最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第75話 ソフィVSエルザ
「御呼びですか? レルバノン様」
「ええ、どうやら彼は私たちの仲間にはなっていただけないようですので、いつものように処理しておいてください」
そう言ってレルバノンは、部屋から出ていこうとする。
「かしこまりました、レルバノン様」
そして、エルザは恭しく一礼をした後、ソフィを見る。
「やれやれ、まだ話は途中だったというのに。まぁ後はお主に聞けばよいか」
そう言ってソフィは、再度『紅いオーラ』を出し始めた。
「理解出来ないな。せっかくお前は我が主に選ばれたのだというのに」
ふぅっと可愛らしい溜息をついて、エルザは手の平を上に向けて両手をあげる。
「クックック、少し勧誘にしては強引すぎたと思うがな?」
「そこは否定しないが、組織に仲間入りしてしまえば主はとても優しいのだぞ?」
「ふむ、確かにお主のレルバノン殿を想う感情に嘘は感じないな」
エルザの様子からは操られていたり、強引な命令や力で押し付けられているようには見受けられなかった。
「当たり前よ、本心から私は主をお慕いしているのだから」
エルザは話をしながらも着々と手や足をブラブラさせて、戦闘を行う為の準備運動をしている。
「お主も我と戦うつもりか? 我は魔物を操っている男に会わせてもらえれば、それでいいのだが」
「残念だけど主の誘いを断った以上、貴様はここで死ぬしかなくなったわね」
そう告げたエルザは何もない空間から大きな剣を取り出した。
小柄な彼女が持つにしては、大きすぎる剣の存在にソフィは驚かされる。
「そんな大きな剣を扱えるのか?」
「そんな心配は無用だ! 剣の切れ味は貴方の体で体験させてやろう」
そしてエルザは剣を担ぐように大刀を両手で持ち、野球のバットのようにその場で振る。
恐ろしい風圧が衝撃波となって、ソフィを襲い掛かる。
「むっ!」
ソフィはその場で跳躍してエルザの風圧を躱す。
躱す事を予測していたのか、ソフィが前を見るとエルザが目前まで迫っていた。
「ウオオオッ!!」
エルザは手首のスナップだけではなく、その体全体を最大限に捻ってソフィを斬ろうとする。
まさに渾身というべき縦斬りがソフィに襲い掛かる。
「回避は……、間に合わぬ……っか!」
ソフィは咄嗟に身体をひねって躱そうかと思ったが、紅い目に光るエルザの縦斬りは中途半端な回避を許さない。
ソフィは左手を前に出して、紅いオーラを纏わせてガードする。
しかしソフィのオーラを纏った左手ごと、大刀は衝撃と共に吹き飛ばしていく。
「くっ……! 何という馬鹿力をしている」
ソフィは咄嗟に防御をしたことを後悔する。
「まだまだぁっ!」
今度はソフィの胴体を真っ二つにしようと、エルザは大刀を横に振り切る。
「チッ!」
ソフィは舌打ちをしながら、右手を前に出して魔法を発動させる。
――超越魔法、『終焉の炎』。
爆炎がソフィの右手から生まれて、エルザの大刀を防ぐ形で炎が巻き上がる。
「うおおおおっっ!!」
しかしエルザはソフィの魔法ごと真横に振り切った。
――衝撃波がソフィ目掛けて駆け抜ける。
「何と出鱈目なパワーなのだ!」
ソフィは空中で咄嗟に天井に向けて小さな風魔法を発動させた後、その風圧を利用して強引に体を床に戻す。
だが、エルザはお構いなしにソフィのいる場所に袈裟切りに振り下ろしながら落ちてくる。
「ハァァッ!!」
上位魔族の身体だからこそ為せる剣技というべき、強引な大刀の使い方をしながらソフィを襲う。
「このままでは……、勝てぬか」
ソフィの目が紅く光り、次の瞬間大きく大地が揺れる。
この形態のソフィの出せる最大戦力で、空から渾身の一撃をぶつけようと降ってくる『エルザ』を迎え撃とうとする。
【名前:ソフィ(第一形態)MAX 戦力値:520万】。
――超越魔法、『炎帝の爆炎』。
ソフィの前に炎の化身が現れて、数百発の火球が出現する。
「ウオオオオッ!!」
全体重を乗せたエルザの大刀の縦斬りがソフィと『魔法』で生み出された炎の化身を目掛けて振り下ろされる!
