魔国の二次団体となったこの『レヴトン』の部隊が、定期偵察を行う為にレイズ魔国の跡地を訪れたのだが、ちょうどその時にソフィ達がレイズ魔国に降り立ったのだった。
【種族:魔族 名前:レヴトン 年齢:1345歳
魔力値:1474 戦力値:1551万 所属:ラルグ魔国】。
レヴトンは最上位魔族として、元ラルグ第一軍に所属していた魔族である。
「レイズ魔国周辺の国は全て壊滅していた筈だが……。あの魔物達の数は流石に気になるな」
レヴトンはこの組織の副長を務める『ゲバドン』に確かめに行くように告げた。
直ぐに10体程の上位魔族を引き連れて、ゲバドンは『レイズ』魔国城付近に向かうのであった。
……
……
……
400体の魔物達の中心で寝そべっていた、大きな体の魔物がゆっくりと空を見上げる。
(何かがこっちに来るぞ、注意しろ)
ソフィの言葉を守りレイズ周辺を守っていた直轄司令のベアは『念話』で仲間達に告げる。すでに五体の『ロード』は近寄る存在に気づいていたが、ベアの言葉に頷きを返した。
ゲバドンの部隊がレイズ周辺に到着した瞬間、ベア達が戦闘態勢に入る。
「!!」
『真なる魔王』階級の『ベア』。
――『魔王』階級に匹敵する『ロード』の五体。
そして四百を越える『上位魔族』階級の圧力を感じたゲバドン達は目を丸くして震えあがる。
「そこで止まってもらおうか」
ベアがそう告げると、直ぐにゲバドン達は足を止めた。
もし通告を無視すれば目の前の化け物達は、何の躊躇いもなく自分達を攻撃をすると理解した為であった。
「お、お前たちは何者だ? 我々ラルグ魔国軍の者達ではないな!」
ラルグという言葉を聞いた『ロード』の一体『ハウンド』がゲバドンを食い殺そうと一歩前へ出る。
「ぐっ……!」
戦力値3000万を越えるソフィの名付け魔物の『ハウンド』が、唸り声をあげながらゲバドンへ近づいていく。
このハウンドだけでもラルグ魔国の王であった『シーマ』や元フィクスであった『レルバノン』に近しい戦力を有している為に、ゲバドンは頭を抱えながら震え上がった。
「待て、ハウンド」
しかしベアがハウンドを制止させると、その恐ろしい魔物は大人なりあっさりと引き下がるのだった。
「我々は大魔王『ソフィ』様の配下だ。お前達が『ラルグ』魔国所属だかなんだかは知らないが、ソフィ様の用事が済むまではここには近づかないでもらおう」
ゲバドンはその言葉が信じられなかった。
――この大陸を統一したラルグ魔国軍。
その二次団体とはいっても『シーマ』王直々に任命されたのがこの部隊である。
そのゲバドン達が敬われるどころか、完全に見下された態度をこうしてとられているのである。しかしゲバドンは、目の前の魔物達に態度を改めるように注意をする事が出来なかった。
先程唸り声をあげていた『ハウンド』と呼ばれていた魔物でさえ、自分達では決して敵わない程の化け物だというのに、いま目の前で喋っている熊のような魔物は、もう『ゲバドン』ではその強さがどれ程なのかすら測れない程の化け物なのだ。
「か、確認をするが、ここは我々ラルグ魔国軍の領土であり、我々がラルグ魔国軍と知った上でお前達の先程の言葉は、撤回をするつもりはないのだな?」
何とかゲバドンは、出せる声を絞り出してそう言った。
次の瞬間、突然目の前の化け物が唸り声をあげた。
「グオオオオッッッ!!!」
恐ろしい程の重圧が『ゲバドン』とその周りにいる部隊を襲う。
「「う、うわあああ……!!」」
戦力値400万を越える上位魔族で構成された部隊の内、半分以上が今の唸り声だけで気絶した。
「誰に言われてきたかは知らんが、文句があるならいつでも来いと伝えるがいい。皆殺しにしてくれる」
「わ、分かった!」
そういって立ち去ろうとするゲバドンだが、唐突にベアに呼び止められた。
「待て貴様。そこに倒れている者達を連れて帰れ。邪魔だ」
ゲバドン達は、慌てて気絶して倒れている自分達の仲間を担いで去っていった。
その姿を見届けた後にベアは、主であるソフィの屋敷にある庭にいるかのように、再びその場に寝そべるのだった。
そしてそのベア達の周りを五体の『ロード』達がボスを守るように陣取って守りに入る。
更にはその周りを各『ロード』が名付けを行った自分の配下となる魔物達が守りに入って、レイズ魔国の首都『シティアス』の守りに戻るのだった。
「なんだ、あいつらは?」
「この辺では見ない魔物達ですが、何処の部隊でしょうね?」
「しかし相当な数ですね。シーマ様達の直属のラルグ魔国部隊は『ミールガルド』大陸にいる筈ですよね」
ソフィの魔物の配下400体程を見た『レヴトン』はどうするかと悩んだ。
