最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第62話 ステンシアの警備隊
ステンシアの町の冒険者ギルド長『リルキンス』からのソフィへの指名依頼内容を要約するとこういう事のようである。
――――
 『ギルド長、リルキンスからの指名依頼』
・ランク指定:なし
・内容:危険な薬草を魔物達に投与している者を捕縛(実際は何か手がかりが見つかれば達成とする)。
・報酬:金貨10枚、犯人捕縛時、ギルドポイント20000P (手がかりだけでも10000Pとする)。
――――
それはまさに破格といっていい程の条件である。
これは『破壊神』としてのギルド対抗戦の実績を持つソフィだからこそ、ステンシアのギルド長から直接の指名の依頼なのであった。
ギルドを出た三人はまず、ここまで護衛をしてきたミナトを再び探す事にした。
「それで、どうやってミナトさんを探すの?」
「うむ。まずは我の『魔法』でミナトを探してみようと思っている」
ソフィを見ながら頷くリーネだが、内心では『非常に便利だな』と感心するのだった。
「ですがソフィ様。この街の人々はギルド長が言っていた程には、緊張感に包まれている感じではありませんね」
ラルフは辺りを見回しながら言う。
「そのようだな。話によれば何度も何度も街に魔物が襲撃してきたり、薬漬けの人間が暴れたりしているらしいが、何も知らなければ全くそんな風には見えぬな」
町の人間は『グラン』と変わらない程に、談笑している者たちが見受けられた。
「それは俺たち警備の人間が、安心感を与えているからさ!」
ソフィ達の会話を聞いていたのかギルドの建物の前で、警備と書かれている腕章をつけている複数の者達が突如として話掛けてくるのだった。
「ほう。お主らはこの町の警備の者かな?」
ソフィの言葉に警備隊の隊長らしき男が、口を開いて返事をする。
「いかにも! この町の警備隊は全員が優秀だからな! 暴れている奴らは、皆あっという間に逮捕だ!」
「『漏出』」。
【種族:人間 年齢:33歳 名前:マーク
魔力値:122 戦力値:22550 職業:警備隊】。
ソフィの『魔法』によって、彼らの強さが数値上に表される。
「ほう、お主なかなかに強いな」
この『マーク』という名の町の警備は数値上では、冒険者ギルドの対抗戦の代表に選ばれる勲章ランクC、もしくはBの下位に匹敵する程であり、ソフィが褒めると男は照れたのか、見るからに機嫌が良くなった。
「はっはっは、やっぱり普段から漏れ出ている俺の強者のオーラには、子供でも分かってしまうものなのかなぁ」
周りにいた部下達も『マーク』に愛想笑いを浮かべている。
しかしマークが優秀な警備隊というだけあって、その部下達の戦力値もそれなりに高く、7000から10000程と表記されていた。
こちらも冒険者ランクにしてもDからC相当はあるのだろう。
マーク達全員で取り押さえようと上手く連携を取る事が出来るのであれば、下位程度のBランク冒険者が相手でも善戦出来るかもしれない。
「これで街の人たちが安心して、外を出歩いている理由が分かったかな?」
大笑いをしている警備隊達だが、その中の警備の一人がぎょっとした顔でソフィを見る。
どうやらその警備隊の男は、少年が今あらゆる町で噂になっている『破壊神』と気づいたようだった。
「た、隊長! そろそろ行きましょう! こうしている間にも困っている人が、我々を待っているかもしれませんよ!」
馬鹿笑いをしているマークが、その言葉にハッとして頷く。
「そ、そうだな! よし、少年たちよ、お前たちも何かあれば、我々警備隊の詰所まで相談に来るのだぞ! いつでも相談に乗るからな」
はっはっはと笑いながら警備隊達は、ソフィ達の前から去って行った。
「全く、一体何だったのかしら……?」
リーネが溜息を吐いて、警備隊達の走り去っていった方向を見ていた。
「まぁよい、では早速ミナトの魔力を探るとしよう」
――根源魔法、『漏出』。
ステンシアの街全体を対象にミナトの魔力を探ると、直ぐに現在ミナトが居る場所を感じ取れるのであった。
「居たぞ。ここから少し南に行った所にミナトは居るようだ」
「では早速私達も行きましょうか」
こうしてソフィ一行は、先程ギルドで別れたばかりの『ミナト』の元へと向かうのだった。