炎の化身の火球が次々とエルザに向かっていくが、その一発一発が恐ろしい程の火力を持つ。
次々とエルザの身体に火球が当たり、相当のダメージを負わせたと思われるが、彼女は全く気にせずに、そのまま振りかぶって大刀の縦斬りで振り下ろす。
どうやらここまでの戦いを見てきたソフィは、この大刀を完全に使いこなしているエルザを『上位魔族』の中でもピカイチなのだと確信する。
そして『魔法』で生み出された炎の化身が、ソフィを守ろうと盾になるがその炎帝の化身ごと、ソフィの左肩から胴体までを力任せにぶつ切りにする。
ソフィは紅いオーラで体を守るように纏っており、通常より遥かに硬い上に炎帝の守りがある為、そもそも傷つけるのが不可能に近いというのに、エルザの大刀はあっさりと斬って見せた。
「ぐぬっ……!」
魔族の中でも上位魔族とされる『紅い目』の体現者『エルザ』は、その強さに偽りなく、その剣技を以ってソフィに力を示して見せたのだった。
「ええ、どうやら彼は私たちの仲間にはなっていただけないようですので、いつものように処理しておいてください」
そう言ってレルバノンは、部屋から出ていこうとする。
「かしこまりました、レルバノン様」
そして、エルザは恭しく一礼をした後、ソフィを見る。
「やれやれ、まだ話は途中だったというのに。まぁ後はお主に聞けばよいか」
そう言ってソフィは、再度『紅いオーラ』を出し始めた。
「理解出来ないな。せっかくお前は我が主に選ばれたのだというのに」
ふぅっと可愛らしい溜息をついて、エルザは手の平を上に向けて両手をあげる。
「クックック、少し勧誘にしては強引すぎたと思うがな?」
「そこは否定しないが、組織に仲間入りしてしまえば主はとても優しいのだぞ?」
「ふむ、確かにお主のレルバノン殿を想う感情に嘘は感じないな」
エルザの様子からは操られていたり、強引な命令や力で押し付けられているようには見受けられなかった。
「当たり前よ、本心から私は主をお慕いしているのだから」
エルザは話をしながらも着々と手や足をブラブラさせて、戦闘を行う為の準備運動をしている。
「お主も我と戦うつもりか? 我は魔物を操っている男に会わせてもらえれば、それでいいのだが」
「残念だけど主の誘いを断った以上、貴様はここで死ぬしかなくなったわね」
そう告げたエルザは何もない空間から大きな剣を取り出した。
小柄な彼女が持つにしては、大きすぎる剣の存在にソフィは驚かされる。
「そんな大きな剣を扱えるのか?」
「そんな心配は無用だ! 剣の切れ味は貴方の体で体験させてやろう」
そしてエルザは剣を担ぐように大刀を両手で持ち、野球のバットのようにその場で振る。
恐ろしい風圧が衝撃波となって、ソフィを襲い掛かる。
「むっ!」
ソフィはその場で跳躍してエルザの風圧を躱す。
躱す事を予測していたのか、ソフィが前を見るとエルザが目前まで迫っていた。
「ウオオオッ!!」
エルザは手首のスナップだけではなく、その体全体を最大限に捻ってソフィを斬ろうとする。
まさに渾身というべき縦斬りがソフィに襲い掛かる。
「回避は……、間に合わぬ……っか!」
ソフィは咄嗟に身体をひねって躱そうかと思ったが、紅い目に光るエルザの縦斬りは中途半端な回避を許さない。
ソフィは左手を前に出して、紅いオーラを纏わせてガードする。
しかしソフィのオーラを纏った左手ごと、大刀は衝撃と共に吹き飛ばしていく。
「くっ……! 何という馬鹿力をしている」
ソフィは咄嗟に防御をしたことを後悔する。
「まだまだぁっ!」
今度はソフィの胴体を真っ二つにしようと、エルザは大刀を横に振り切る。
「チッ!」
ソフィは舌打ちをしながら、右手を前に出して魔法を発動させる。
――超越魔法、『終焉の炎』。
爆炎がソフィの右手から生まれて、エルザの大刀を防ぐ形で炎が巻き上がる。
「うおおおおっっ!!」
しかしエルザはソフィの魔法ごと真横に振り切った。
――衝撃波がソフィ目掛けて駆け抜ける。
「何と出鱈目なパワーなのだ!」
ソフィは空中で咄嗟に天井に向けて小さな風魔法を発動させた後、その風圧を利用して強引に体を床に戻す。
だが、エルザはお構いなしにソフィのいる場所に袈裟切りに振り下ろしながら落ちてくる。
「ハァァッ!!」
上位魔族の身体だからこそ為せる剣技というべき、強引な大刀の使い方をしながらソフィを襲う。
「このままでは……、勝てぬか」
ソフィの目が紅く光り、次の瞬間大きく大地が揺れる。
この形態のソフィの出せる最大戦力で、空から渾身の一撃をぶつけようと降ってくる『エルザ』を迎え撃とうとする。
【名前:ソフィ(第一形態)MAX 戦力値:520万】。
――超越魔法、『炎帝の爆炎』。
ソフィの前に炎の化身が現れて、数百発の火球が出現する。
「ウオオオオッ!!」
全体重を乗せたエルザの大刀の縦斬りがソフィと『魔法』で生み出された炎の化身を目掛けて振り下ろされる!
炎の化身の火球が次々とエルザに向かっていくが、その一発一発が恐ろしい程の火力を持つ。
次々とエルザの身体に火球が当たり、相当のダメージを負わせたと思われるが、彼女は全く気にせずに、そのまま振りかぶって大刀の縦斬りで振り下ろす。
どうやらここまでの戦いを見てきたソフィは、この大刀を完全に使いこなしているエルザを『上位魔族』の中でもピカイチなのだと確信する。
そして『魔法』で生み出された炎の化身が、ソフィを守ろうと盾になるがその炎帝の化身ごと、ソフィの左肩から胴体までを力任せにぶつ切りにする。
ソフィは紅いオーラで体を守るように纏っており、通常より遥かに硬い上に炎帝の守りがある為、そもそも傷つけるのが不可能に近いというのに、エルザの大刀はあっさりと斬って見せた。
「ぐぬっ……!」
魔族の中でも上位魔族とされる『紅い目』の体現者『エルザ』は、その強さに偽りなく、その剣技を以ってソフィに力を示して見せたのだった。
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