ラルグ魔国が『ヴェルマー』大陸を統一した後、新たに三大魔国以外の国の魔族達を配下に加えていった。その魔族達を纏める役にこの『レヴトン』が選ばれたのである。
そしてラルグ魔国の二次団体となったこの『レヴトン』の部隊が、定期偵察を行う為にレイズ魔国の跡地を訪れたのだが、ちょうどその時にソフィ達がレイズ魔国に降り立ったのだった。
【種族:魔族 名前:レヴトン 年齢:1345歳
魔力値:1474 戦力値:1551万 所属:ラルグ魔国】。
レヴトンは最上位魔族として、元ラルグ第一軍に所属していた魔族である。
「レイズ魔国周辺の国は全て壊滅していた筈だが……。あの魔物達の数は流石に気になるな」
レヴトンはこの組織の副長を務める『ゲバドン』に確かめに行くように告げた。
直ぐに10体程の上位魔族を引き連れて、ゲバドンは『レイズ』魔国城付近に向かうのであった。
……
……
……
400体の魔物達の中心で寝そべっていた、大きな体の魔物がゆっくりと空を見上げる。
(何かがこっちに来るぞ、注意しろ)
ソフィの言葉を守りレイズ周辺を守っていた直轄司令のベアは『念話』で仲間達に告げる。すでに五体の『ロード』は近寄る存在に気づいていたが、ベアの言葉に頷きを返した。
ゲバドンの部隊がレイズ周辺に到着した瞬間、ベア達が戦闘態勢に入る。
「!!」
『真なる魔王』階級の『ベア』。
――『魔王』階級に匹敵する『ロード』の五体。
そして四百を越える『上位魔族』階級の圧力を感じたゲバドン達は目を丸くして震えあがる。
「そこで止まってもらおうか」
ベアがそう告げると、直ぐにゲバドン達は足を止めた。
もし通告を無視すれば目の前の化け物達は、何の躊躇いもなく自分達を攻撃をすると理解した為であった。
「お、お前たちは何者だ? 我々ラルグ魔国軍の者達ではないな!」
ラルグという言葉を聞いた『ロード』の一体『ハウンド』がゲバドンを食い殺そうと一歩前へ出る。
「ぐっ……!」
戦力値3000万を越えるソフィの名付け魔物の『ハウンド』が、唸り声をあげながらゲバドンへ近づいていく。
このハウンドだけでもラルグ魔国の王であった『シーマ』や元フィクスであった『レルバノン』に近しい戦力を有している為に、ゲバドンは頭を抱えながら震え上がった。
「待て、ハウンド」
しかしベアがハウンドを制止させると、その恐ろしい魔物は大人なりあっさりと引き下がるのだった。
「我々は大魔王『ソフィ』様の配下だ。お前達が『ラルグ』魔国所属だかなんだかは知らないが、ソフィ様の用事が済むまではここには近づかないでもらおう」
ゲバドンはその言葉が信じられなかった。
――この大陸を統一したラルグ魔国軍。
その二次団体とはいっても『シーマ』王直々に任命されたのがこの部隊である。
そのゲバドン達が敬われるどころか、完全に見下された態度をこうしてとられているのである。しかしゲバドンは、目の前の魔物達に態度を改めるように注意をする事が出来なかった。
先程唸り声をあげていた『ハウンド』と呼ばれていた魔物でさえ、自分達では決して敵わない程の化け物だというのに、いま目の前で喋っている熊のような魔物は、もう『ゲバドン』ではその強さがどれ程なのかすら測れない程の化け物なのだ。
「か、確認をするが、ここは我々ラルグ魔国軍の領土であり、我々がラルグ魔国軍と知った上でお前達の先程の言葉は、撤回をするつもりはないのだな?」
何とかゲバドンは、出せる声を絞り出してそう言った。
次の瞬間、突然目の前の化け物が唸り声をあげた。
「グオオオオッッッ!!!」
恐ろしい程の重圧が『ゲバドン』とその周りにいる部隊を襲う。
「「う、うわあああ……!!」」
戦力値400万を越える上位魔族で構成された部隊の内、半分以上が今の唸り声だけで気絶した。
「誰に言われてきたかは知らんが、文句があるならいつでも来いと伝えるがいい。皆殺しにしてくれる」
「わ、分かった!」
そういって立ち去ろうとするゲバドンだが、唐突にベアに呼び止められた。
「待て貴様。そこに倒れている者達を連れて帰れ。邪魔だ」
ゲバドン達は、慌てて気絶して倒れている自分達の仲間を担いで去っていった。
その姿を見届けた後にベアは、主であるソフィの屋敷にある庭にいるかのように、再びその場に寝そべるのだった。
そしてそのベア達の周りを五体の『ロード』達がボスを守るように陣取って守りに入る。
更にはその周りを各『ロード』が名付けを行った自分の配下となる魔物達が守りに入って、レイズ魔国の首都『シティアス』の守りに戻るのだった。
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