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 『ギルド長、リルキンスからの指名依頼』
・ランク指定:なし
・内容:危険な薬草を魔物達に投与している者を捕縛(実際は何か手がかりが見つかれば達成とする)。
・報酬:金貨10枚、犯人捕縛時、ギルドポイント20000P (手がかりだけでも10000Pとする)。
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それはまさに破格といっていい程の条件である。
これは『破壊神』としてのギルド対抗戦の実績を持つソフィだからこそ、ステンシアのギルド長から直接の指名の依頼なのであった。
ギルドを出た三人はまず、ここまで護衛をしてきたミナトを再び探す事にした。
「それで、どうやってミナトさんを探すの?」
「うむ。まずは我の『魔法』でミナトを探してみようと思っている」
ソフィを見ながら頷くリーネだが、内心では『非常に便利だな』と感心するのだった。
「ですがソフィ様。この街の人々はギルド長が言っていた程には、緊張感に包まれている感じではありませんね」
ラルフは辺りを見回しながら言う。
「そのようだな。話によれば何度も何度も街に魔物が襲撃してきたり、薬漬けの人間が暴れたりしているらしいが、何も知らなければ全くそんな風には見えぬな」
町の人間は『グラン』と変わらない程に、談笑している者たちが見受けられた。
「それは俺たち警備の人間が、安心感を与えているからさ!」
ソフィ達の会話を聞いていたのかギルドの建物の前で、警備と書かれている腕章をつけている複数の者達が突如として話掛けてくるのだった。
「ほう。お主らはこの町の警備の者かな?」
ソフィの言葉に警備隊の隊長らしき男が、口を開いて返事をする。
「いかにも! この町の警備隊は全員が優秀だからな! 暴れている奴らは、皆あっという間に逮捕だ!」
「『漏出』」。
【種族:人間 年齢:33歳 名前:マーク
魔力値:122 戦力値:22550 職業:警備隊】。
ソフィの『魔法』によって、彼らの強さが数値上に表される。
「ほう、お主なかなかに強いな」
この『マーク』という名の町の警備は数値上では、冒険者ギルドの対抗戦の代表に選ばれる勲章ランクC、もしくはBの下位に匹敵する程であり、ソフィが褒めると男は照れたのか、見るからに機嫌が良くなった。
「はっはっは、やっぱり普段から漏れ出ている俺の強者のオーラには、子供でも分かってしまうものなのかなぁ」
周りにいた部下達も『マーク』に愛想笑いを浮かべている。
しかしマークが優秀な警備隊というだけあって、その部下達の戦力値もそれなりに高く、7000から10000程と表記されていた。
こちらも冒険者ランクにしてもDからC相当はあるのだろう。
マーク達全員で取り押さえようと上手く連携を取る事が出来るのであれば、下位程度のBランク冒険者が相手でも善戦出来るかもしれない。
「これで街の人たちが安心して、外を出歩いている理由が分かったかな?」
大笑いをしている警備隊達だが、その中の警備の一人がぎょっとした顔でソフィを見る。
どうやらその警備隊の男は、少年が今あらゆる町で噂になっている『破壊神』と気づいたようだった。
「た、隊長! そろそろ行きましょう! こうしている間にも困っている人が、我々を待っているかもしれませんよ!」
馬鹿笑いをしているマークが、その言葉にハッとして頷く。
「そ、そうだな! よし、少年たちよ、お前たちも何かあれば、我々警備隊の詰所まで相談に来るのだぞ! いつでも相談に乗るからな」
はっはっはと笑いながら警備隊達は、ソフィ達の前から去って行った。
「全く、一体何だったのかしら……?」
リーネが溜息を吐いて、警備隊達の走り去っていった方向を見ていた。
「まぁよい、では早速ミナトの魔力を探るとしよう」
――根源魔法、『漏出』。
ステンシアの街全体を対象にミナトの魔力を探ると、直ぐに現在ミナトが居る場所を感じ取れるのであった。
「居たぞ。ここから少し南に行った所にミナトは居るようだ」
「では早速私達も行きましょうか」
こうしてソフィ一行は、先程ギルドで別れたばかりの『ミナト』の元へと向かうのだった。
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